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いつもと少し違う日

 今日もいつも通り朝、天月からのおはようを食らった。効果は抜群だ。


 そして3時間目、俺たちのクラスは体育館でバスケをしていた。体育服姿の天月もいつものことながら、なかなかにいい。


 朝ごはんをしっかりと食べなかったせいで俺はお腹が空いていた。今日は中々起きれずに朝ごはんを食べている時間がなく、バナナ1本しか食べれなかったのだ。


 ー 天月かわいいな〜 お腹すいたな〜 ー


という雑念を抱えた状態で俺はバスケをした。


 ただ、陰キャらしくただコートの中を右往左往していただけだったためバスケをしたと言えるかどうか...。


 そしてその瞬間は突然やってきた。


 やる気のなさそうな俺の顔面にボールが直撃した。


 顔は腫れ鼻血が出ている。


 クラスのリーダー的存在であり、俺の数少ない友達の一人でもある村上隼人(むらかみはやと)が心配して俺の近くに寄ってきた。


 目立ちたく無いので村上に大丈夫だと言い、体育教師に報告してから保健室へ向かう。



ー天月視点ー


 私は楽しく女子たちとバスケをしていた。


 ドッ!


 なんの音だろうと男子の方を見る。


 見た感じだと悠くんの顔にボールが当たってしまったようだ。鼻血が出ているため余計心配になる。


 悠くんは目立ちたく無いと思っているのかそそくさと保健室へ向かったようだ。


 結構目立っちゃってるけどな〜と思いながら私はその背中を見届けた。



ー神代視点ー

 

 俺は鼻にティッシュを詰めて、保健室のベッドで横になりながら天井を見つめていた。保健室の先生に頭も痛いと言って休ませてもらっているのだ。


 保健室の先生もどっか行ったため俺が、落ち着くな〜と思いながらのんびりしていると扉の開く音が聞こえてきた。ベッドの周りにはカーテンがあるため見ることはできない。


 保健室の先生が帰ってきたか...。


 俺はそう思いながらも天井を見続けた。


 「悠くん大丈夫?」


 おや?保健室の先生の声では無い。これは毎朝俺がよく耳にしている声。


 「天月?」


 カーテンを開け、天月は頷く。 


 「もう、心配したんだからね。鼻血は止まった?」

 

 「ああ。大丈夫だ。」


 ここで俺はあることに気づく。


 ー ティッシュ鼻に突っ込んだままじゃねーか ー


 俺は恥ずかしくなりすぐさまティッシュを鼻から抜き、そばにあるゴミ箱に投げ捨てた。


 その様子が面白かったのだろうか。天月は声は出さないものの笑っている。


 痛いのはもうごめんだ。だがこういう、いつもと少し違う日がたまにあってもいいのかも知れない。

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