金髪と少女と青い炎
まどかは家の最寄り駅のホームに立っていた。
学校の始業時間は8:40。しかしまどかは医学部受験生。
朝は頭の回転が速く、数学などの理系科目ははかどるので、始業前に勉強する。
いつも乗る電車の時刻は7:00と決めている。
電車が来る。電車とホームの間をまたいで乗った。電車は4両目。
一番駅の階段に近いからだ。この時間帯はすいている。
電車の座席に座り、速読英単語を読み、英単語を覚える。
その中の一つの文を黙読した。
「she is buying vegitables at the supermarket now」
まどか「(彼女は野菜を買っているか・・・・)」
supermarket ・・・buying ・・・文字を見てふと思い出す出来事があった。
まどか「(そういえばあの金髪頭の宇宙買い物面白かったな・・
買い物袋を使わず・・・段ボールって・・・・)」
そう思いだしてはなんだかクスッとしてしまう自分がいた。
そんなことを考えていたらもう電車は学校の最寄り駅についていた。
まどか「(いつもよりもはかどらなかったな・・・)」
駅の階段を歩く、この時間は人気も少ない。自動改札機にモバイルスイカを通す。
ピッという音とともに、はっと気づいた。
まどか「(そういえば、なんであいつのこと考えちゃったんだろう)」
まどかはあの家の宇宙買い物に温かい家族のぬくもり感じていて、
自分の冷たい家庭と比較し、それを求めてしまっている自分に気づいていた。
学校の自習室で数学をする。数学の最中も思い出してしまう。
まどか「(この関数の面積を求るのね。それにはこの式を積分するからインテグラルの・・・)」
その最中にも考えてしまう。
まどか「(そういえば、あの金髪頭微積分の計算がすごい早かったな。あのとして相当数学を解いているだな)」ふとやっぱり考えている自分がいた。
まどか「はっ。なんでかんがえてしまうのーーー。」
ふと大きな声で独り言をつぶやいていた。はっとした。周囲を見回す。誰もいなくてホッとした。
自分の頭の中にあの金髪頭とその家族がどうも離れなくなってきていた。
自習を終える。スクールバックに参考書を詰め、教室に向かう。
教室の扉を開けて、周囲の生徒に軽く挨拶をする。
まどか「おはよー。」 女子A「おはよー。」
女子A「ねえねえ。昨日インスタにたくさんいいねきたんだー。」
女子B「いいなぁ。写真写りがインスタ映えするもんね。」
女子C「この写真の角度可愛い。ねえまどかみてみてー♪」
まどかはじつはSNSをやっていない。言い値されることに何の価値があるのかわからないからだ。
SNSは事故承認欲求の塊が集まる場所。自分がいる場所ではない。そういう考えから距離を置いている。
しかしまどかは強くなれない、そんな会話でも本心ではない気持ちを口に出し、併せてしまうのだ。
まどか「ええ。みせて。ほんとかわいい」
女子C「でしょでしょー。」
何が可愛いのかもわからない。何をはしゃいでいるのかもわからない。いいねの何に価値がある。
そんな気持ちを心の中に抱えてるが。自然と口からはそう出ていた。
まどか「(あの金髪頭はやっているのかな?インスタ?蓮君と一緒にやったらインスタ映えしそう)
思い出しクスッとしてしまう。まどかそれを見つけ女子は問いかける。
女子C「今なんか思い出して笑ってたでしょ?もしかして彼氏?」
まどかはびくっとなる。机に両手をつき大きな声で言っていた」
まどか「んなわけないでしょ!!あの金髪が・・・」
言った瞬間口に手を当てた・・・とっさに出てしまっていた。周りがざわざわし始める。
その状況に思わずなん分か呆然とたっているしかなかった。
まどか「(金髪って言っちゃった)」
周囲にも金髪?何?ヤンキーか?などという声が聞こえた瞬間チャイムが鳴り、
教室の前の引き戸があいた。
その瞬間生徒は慌てて、自分の席に戻る。
先生「はいはいー。授業始めますよー。」
授業がこれから始まる。
まどかは俯き、赤くなっていた。その時の胸の鼓動は・・・早かった。
一時限目が終わり、10分休憩。
すると周囲の男子が話している。
男子A「なあ。最近トレモンカードゲームアプリになったよね。」
男子B「知ってる。知ってる。俺やってるよレイカルザ当たったんだよねー。」
男子C「すげえジャン見せろよー」
周囲の男子がそんな話をしているのを頬杖をしながら聞いていた。
まどか「(トレモンねぇー。確かなんかアニメでやってるのを小さいころ見てたなぁー)」
まどかの家庭は教育ママだ。小学生の頃から勉強していて、アニメを見ると母親に怒られていた。
しかしその中でも「トレモン」だけはなぜか必ず見ていた。
母親がご飯の支度に集中している為、見ていても注意されることがないからだ。
まどか「(チカチュウと一緒に主人公が旅に出るのよねえ。途中のレイカルザーとかかっこよかったな。チカチュウは魂の精霊。恭二さんも....雷の人だな。)」
そんなことを考えると休憩が終わり、次の授業の先生がはいってきた。
チカチュウ・・・レイカルザー・・・それがまどかの憂鬱となるとはこの時は知る由もない。
授業終了のチャイムが鳴る。まどかは席を立つ。
周囲の女子に笑顔であいさつをし、スクールバックを右手に持ち、右肩にかける。
今日は予備校の日だ。友達との遊びの誘いを断り、足早に校門を出る。
まどか「(17:00から予備校だ。早くしなくちゃ。)」
少し駆け足になる。予備校の近くにはゲームセンターがある。
そこに衝撃的なものを見つけて急に足が止まった。見慣れたあの金髪とあの可愛い声が聞こえた。
蓮「やったあ。みどりのかっこいい竜が当たったーー」
恭二「それはレイカルザだなすげえな。俺もまだ当たったことがないのに・・・」
ーーーーー恭二だーーーーーー
目立つ金髪頭に、子供連れ、見間違えるわけがなかった。まどかは右手を額に当て目を閉じた。
金髪頭が4歳の子供と一緒にはしゃいで遊んでいた。
まどか「(やっぱり・・・宇宙人だわ・・・・)」
もう40にもなろうとしている大人が4歳児と同じ目線でトレモンをやっていた。
まどかはかかわりたくないと思い、そのまま足早にその場を去ろうとしたら可愛い声が耳に入った。
蓮「ああ。まどかおねえちゃんだ。」
まどか「(やばい。気づかれた)」足早に去ろうと思ったが、
可愛い声が耳に入ったので、まどかは右足を踏みしめるような形になり振り返る。
まどか「え?ああ。こんにちわ。蓮くん久しぶりだねー。買い物楽しかったねー。元気ー?」
焦っていたのか言葉がたくさん出てしまった。連は驚いているだけだ。
すると金髪頭が次に声をかける。
恭二「ええっと・・・」恭二は左上を見ながら考えている。
恭二「おお。君か。たしか。白石まどかだよな。」
そのあとまどかを指さす。相変わらずなんだこの男は、でもそれが何だか癖になっている自分もいた。
白石まどか「ようやく名前覚えたわね。これから予備校?時間ないから----じゃあね。」
さろうとするとどこからか子供の声が聞こえる。連とは違う。女の子の声だ。
女の子「おじいちゃんどこー。ねえどこー。えーん。えーん。」
まどかは無視しようとした。しかし、困っている子供を見捨てては置けない。
彼女の中の優しい気持ちが自然と子供のほうに足を向けさせた。
そして優しい声で子供に目線を合わせ、膝をおりしゃがんで話しかける。
まどか「どうしたの?」
女の子「家にお母さんがいなくて、おじいちゃんが車で待ってるから
駐車場のところに行こうとしていたの。」
まどかは子供の話す内容がよく理解できないし、状況が良くつかめない。
その様子を見た恭二が後ろから駆け足で来た。その後ろを連もついてくる。
恭二「まどか?どうしたんだ」
まどか「どうやら迷子みたい。おじいちゃんが駐車場で待ってるって。状況がつかめないわ。」
恭二も状況がつかめない。恭二は元警察官僚。こういう状況はなれている。
恭二は膝をおり、子供に目線を合わせ、優しく子供に話しかける。
恭二「どうしたの?迷子になっちゃったのか?」
女の子「おじいちゃんの車に行こうとしていたの?」
恭二もよくわからない。
落ち着いてネームプレートや衣服の名前などを自然と観察したが、それらしいものも見当たらない。
周囲を確認しても親や保護者らしい人も見当たらない。
まどかはその後ろで腕を組み状況を考えている。
恭二は金髪頭だが冷静に女の子に話しかけた。
恭二「年齢と名前はわかるか?」
さくら「さくら・・・8歳」
金髪頭に話しかけられて動揺しているようだが、
優しいからか、女の子は自然と名前が口から出た。
でも動揺して泣きそうになっている。
恭二「さくらちゃんか。よく名前言えたな。家はどこだか自分でわかるか。」
さくらちゃんは思い出しているも混乱しているのでなかなか言い出せないが方向だけは指さした。
さくら「あっち・・・」
恭二は指さされた方を見た。マンションやアパートらしきものは見当たるがどこだかはわからない。
さくらは動揺して泣きそうになっている。
これ以上話しかけても余計に動揺させるだけだ。
まどか「どうしよう・・・」
蓮「どうするの?この女の子?」
まどかは動揺している。連は動揺しているのかまどかの袖をちょんちょんってつかんだ。
まどか「.....大丈夫だよ蓮君.....怖くないよ。お姉ちゃんがそばにいるからね。」
しかし恭二は元警察官僚なので落ち着いていた。
恭二「これは仕方ない。110番するしかないな。来たら警察に任せよう。」
まどか「わかった。110番するわね」
まどかは自然と目の前の子の金髪頭に協力していた。
スマホで110と番号をタップ110番に電話する。
まどか「(大丈夫。これは善意でやっているのよ。)」言い聞かせている。自分もいた。
110番の人「はい。110番です。事件ですか?事故ですか?」
まどかは110番なんてかけたことがない。初めてでなんて答えたらいいのか出てこない。
まどか「ええっとぉーーー。女の子がぁ・・・えっと・・えっと・・・」
初めてのことなので動揺して言葉が出ない。
連は少しこわがってまどかのスカートの端をちょんちょんとした。
戸惑っているとそれを見かねた恭二が言った。
恭二「ここは俺がやる」
そういうと一呼吸おいて
恭二「ここの署長とは何かと縁があるんだ・・・」
まどかはよく聞き取れなかったが「署長」という声だけは聞こえた。
恭二がスマホをタップする。
恭二「黒沢恭二だが・・・」
電話越しに何か話しているが相手の声は聞こえない。
恭二「子供が、迷子で困っているようだ。保護してほしいんだが。」
恭二は元警察官僚だ落ち着いて冷静に話している。
そしてそのあとも続けた。
恭二「そうだ。ゲームセンターの前だ。ええっとぉ。ああ。港南区3丁目24だ。」
まどかはなんでわかるのかと思った。恭二が首を回してみているところを見てみる。
まどか「(あっ!!電柱!!)」
電柱には町名と番号が記載されている。恭二は元警察官僚。恭二の警察官僚時代はスマホがない。
住所を調べるときは電柱を観察していたのだ。
まどか「(すごい観察眼!!金髪で何なのこの人!!)」
恭二「ああ。よろしく頼むな」
よくわからない人としゃべっているようだったがまどかは聞き取れなかった
続けて恭二は言った。
まどか「大丈夫だよ。怖かったよね。でも今警察の人来るし、お姉ちゃんと一緒にまってようね。」
蓮は不安そうに見ていた一通りおわって恭二が連に話しかける。
恭二「蓮。大丈夫だ。これから警察が来てくれるから、かっこいい警察官が来るの待ってようか。」
蓮は指をしゃぶっていたがその声に落ち着いたようで笑顔になった。
蓮「うん!!かっこいい警察官みたい。」
恭二がまどかにもいう。
恭二「そういうわけだ。これから警察が来る。」
まどか「あとどれくらいで来るの?」
恭二「わからん。なんたってここは人が多いからな。」
恭二「(ここは港南区か。港南区は人どおりも多くて、事件も多い。)
恭二「あいつも・・・大変だっていってたしな・・。」
まどかはあいつのことが誰だかわからなったがあえて深入りはしなかった。
まどか「(恭二さんって....やっぱりすごい人なんだな....
さっきまで子供とトレモンでふざけた人とは思えない。)」
一通りのことが終わったのでまどかは言った。
まどか「よしじゃあ。終わったわね。私は予備校に行く・・・・」
その時だったはたまた子供の気持ちは変わりやすい。
さくら「おうちはあそこの4Fなの?」女の子だからか、まどかに話しかけていた。
まどかはむげに断れない。
まどか「そっかあ。えらいね。ちゃんと家覚えていたんだね。
....じゃあ。みんなで送っていこうか。ねぇ。恭二さん」
恭二はここで家に行くと、警察官とすれ違いになるし、連も置いておくわけにはいかない。
戸惑いながらももうさくらちゃんは行こうとしていた。
仕方ないので答えた。
恭二「ああ。行くか。」4人はさくらちゃんの家に向かった。
さくらちゃんの家だ。アパートだ。この4Fが家らしい。階段の入り口に向かう。
エントランスの左側に集合ポストがある。
さくら「ここがおうち。」
集合ポストを桜ちゃんが指さす。そこには「早川」と書いてあった。
恭二「(早川か・・・・)」
こういう時は恭二は記憶力がいい。瞬時に集合ポストと名前を頭に記憶した。
まどか「あ。早川っていうんだね。可愛い名前だね。」
さくらちゃんは笑った。エレベーターはないらしい。
そのまま階段を4人で上る。恭二が自然と桜ちゃんの足元を観察した。
恭二「(不自然なあざがある・・・もしや・・・)」
この娘はDVを受けている可能性がある。警察官僚だった時の直感が彼をそう感じさせた。
あいつに電話してすぐ警察官を要請するように言おうと考えた。
しかし、さくらちゃんは階段を上りつづけているのでその余裕もない。
まどかはそんなことも知らず、さくらちゃんと一緒に笑顔で階段を上っていた。
さくら「ここがおうち。」4人は到着した。さくらちゃんは扉を指さしている。
左側がうちらしい。ドアノブが左側中央にあり、インターホンがある。
桜ちゃんはいきなりドアをがちゃっと開けた。
恭二「(施錠されていない。8歳の女の子が家にいるのに!!。)」
入るなり母親らしき人の大きな声が聞こえる。
女「何勝手に出ていったの!!危ないでしょ!!どうしてウロチョロするの!!」
そういって扉が閉まった。
恭二「(これは怪しい・・・。さくらちゃんは児童虐待に近いことをされている!!)」
手帳があればこのまま捜査ができる。しかしもう今は警察官僚ではない。専業主夫なにもできない。
何もできない無力感を抱えていると、まどかは言った。
まどか「恭二さん....あなたは守れる人でしょ?今は専業主夫ではなく、警察官僚として動いてほしい。」
恭二はその声に胸を打たれ思ったがいった。
恭二「私はもう手帳がない。これ以上何もできない。あとはプロに任せよう。」
まどか「そんな。手帳とか関係ないじゃない。目の前で女の子が母親に大きな声で何か言われているのよ。助けられないなんて・・・私見てられない」
まどかはドアノブを開け言おうとするも恭二がそれをつかみ生死をさせる。
恭二「やめろ!!このままじゃ不法侵入で逮捕されるだけだ。現行犯でもない。逮捕できるのは司法警察職員つまり警察官だけだ。これ以上深入りは危険すぎる。それに・・・」
少しの間が開いて恭二は答えた。
恭二「あいつ・・・がいるから大丈夫だ。もう一度かけなおそう。」
恭二はスマホを右のジーパンのポケットから出してまた電話を始めた。
恭二「おう。恭二だ。現場は4階。港南区3丁目24付近のアパート。
グリーンヒル港南の4Fの女の子が児童虐待に近いことをされている。
しかも家は無施錠だ。怪しいにおいがする。至急現場に警察官を要請しろ!!」
とだけいって切った。さっきから出てくるあいつっていったい・・・。
まどかは意を決して聞いてみる。
まどか「恭二さん・・・あいつっていったい・・・」
恭二「ああ・・・」恭二は少し言葉を飲み込みいった。
恭二「おれの・・・・弟さ・・・・」
まどかは混乱する。弟さんが警察官!!しかも署長!!
目の前で言っている恭二言葉一つ一つが理解できない。理解できない間に恭二はつづけた。
恭二「あいつは優秀だったからなぁー。順調にキャリアを積んで現在はここの署長をやっているのさ。
ここは人通りもおおく事件が多い。物騒な事件も多くて大変だとぼやいてたな・・・」
まどかは何も答えられない。この金髪頭の弟さんが署長!!この人は宇宙人でも家族はまともらしい。
そう言って連としっかり手をつなぎアパートを出る。
すると制服の警察官が白いバイクに乗って近づいてきた。
歩いて警察官の男が近づいてくるといきなり姿勢を正し、話しかけてきた。
警察官A「え?黒沢署長のお兄さんじゃないですか!!あの伝説の!!」
恭二「ああ。そうだが。」
警察業界じゃ有名らしい。いい意味でも悪い意味でも。緊張している警察官に続けて恭二が言う。
恭二「弟からなんか聞いてなかったか?」
警察官A「4Fの早川って女の子を家が児童虐待の疑いがあると・・・」
そのあとを遮り恭二は言った。
恭二「そうだ。ここの4Fだ。」そのとき悔しそうな表情で恭二が言った。
恭二「そうだあいつは弟だ。よろしく頼むと・・・伝えてくれ。」
恭二は振り返る。警察官は敬礼をして足早に現場に向かった。
恭二「あいつも偉くなったなぁー。もはや署長か・・・」
まどかは目の前で起こったことをただ見ているだけだった。何が起きているのかもつかめなかった。
でも恭二の寂しそうな背中には哀愁を感じた。
まどか「(制服警察官が緊張のあまり動けなかった。しかもここの警察の署長は弟さん・・・・
この金髪ただものじゃないわ・・・。ただの主夫ではなかったのね。)」
そのあとそのさみしそうな背中に哀愁のある背中になぜか胸が苦しくなっているまどかがいた
まどか「恭二さんもいろいろあったんだね・・・」
まどかはなぜか心臓の鼓動が早くなる。そのあとの恭二の言葉がさらに胸の鼓動を速めた。
恭二「まったく、親なら子供にちゃんと向き合ってやれよ。一人でフラフラさせるなんて信じられん。」
何この気持ち・・・まどかは胸の鼓動を抑えるためその言葉を聞いているしかなかった。
その金髪頭は連を抱きかかえた。
恭二「こんなかわいい子の命を傷つける・・・しかも一番身近な奴が・・・親が傷つけるなんて・・・」
恭二の形相が変わっていく、連も少し怖がっている。まどかは見ているしかない。
恭二「・・・・許ししちゃいけねえんだ・・親なのに・・・・」
その男の瞳は燃えていた・・・その炎は怒りとも哀しみともとれた。色で言えば青色だろう。
素地て身体から放たれるオーラに様なものまでまどかは感じていた。
まどか「(恭二さんが、愛とやさしさに燃えている・・・それだけじゃない)」
まどかは恭二の瞳をよく見る。その奥にあるものを心が感じた。
まどか「(悲しみや憎悪も感じるこの人は・・・このままじゃ壊れる)」
まどかの中で母性のようなものが自然とわいた。誰かといっよのものを感じた。その時はっとした。
まどか「(あの瞳叫んでる。
誰か、俺を見てくれと。
私と同じ。孤独の炎が燃えていた。)」
まどか「(この人のあの瞳みてられない・・・助けてあげたい・・・・)」
まどかはこの男はただの主夫ではない。主夫という胸の奥には正義と親としての相当な覚悟そして、
壊れた心が叫び声をあげている心をまどかは感じた。まどかは胸の鼓動を抑えなれなかった。
この人の悲しい眼・・助けてあげたい・・・・その壊れた心・・・包んであげたい。
なんだか感情を抑えきれない自分がいた。
その日、まどかはまたひとつ、「恭二」という人間の奥深さを知った。
【まどかの憂鬱・・・私の時間よりもレイカルザー】
まどか「あああああああっ!!」
恭二「なんだよ。うるせえな。」
まどか「予備校行けなかったじゃない!!今何時!?もう終わってるぅぅぅぅっ。!!」
蓮「あああああっ。パパ・・・・」
恭二「なんだよ今度は・・・・」
蓮「レイカルザがないよ。パパに預けたでしょ。」
恭二「えっ!?嘘だろ!?ポケットに入れてたのにっ!!......ないっ!!当たったのにぃぃぃぃ!!」
まどか「ちょっと。私の話聞いてる?」
恭二「よし。やはりここはプロに任せよう。私はもう手帳がない。まどか一緒に交番行ってくれ。」
まどか「ついていけるかっ!!私の勉強時間返してぇぇぇぇ!!この菌P津バカ!!」
まどか「(はぁ....英単語は覚えられなかったし、予備校もぱぁ......
全部この宇宙バカのせい......本当、私いつも振り回されてばっかり)
でも----
まどか「.....『親が子供を傷つけるなんてぜったいゆるさねえ』.....か。
........かっこよかったな........」
(って何この胸のときめき......まさか、私.......そんなわけ、ないでしょ・・・)
-----これからも ,
通称「まどかの憂鬱」 「まどかの憂鬱と金髪専業主夫一家のおかしな毎日」をよろしくね。
キミのハートをこれからもこのまどかが.......
キュンキュンさせちゃうんだからっ!!