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名前を決めて-コノキモチニ-  作者: 鏡恭二
【第1章】 名前を決めてーコノキモチニー
3/13

私が笑顔で入れるところは.....

ここはまどかの家。

枕もとのスマホのアラームが鳴る。まどかは目が覚めた。

まどかはベッドの上から起き上がるも体が重い。

ベッドから起き上がる、鏡の前にいても笑顔は出てこない。

まどか「なんだか最近笑えないな・・・」

メイクは母や学校でばれない程度ののピンク。

眉を軽く整えてパウダーを少しだけ。

「....これくらいならばれないかな....」

彼女は優等生でいたかった。それが「ギャル」に見えないように

メイクはいつも控えめだ。

机から教科書をスクールバッグに入れるそれを持つなんだか重く感じた。

家では、手がかからない娘を演じ、学校では優等生を演じ、

まどかは素人なのに誰かを演じなければならない重圧に押しつぶされそうになっていた。


家族で朝食を食べるために食卓へ向かうまどか。

そこには日経新聞とコーヒーカップが置かれていた。もうすでに父親の姿はない。

まどか「お父さんは?」

母「ああ。もうすでに出ていったわよ。急に仕事が入った。」って

まどか「そう.....」

まどかの父親は有名商社の役員だ。

部下のトラブル対応や取引先の急変、会議前の資料のチェックなどで急に呼び出されることが多く

家にいないことがほとんどだ。

まどかはそれが「仕事だから仕方がない」とわかっていた。

父が働いて、家庭を支えてくれていることも感謝している。

---でもそれでもやっぱり。

直接愛情を注がれている実感があまりなかった。

気づけば会話も減っていた。

母「そういえば・・・・」まどかは箸をとり、朝食の鮭の切り身をほぐしながら、母親の顔を見た。

母「ねえ。聞いた?あの子。家が医者だからお父さんを継ぎたいって医者になることにしたんだって、

参考書英語の速読英単語、毎回読んで、英単語暗記してるんだって言ってたわよ。」

まどかは少し俯いて、答えた。

まどか「そうなんだ。」

母「あなたも見習わないとね。医者になりたいんでしょ」

またあの娘の話か、毎回名前が出るたびに嫌になるまどか。あなたの娘は私でしょ。そんな気持ちが口から飛び出しそうになったが。それをこらえていった。

まどか「うん。そうだね。」

母親には心配をかけたくない。その思いだけで精一杯口から出た言葉だった。

まどか「ごちそうさまでした。」

朝食を食べ終わり、席を立ち、スクールバックを肩にかけ持ち家を出る。

まどか「行ってきまーす。」

母親が、返事をしているも聞こえない。ここは私の居場所ではないその気持ちが胸にある。

そんな時にふと頭の中にあの金髪頭が頭の中に思い浮かんだ。

まどか「あの宇宙人・・・今頃何してんだろ」歩きながら頭の中でなぜか考えてしまうまどかだった。


教室の扉を開けると、ざわざわした声が飛び込んできた。

グループの中に吸い込まれるだれか?笑いあう声、とびかうLINEの通知音。

男子A「な。昨日サイゼリヤで二人きりでいたのみたぞ」

男子B「なぁー。LINEみせろよ。」

男子C「おいやめろって!!」

男子達が騒いでいるのが聞こえる。

まどかは自分の席に吸い込まれるように座った。

クラスの優等生で、可愛いと噂の彼女だったのだが

とっつきにくいのか、だれも話しかけない。

それはいつの日にか、まどか自身が気にされない存在なんだと感じさせるようになっいていた。

机のわきにスクールバックを置いたまどかは心の中でつぶやいた。

まどか「今日も『優等生』を演じなきゃ・・・」

チャイムが鳴った。まどかの・・・『優等生』でなきゃいけない一日が今日も始まった・・・


授業は3限目になった。3限目の授業は「数学」 内容は微積分だった。

先生「二次関数の接線の傾きを求めるときは、二次関数の式を微分すれば傾きが・・・・」

まどかは先生の話を聞いていたが、途中で変なことを思い出してしまう。

まどか「(そういえばあの金髪頭。導関数の問題スラスラ解いてたっけ?

何者なんだろ。大学受験するわけでもないのにセンター試験の問題解いてるみたいだし

しかも子連れで・・・何者なんだろう・・・)」

先生「じゃあ。次の問題解いてみろ。白石まどか。」

まどかははっとする

まどか「はいっ。」

先生「この二次関数の接線の傾きを求めてみろと聞いているんだ」

まどかは途中から全然耳に先生の授業内容が入っておらず。

頭が金髪宇宙人でいっぱいになっている自分に気づいた。

まどか「すいません。聞いていませんでした。」

周囲の生徒がざわめきだす。

男子A「あの白石が・・・」

女子B「いつもならすらすら答えるのにねぇー。」

基本的な問題だ。いつもなら簡単に解ける。頭の中にいる金髪頭がそれを邪魔しているのに気付いた。

どうしてだろ・・・これは違和感・・・それとも・・・・

数学の問題では解けない心の問題が出題されていた。


夕方再びチャイムが鳴る・・夕方の授業が終わったことを告げるただの電子音。

教室がざわめきだす。

女子A「今日帰りカラオケいこー?」

まどかは友人から誘われた。しかし、友人の前でも「優等生」を演じてしまう。

「ありがとう。でも今日はちょっとだけ一人でいたい気分なんだ?また誘ってね?」

友人は了解し、その場を去った。まどかは一人歩き考えていた。

医師志望。青春とは距離を置き、放課後はまっすぐ図書室で受験勉強をすると決めている。

まどか「(家に帰っても、窮屈だしなぁ。なんだか今日はやる気が出ないな・・・)」

そんな時、あの金髪頭が頭をかすめた。

まどか「(あの人のところ行ってみよっかな?勉強もわからないことがあるしな?)」

時刻は16:30........

まどか「今頃ならもしかしたら・・・・保育園かな?」

まどかは歩きだしていた・・・金髪で宇宙人みたいなのに気づけばまた会いたくなっている自分がいた。


一方そのころ恭二は保育園に向かっていた。

恭二「掃除も洗濯も済ませた・・・今日は「ちょっと優しいお姉さん系」のラブコメで筋トレもしたし完璧。しかし、数学の証明問題にずいぶん時間を取られた。もう少しでとけそうだったのに・・・」

よくわからない宇宙語を独り言で話しながら歩いていると一人の女子高生が制服でガードレールに持たれかかっていた。しかし恭二はきづかない。

恭二「0÷1=0なのに1÷0=0でないのはなぜなんだ・・・意味が分からないよなー。」

平気で素通りしていく恭二にその娘は問いかける。

まどか「ちょっと!!」一人の金髪頭がその娘のほうを振り返った。

恭二「ああ?ああー。きみかなまえはえっと・・・ああ。あの今日最新刊のラブコメアニメのヒロインと同じだったな確か吉川泉。あの主人公勝ちがづいて心の中に入ってくると遠ざかってしまう距離感が絶妙な・・・あれはキュンキュンする・・・」

まどか「白石まどかですけど!!」

この人の頭の中には、問題解決のための理系知識とラブコメアニメしかないらしい。どうしてそんなのと間違えられるのかまどかが困惑していると再び困惑する発言が金髪男の口から飛び出した。

恭二「ああ。白石まどかだな。思い出したわ。ごめんな。

そのラブコメのヒロインとごっちゃになってさ。」

.....嫌なにその言い訳。

この人にはコンプライアンスって言葉辞書にはないらしい。

あきれながらもまどかはじっと見つめる。

恭二「で?何の用だ?これから連を幼稚園に迎えに行くんだ。

今日は鶏むね肉の照り焼きを作るつもりだ。筋トレ後の身体づくりにもいいしな。

.....あ。....ちなみにご飯はなし。糖質制限だからな。」

相変わらずの会話の方向が独特すぎる。よくわからない。

主食のご飯がない家庭ってなにそれ?

やっぱりこの人ちょっと宇宙人。


.....でもそんな話を真面目にしているその人にクスッとしてしまい

癖になりそうな自分がいてなんだか悔しかった。


(でも。本当にこの人この献立で作って夕飯出すつもりかしら・・・

蓮君とのスーパーの買い出しも大変だしちょっと手伝ってあげようかな)


まどか「あの?」

すでに素通りしてドアの前に言っているその金髪男が振り返った。

恭二「へ?」

まどか「夕飯の買い出し。ついていっていいですか。」

恭二はいきなり出てきた言葉に戸惑った。

目の前の可憐なJKがこの危ない金髪男と蓮との買い出しについていこうとしている。

本当はうれしい気持ちを押し込めつつ恭二は言った。

恭二「だめだ。君はまだ学生だろ。もう遅いし、親も心配しているし帰りなさい。」

まどかはその言葉を振り切り、言った。

まどか「その金髪頭で一応常識はあるのね。でも私はあなたの生徒よ?

あなたは先生だったら勉強をおしえる義務があるんじゃないの?

それに----この清楚で可憐な女子高生を,このまま一人で返すつもり。」

一応それなりに清楚で可憐ではあるがそれを自分で言うのかと恭二は戸惑っている

それを後押しするようにまどかは言った。

まどか「それに・・・私・・・ただ勉強を教えてもらいたいだけじゃないの・・・

あなたと蓮君の役に立ちたいの」

まどかはまっすぐな眼で恭二をみている。恭二は答える。

恭二「わかったわ。じゃあ一緒に行くか・・・ただ・・・連との買い物は大変だぞ・・・・」

まどかはそのままその言葉をただ聞いていた。

恭二「想像以上にな・・・」

まどかはこの時、ただのかわいい蓮との買い物が大変だということを知る由もなかった。


恭二は保育園に連を迎えに行く。

蓮「パパー。」


連は駆け寄ってくる。父親にとっては連の笑顔が一番の宝物だ。

恭二「おかえりー。今日も頑張ったな。」

まどか「蓮君。今日はどうだった?」

恭二は連の保育園の荷物を探しているところだった。

連は目の前の女子高生風の制服姿のまどかが誰かわからないようで少しもじもじしているようだ。

恭二のほうへ走り、足元に行き、親指をしゃぶりながら、もじもじしてしまう。

恭二「連大丈夫だ。この前。病気の時一緒に病院に来てくれた.....いず......」

まどか「まどかです!!」

恭二「ああ。そうだ悪い。まどかちゃんだ。覚えているか。」

蓮「まどか....ちゃん」

まどか「今日は連君よろしくね。」

恭二「(まぁ。まどかも優しいから大丈夫だろうけど時間はかかるかもなぁ・・・)」

保育園を出る。

連は笑顔で恭二と手をつなぐ、しかし歩くのが不安定な蓮は転んでしまう。

恭二「あーあ。大丈夫か。」

さすがだ。普通は子供が転んだら駆け寄りそうなものだが、

この人は違うらしい立って蓮に話しているだけだ。

まどか「蓮くん大丈夫?」

蓮は少し不安そうだったが、まどかがそっと手を差し出した。

蓮「......うん。」

まどかは優しくその手を握った。それと同時に恭二を見ていった。

まどか「なんで手を取ってあげないの?」

恭二「まぁ。いつものことだからな。転んだ分だけ強くなれるだろ。これも筋トレの一つだ。」

相変わらずだ。普通ではないらしい。4歳の子供を鍛えぬこうとしている。

まどか「少しは親なら優しくしてあげたらどう?」

恭二「そんなもんかなぁ」

3人で手をつないで歩く姿はまるで家族のようだった。

夕焼けに照らされたその背中が.....いつまでも暖かかった.....


3人でスーパーについた。自動ドアが開く。

左側に買い物カートがずらりと並んでいる。

連はすぐさま子供用の大きい買い物カートに駆け寄った。

恭二「おいおい。あぶねーぞ。」

ぶっきらぼうな言い方で金髪頭がいうととても怖い。連は泣きだしそうになる。まどかはそっと言った。

まどか「恭二さん。優しくね。蓮君びっくりしてるわよ。」

恭二ははっとした。自分で自分が子供に対して怖い言い方をしていることに

恭二はきづていなかったらしい。

蓮「これ乗りたい。乗りたいーーーー」

連は左側にある大きい子供用の買い物カートに乗りたがっている。

恭二は右側に詰まれている買い物かごを取っている最中だった。

たまらずまどかに頼む。

恭二「連のことみててくれないか?」

まどかは一瞬キョトンとした顔をしたが笑っていった。

まどか「わかったわ」

まどかは子供用の大きいカートのハンドルバーを手前に引く、

下を向くとそのカートのフットレストには二つ足跡のマークがあった。

そこに立って乗るカートらしい。

まどか「じゃあ。蓮君。ここに足跡があるから立って乗ってみようか。」

するとそのあとの行動にまどかは驚くことになる。なんとそこに座ったのだ。

まどか「・・・・(なんで座っているの)・・・・」

まどかは戸惑いを隠せない。そのとき恭二が近づいてきた。

恭二「よしじゃあ。いくぞー。」

買い物かごを買い物カートのバスケットに置き、ハンドルバーを押して、

そのまま行こうとする恭二にまどかは問いかける

まどか「ねぇー。いつもこうなの?」

恭二は何がおかしいのかわからないようだった。

恭二「そうだけど」

立つはずのところに座っているまどかは戸惑いを隠せない。

しかもこの金髪はそれを注意もしないでそのまま行こうとしている。

状況がつかめない。

恭二「まぁー。いつも言ってるんだけど座っちゃうんだよな。

立ってるのも疲れるだろうからこれでいいだろ。」

まどか「蓮君ちゃんと立って。ここに足跡あるでしょ」

まどかは優しくいうも連は拒否した。

蓮「いやだ。いやだ」なんだそれ、まどかは思った。

恭二「ほらな。仕方ないだろ」

この状況がつかめないと思いながらスーパーに入る。


まどかは献立を思い出す。恭二に言う。

まどか「今日は鶏肉の照り焼き作るから鶏肉買うのよね。」

恭二「ああ。そうだ。無事買えるといいのだが・・・・」

しかしその後ペースを乱される事象が起きる

入るなり蓮は買い物カートのフットレストから立ち上がり、お菓子コーナーへダッシュ!!

まどか「蓮君危ないよ。」

蓮の耳には入っていない。連は夢中になりお菓子を選んでいる。

恭二「はいはい。お菓子ね。何がいいんだ。」

蓮君はお菓子を夢中に選んで丸顔のチョコレート菓子を選んで恭二に渡した。

蓮「これがいい。」

まどか「チョコレート好きなんだね。」

連は笑顔でうなずく。

蓮「うん。」

連の笑顔は可愛いが、肝心の鶏肉が買えない。

その後は精肉コーナーへ行こうとするもいろいろなところをウロチョロ歩き回った。

まどか「こらこら。蓮君危ないよー。」

まどかは心配するも本人は気にしていない。ペースがとても乱される。

こんなに子供と買い物行くのは自由にできないのかとまどかは心の動揺を隠せない。

恭二「おいこら。蓮。危ないぞ。次は鶏肉買いに行くからこっちだ。」

恭二は促すも連は常にマイペース。

関係ないところをウロチョロする。

そのたびにまどかは連を追いかける。

恭二も初めは追いかけていたが、連が離れていくのを気にしている余裕もなさそうだ。

時間もないしあきらめ、精肉コーナーにいって鶏肉を探しはじめた。

恭二「えっと。鶏肉・・・鶏肉・・・」

恭二と蓮が食まれていく、まどかは連に呼び掛けて手をつなぎ、恭二にいう。

まどか「ねぇ。子供が迷子になりそうだったけど。」

恭二「ああ。いつもうろちょろするからな。付き合ってられんから。」

親としては衝撃な言葉が飛び出ている。この家族の座右の銘は自由なのかもしれない

まどか「転んだりしたり、誘拐されるかもしれないし、

もしかしたら車にぶつかって怪我するかもしれないから気を付けたほうがいいんじゃない。」

返事をする余裕もない。連がウロチョロするのを見守るので必死だ。

まどか(子供と買い物するのってこんなに大変なの!!)

ようやく鶏肉が買い終わり、レジに並ぶ、友人レジは長蛇の列。そのためセルフレジに回る。

セルフレジに買い物カートのバスケットから買い物かごを出し、商品置台にそれを載せる恭二。

一つ一つの商品のバーコードを読み込もうとするその時蓮が言う。

蓮「僕がやる!!」バーコードの読み取りをしたいようだ。

恭二「いまやってるだろまってろって!!」

恭二が強く言うと連は泣きそうになる・・・

たまらずまどかが割って入る。

まどか「恭二さん。だめですよ。そんな金髪で声を張り上げたら・・・」

恭二は悪いと思って言葉を飲み込む。

まどか「蓮君偉いね。やりたかったんだよね。じゃあ。やってみようか。」

連は少し笑顔になりうなずく。まどかが鶏肉を手に取る。連は両手でバーコードスキャナーを持ち、バーコードを読もうとするがなかなか聞こえない、するとセルフレジから音がピッと聞こえた。

まどか「やったぁ。蓮君。上手に「ピッ」できたねー。えらいえらい。」

蓮は自分でできたことで自己肯定感に満たされ、とても笑顔になる。

恭二はその2人の姿を眺めていった。

恭二「おお。まどかおねえちゃんとだからできたな。すごいな」

恭二は連の頭を撫でた。まどかは言う。

まどか「ちゃんと優しく教えてあげてもいいんじゃない。」

恭二「その時間があればしてんだが時間がない。こっちは結菜が仕事から帰ってくる前に食事を作らなきゃならないんだから。時間を見てみろ」

まどかは頭を上げてスーパーのかけ時計を見る。

時刻はもう18:00子供との買い物の時間はこんなにあっという間に過ぎていくものなのか。

恭二は商品置台から鶏肉などの商品が入った買い物かごをサッカー台に移動させた。

そのあとの行動も宇宙的だ。サッカー台の前にいる。

レジ袋を使わず段ボールを手に取る恭二。

まどか「......ちょっと,それに入れるの?」

恭二「そうだよ。レジ袋代もったいないからいつもこうしてる。」

まどかはまたか、この宇宙的節約術とあきれながら思った。

恭二はその後も無造作にダンボールの中に無造作に商品を入れ始めた。

まどか「ちょっと。...それ、つぶれちゃうってば・・・」

まどかは思わず手を伸ばし、手際よく中身を整理し始めた。

まどか「柔らかいものは上。重いものはした。こういうものはちゃんと順番があるの。」

恭二「ああ。そうか。ありがとうな。」

まどか「いつもはどうしているの?」

恭二「いつもは結菜がやってくれてるな。

俺がやると感ず眼の下に豆腐とか入れるから、よく怒られるんだ。」

金髪専業主夫は筋力がある。サッカー台から段ボールを両手で持ち上げる。

......でもその時蓮がよろよろとその場を離れようとする。

恭二「.....まどか、悪い。蓮のこと見ててくれないか。」

まどか「えっ?」

両手がふさがる。手をつないで出て行ってくれ。頼む。」

まどか「うん。わかった。行こ。蓮君。」

セルフレジでの出来事もあり、連は笑顔でまどかと手をつないで歩いた。

その後ろを段ボールを持ち上げながら黙々と歩く恭二。

自動ドアが開く。かくして宇宙的家族の宇宙買い物が終了した。


まどかは買い物を終え思った。

まどか「(なんだか心配になっちゃうな・・・・この金髪宇宙人はともかく

・・・これじゃあ蓮君が・・・蓮君のためにもちゃんと導いてあげられる人がこの家族に必要ね。)」

金髪宇宙人は一生懸命段ボールを持ち上げている。その時、ふと思った。いや思ってしまった。



まどか「(わたしが・・・・その役割・・・・やってあげたいな)」


金髪宇宙人専業主夫ははそんなことをまどかが思っているとも知らず。

一生懸命段ボールを運んでいた。

まどかは連と手をつなぎながら前を向いて恭二に言った。

まどか「また。買い物・・・・」

それを言った後振り返って恭二に言った。

まどか「一緒に行ってもいい?」

恭二は一瞬「へ?」という顔をしながら笑顔で言った。

恭二「ああ。もちろんだ。」

まどかは静かにうなずいた。

その胸の奥にぽっと灯った小さなぬくもりを感じながら



・・・そして、私の笑顔でいられる場所は、ここなのかもしれない・・・・・











【その後の黒沢家】


結菜「ねえ。恭二。」


恭二「なんだ。」


結菜「今日の私の出番は?」


恭二「そういやあなかったな。」


結菜「私だって家族のために働いているのに少しは優しくしてくれてもいいんじゃない」


恭二「は?俺だって今日買い物大変だったんだぞ.....」


結菜「まさか.....私の出番,このままなくなるんじゃないでしょうね。!?え?これ死亡フラグ!!私死ぬの!?」


恭二「しらねえよ!作者の判断だ!」


まどか「はいはい。落ち着いてください。そんなわけないですよ。


こんなあったかい家族。そんなバッドエンドなんて作者が考えるわけないでしょ?」


恭二「よし決めた。この漫画の作者は今日から俺だ。ヒロインは吉川泉に交代。結菜は退場だ。新たなヒロインはお姉さん系のヒロイン香坂麗華!!フッフッフッ!!これでこの物語はさらに面白く----」


まどか・結菜「勝手に変えんなコラー!!」


蓮「僕も変わっちゃうの」


恭二「連は変わらない。だってどのヒロインより一番かわいいからな。大丈夫だ。」


結菜「それ....反則でしょ!!」


まどか「いい加減にしろこのラブコメオタク宇宙バカ!!」


結菜「作者さん。私仕事頑張ってますよ。死なせないでください。」


鏡恭二「大丈夫。君がどれだけ看護師として頑張っているかちゃんとみているよ。結菜さん。いつもありがとう。死なせはしません。ヒロインも変えません」


結菜「よかったー。」


まどか「たすかったー。」


恭二「というわけで----」


「この物語をここまで読んでくれた皆さんありがとう。

これからも『まどかの憂鬱と金髪専業主夫一家のおかしな毎日』

略して『まどかの憂鬱』よろしくお願いします。」

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