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名前を決めて-コノキモチニ-  作者: 鏡恭二
【第1章】 名前を決めてーコノキモチニー
2/13

金髪主夫とまどかの子育て戦線


前述の通り、子育ては現場で起きている。

恭二はいつも感じてている。


恭二の起床時間は6時。主夫の朝は早い。

そして恭二には日課がある。


恭二「ふんっ・・・ふんっ・・・」

なにやらまた別の部屋で得意の「宇宙的行動」に励んでいるようだ。

その後結菜が起きてきた。それを結菜が通りがかりに言って恭二にたずねる。

結菜「おはよう・・・。なにやってるの・・・」

恭二「うるさい!!。集中しているんだ!!後にしてくれ!!」

なぜ怒られたのかわからないまま、結菜はその光景に戸惑いとあきれを隠せない。

金髪の男が、15キロのダンベルをもって筋トレ中。

しかもIPADにはラブコメアニメが再生されている。

この男はラブコメアニメを見ながら高負荷の筋力トレーニングをしている。

その宇宙的行動にあきれを通り越して開いた口がふさがらない。


恭二「ふぅー終わった。」

息を切らしながら、IPADの電源を切り結菜に尋ねる恭二。


恭二「で?なんのようだ?」

結菜「ただ。あいさつしただけだけど。」

恭二「そうか。専業主夫には体力が必要だからな。

ラブコメでキュンキュンしながらやれば心拍数も上がり、高負荷になる。まさに一石二鳥だ。」


相変わらずの宇宙言語だ。地球人にこの行動と言語を理解できる人間はいるのだろうか。

あきれてものも言えない結菜は恭二に言う。

結菜「朝ごはんは?」恭二「ん。ああ。これから作る」


恭二はエプロンを付け、キッチンに立つ。金髪の男のエプロン姿とキッチンに立つ姿は少し異様だ。

トーストを焼き、スクランブルエッグを作って食卓に出した。

結菜「ねえ。恭二。私なんでさっき挨拶して怒られたのか理解できないけど・・・」

恭二「筋トレ中は体の酸素の量も少ないから、話している余裕なんてない。それにラブコメに集中していて心拍数も上がっているから結菜の行動に気づけなかった。それだけだ。」

結菜は何も言えなくなる。

結菜「これから仕事に行くのにやめてよ変なこと言うの」

恭二「ああ。すまないな。」

結菜「ああ。仕事しんどいなぁ。

今日の仕事一緒にいる人、結構仕事にきつく言ってくる人なんだよねぇー。」

普通なら共感を示すのだが恭二は違う。

恭二「まぁー。そんな奴はどこの職場にでもいるからな。」

社会から長い間切り離されているこの人に仕事前の行きたくない葛藤と

やらなければならないプレッシャーを理解したもらおうというのが無理なのだろう。

結菜は何も言えず答えた。

結菜「仕事行ってくるね。」

恭二「ああ。頑張れよ。」

恭二が玄関まで見送る。肝心の人がいないことに気づくだろう。連だ。相変わらず。朝遅い。


恭二「まったく相変わらず起きてこないなぁー。」

恭二は朝の情報番組を眺めている。

世界情勢や経済ニュース、若者の中での流行ことなどのニュースが流れては消えていく、

気が付いたら時刻は8時半を回っていた。

恭二「やばい!!もう8時30分だ!!」

恭二は慌てて連を起こす。まだ寝ている。ちょっと様子はおかしいようだが、時間もないので起こす。

恭二「朝だよ。起きよう蓮。幼稚園の時間だよ。」

蓮「ううん。眠い。」

いつも通りの寝坊だ。しかも時間もない。相変わらず自分では気が得ないので着替えさせ、恭二は聞く。

恭二「朝ごはん食べるか。」

蓮「いらない。」

朝食は遅く起きてくるので食べないことが多いし、連はこだわりが強く、何を出しても朝食を食べない。

恭二「ん。たべたくないならいいか。行こうか幼稚園。」

蓮「いやだ。いかないーー。」

恭二はいつもはいかない理由を聞いているのだが、この時ばかりはどうは言えなかった・・・


ーーーー前日ーーーーーーー

保育園の先生「恭二さんちょっといいですか?」

恭二「はい。」

保育園の先生「明日は幼稚園で遠足があるんです。みんなで一緒に出たいので遅刻話でお願いできますか?」

恭二「そうなんですか。わかりました。」

保育園の先生「よろしくお願いしますー。」


というわけだ。つまり遅刻は厳禁。

聞いていられる余裕もない。連を抱きかかえ、電動自転車に乗せる。

しかし蓮の顔に恭二は動揺する。

蓮「パパ。怖いー。」

金髪の男にあおられるような発言をされるとすごみが出て怖くなってしまうようだ。

焦っているのでそんなことも気づかない。それに気づいた恭二は連を抱きしめた。

恭二「連。・・・そうか怖かったか・・・・。ごめんな。」

恭二は家から人形を持ち出し連に言う。

恭二「こわかったねー。ごめんねー。でも人形さんは蓮君がんばってっていってるよ。」

宇宙人みたいな恭二だが子供のフォローは天才的なようだ。連はいう。

蓮「.....うん。いくー。」

連がうなずくと、恭二は嬉しそうにいわらった。


保育園につく、連を引き渡す。またお決まりの文句だ

恭二「変わりありませんのでよろしくお願いします。」

しかし、保育園側は違う、子供の遠足準備などでバタバタしている。保育園の先生はあせりつついう。

保育園の先生「わかりましたー。じゃあ。蓮君。もう遅刻しちゃうから早く準備するよー。」

連は自分のはいてる靴を靴箱にしまおうとするがその時間もないらしい。

保育園の先生「そんな時間もないから早く来て並んでー。」

自分の子供が結構厳しめな声で保育士に焦らされている。

ギリギリなこちらも悪かったと申し訳なさと罪悪感で恭二は胸がいっぱいになる。

連の頭をなでていった。

恭二「じゃあな。遠足頑張れよ」


連はうなづいた。しがみつこうともしたが、焦っている保育士が間に入った。

保育士「いってらっしゃーい。」

恭二「よろしくお願いしまーす。」

恭二は連と別れた。しかし、この後、事態が急展開するとは恭二も考えてもいなかっただろう。

-----それは、彼女が門をたたく少し前のことだった。・・・・・


まどかは坂を上っている。いつもの白い家の前でインターフォンを押す。

いきなりドアが門の向こうで開く。

恭二「ういうい。どちらさんって誰だっけか頭の中を探してみよう。

えっと世界三大美女は楊貴妃とクレオパトラそして・・・」

相変わらずの宇宙言語を話している。

頭の中の何の辞書を引こうとしているのだかわからない。

まどかは言った。

恭二「まどかです。白石まどか!!」

恭二「ああ。そうか。そんな名前だっけな。人の名前を覚えるのは苦手でな。」

まどかは感じた。この男の唯我独尊という言葉はこの人のためにあるのだろう。

恭二「で?なんのようだ?」

まどかは少し恐怖を感じたが、それを押し込めながら勇気を込めて言葉を口から出した。

まどか「勉強また教えてもらいたいんですけど、数学難しくって。」

恭二「そうか。じゃあ。まぁー。あがれよ。」

また18歳女子を何のためらいもなく部屋に誘う。

部屋は片づけてあるものの玄関は靴が少し乱雑に置かれている。

ちょっと抜けているところがあるらしい。

恭二「で?今日はどこからだ。」

相変わらず、ため口だ。職務質問だろうか。そんな中恭二のスマホが鳴った。

恭二はスマホをみる連の保育園の名前が出ている。あわててタップする。


幼稚園から電話がかかってくる時、それはだいたい、息子の体調に異変がある時だ。

恭二「もしもし。」

幼稚園の先生「もしもし、蓮君のお父さんですか。」

その瞬間、胸の奥がざわついた。

冷静を装いながらも心の中では何かが崩れそうな感覚があった。

保育園の先生「蓮君が発熱して、今嘔吐しているみたいです。

体調が悪いみたいで迎えに来ていただけますか?」

淡々とした声のはずなのに恭二の胸にはズシンと重くのしかかる。

恭二「....わかりましたすぐ向かいます。」

保育園の先生「わかりましたー。よろしくお願いいたします。」

電話を切る。冷静な声を出せた自分に驚きつつも、心は焦っていた。

まどかのほうを見ると、彼女もその異変に気付いたようだ。

恭二「連の体調が悪いと連絡があった。これから迎えに行く。今日は勉強どころじゃない。

君は......帰ったほうがいい。」

まどかは一瞬言葉を失った。

あの元気だった蓮君が、嘔吐しているだなんてーー想像がおいつかなかった。

でも彼女の医師になりたいという使命感が彼女の足を一歩前に出させた。

まどか「私も行きます。ほおってはおけません。」

その瞳はまっすぐだった。一瞬戸惑った恭二だったが、彼女の気持ちを否定できなかった。

恭二「そうか。じゃあ。行こう。」

母子手帳ケースを手に取りあわただしく準備を始める。持った。そしてまどかに頼んだ。

恭二「まどか。ベビーカー持ってくれ。」

まどかはうなづき、玄関のベビーカーを引きながら一緒に外へでた。


幼稚園に到着。インターホンを押す。

恭二「連の父の恭二です」

ドアのロックが解除され、園内へ。


ドアが開く、恭二とまどかが幼稚園に入る。

扉があいた瞬間。目の前に飛び込んできたのは顔を真っ赤にして嘔吐を繰り返している連の姿だった。

その度に保育士が片付けているが、苦しそうな声が胸に刺さる。

蓮「気持ち悪い・・・」

恭二は心配そうに駆け寄り言う。

恭二「大丈夫。大丈夫だからな。大丈夫だよ。」

まどかは近寄り、連の背中をさすりながら言う。

まどか「....つらいよね。よしよし。大丈夫。全部出しちゃっていいからね。」そして連に話しかける。

初めて見たまどかは驚きと動揺を隠せない。しかし恭二も動揺を隠せない表情だったが冷静だった。

保育園の先生「遠足の疲れでしょうか....食べ物を戻したみたいで.......。そのあと熱が出たようで。」

まどかは震える手で口を覆った。目には涙がにじみでそうだった。

恭二「体温計、ありますか?」

まどか(恭二さん....こんな時にでも動けるんだ.....)

測定された体温は38.9℃


恭二「.....高いな。わかりました。まどか。この近くで今から診察できそうな病院探してくれ?

タクシーも呼べるか?」

まどか「う、うん」

だが、震える手ではスマホの操作もままならない。

ついにスマホを落としてしまう。



恭二「おい。しっかりしろ!!」

その声にびくりと声を震わせるまどか。

だが、すぐに恭二は自分のスマホで病院を検索し、タクシーを手配していた。

まどか(.....自分、何もできない......)

落ち込むまどかに恭二は一言。

恭二「大丈夫。まどかがいるだけで、君がいるだけで、それだけで連は元気になれる。大丈夫」



恭二はまどかに言った。

恭二「連の様子を見ててくれないか?」

まどかはスマホを拾いうなずく、連の近くに行く。

具合が悪い蓮の背中をさするのが精いっぱいだった。そして連に話しかける。

まどか「蓮くん・・・大丈夫・・・まどかがそばにいるから大丈夫だよ。」

蓮「まどかおねえちゃん・・・」

その優しい声に苦しそうながらも蓮が笑顔になった。

その状況を見て父親ながら恭二は安心し、まどかのやさしさを感じた。



----病院へ.。受付につき、恭二が手続する間もまどかは連をで見守り続けた。



診察室。医師の診断は、「ウィルス性胃腸炎」



蓮「やだぁ!!いやだぁ!!。」

まどかはうなずき、連の背中を優しくなでた。

まどか「蓮君。大丈夫?まどかがそばにいるよ。」

その優しい声に連の表情が少し和らいだ。

まどか「怖いよね。でもこれ蓮君の気持ち悪いのを止めてくれるヒーローなんだよ頑張ろう。」

連はまどかの声に少し勇気をもらい、治療は進んだ。

医師「あとはあまり無理やり食べさせないで様子を見てください。また悪くなるようなら来てください」

恭二「わかりましたー。」

-------タクシー中で恭二は言う。

恭二「まどかよく頑張ったな。」

まどかは少し俯いて、ただ「うん」と小さくうなずいた。

(私は・・・本当に何もできなかった)

恭二「子供って体調が急に崩れる。でもだからこそこっちは冷静でいなきゃならない。

専業主夫ってのはただいるだけの存在じゃない。時に医者。時に看護師、時に料理人、

時に命を守るものなんだ。......」

窓の外を見ながら、ぽつりとつぶやいた。


恭二「特に連の命をな・・・・」

まどかはその横顔に心を打たれていた。

まどか(私、この人のこと、もっと知りたい)



家に着く、ちょうど仕事から帰ってきた結菜が玄関に駆け寄ってきた。

結菜「幼稚園から職場に連絡あったわ!!大丈夫!?」

恭二「ウィルス性の胃腸炎だった。今日一日は絶食、明日以降食欲が戻れば問題ないそうだ。」

結菜「わかった。ありがとう。」

ようやくまどかに気づいた結菜がほほ笑む。

結菜「あ。まどかちゃん。来てたんだ。ありがとうね。恭二と一緒に手伝ってくれて。

恭二と一緒にいて平気だった?」

まどかはまっすぐな眼をして結菜に言った。

まどか「......不器用だけど優しかったです。蓮君のこと必至に見てあげていましたよ。

蓮君えお誰よりものことを見てて、家族のことを真剣に考えているのは恭二さんだって....私感じました。」

結菜「そう。ありがとう。」

-----家族の絆がまた、一歩深まった一日だった。



まどか「今日は私帰りますね。蓮君も大変でしょうし。」

恭二「ああ。わかった。連のことでいろいろ手伝ってくれてありがとな。」

結菜「わざわざありがとう。」

まどか「こちらこそお役に立てなくてすいません」

まどかは玄関先で別れた。



--------坂を下っている。結構歩いたからかな。違う。これは・・・・



まどかはあの金髪無職宇宙人になぜか胸が動いているのを歩きながら感じてしまっていた。


まどか「......あの時のタクシーでの横顔、たぶんずっと忘れない.......」





【あとがき劇場~まどかだけを見て~】

恭二「さあて。今日は僕の大好きな大好きなラブコメの新連載の日だ。コンビニで買ってきたぜー。

ではでは中を読もう・・・・・あ!?あれ?えーーーーーー!!」

結菜「うるさいわね。休みの日なんだから静かにしてくれる」

まどか「どうしたんですか・・・」

恭二「おい。俺の大好きなラブコメがなんだかかわってるぞ!!「まどかだけを見て~恭二さんは私のとりこ~なんじゃこりゃあ。」

まどか「私が漫画家になって新連載始めたんです。そしたら売れちゃって。」

恭二「ばかなことすんなーーーってか。実名入れんな!!ってか俺の大好きなキュンキュン時間返せー!!」

まどか「ふふふっ。この物語のヒロインは私。あたしでキュンキュンしなきゃダメ。恭二おじさん!!」

恭二「ふざけんなーーーー。僕のあの胸のときめき返せー。」

まどか「次回作も考えてあるんですよ。『金髪主夫とまどかの子育て戦線』原作まどかこれいただきますね。」

恭二「それ今日のやり取りただ漫画にしただけじゃねえか!!この家の内情を広めるんじゃねえ。

連の保育園でも噂になるだろ!!」

蓮「まどかおねえちゃん。暴走しすぎだよ」

まどか「びくっ。ごめんね。蓮君。」

結菜「だからうるせーよ。私を休ませて!!」

まどか「この小説もまどかだけを見て~恭二さんは私のとりこ~になりますー。よろしくお願いします。

あなたをキュンキュンさせちゃうぞ。」

恭二「変わらねーよ。バカ。これからも「俺は熱血ラブコメマニアのただの金髪専業主夫だったのだが・・・」略して「金髪主夫」よろしくお願いします。


まどか「ここまで読んでく出さった皆さま。ありがとうございました。

次も絶対あなたをときめかせて見せますから覚悟してくださいね。」


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