「感動パンツじゃありません」まどかの無双コーデ解説。
横浜の地下街。
手をポケットにつっこみ、金髪の男が歩いている。
恭二「……ユニクロ……パンツと……」
得意の“宇宙独り言”が今日も冴えている。
その隣を、手を繋いで歩く4歳児・蓮と――まどか。
これは、宇宙家族デートである。
まどか(……パンツ……って、まさか下着……!?)
ちょっと顔が赤くなる。
ランジェリーショップで、恭二がまどかに下着を選んで――
まどか(え、感動……パンツって……それって……)
そんな妄想の中、突然聞こえてきた「ヨドバシカメラ~♪」のメロディ。
ハッとして顔を上げると――
恭二「おい、大丈夫か?着いたぞ」
地下街のヨドバシ入口。8階にユニクロがある。
まどかは長い髪をふわりと揺らして誤魔化す。
まどか「な、なんでもないわ。……さ、行きましょっ、恭二」
恭二「あ、ああ……」
まどか「蓮くんも、手つないで行こ?」
蓮「うん!」
1階の携帯コーナー。docomo、au、softbank……にぎやかなディスプレイの前で、
恭二「はい。これ、プレゼント」
突然、ラメ入りハートのスマホケースを手渡される。
まどか「……え?」
恭二「今のより似合ってると思ってさ。君が可愛いから、記念に」
まどか「…………っ」
ふわっと脳内が沸騰した。
――次の瞬間、
ズルッ!
エスカレーターで足を滑らせかけるまどか
恭二「何やってんだ。ちゃんと前見ろよ」
蓮「まどかお姉ちゃん、だいじょうぶ!?」
まどか「ご、ごめんね。大丈夫、大丈夫よ」
ユニクロに到着。
まどかは蓮と手をつなぎながら、キッズ服を見ては微笑む。
まどか「これ可愛い~ プチプラでも全然いけるわね。これ、蓮くんに似合いそう~」
――そのとき、恭二が何かを手に戻ってきた。
恭二「ほらっ!持ってきたぞ。感動パンツ!」
得意満面の顔でズボンを掲げる。
まどか(えっ……パンツって……ズボン!?しかも……絶妙にダサい……)
まどか「……いらない。ダサい」
恭二「はぁ!?感動パンツだぞ!?動きやすくてフォーマルで――」
そのセリフ、最後まで聞かせてもらえなかった。
まどか「ちょっと来て!!」
恭二「なっ、なんだよっ!?」
強引に手を引っ張られ、着いた先は――試着室前。
まどか「蓮くんとここで待っててね!」
まどかはさっと売り場に消えた。
数分後。
洋服を数点抱えて戻ってきたまどか
「試着いいですか?」
店員「どうぞ~!」
まどかはスッと試着室に入った。
そして数分後。
扉が開いた瞬間、空気が変わった。
ショート丈のリブカーディガンに、白いタンクトップ、
ボトムはウルトラストレッチのアンクルパンツ。
シンプルなのに、モデル級のオーラ。
まどか「……これ、買ってくれる?」
恭二「あ、ああ……もちろん……」
完全に見惚れていた。口調が素になっている。
再び試着室へ戻ったまどかは、会計へ。
ユニクロのセルフレジに服を入れようとすると、
こっそりもう一着、ピシッと追加された。
3Dニット風トップスと、ハイウエストのスラックス。
恭二「……それ、何?」
まどか「いつか着ようと思って。……ね?」
その言い方が、なぜかずるい。
無言で会計を済ませた恭二。
帰り道。
蓮「次はアンパンマンだよね!」
恭二「おう。ポップコーンも買ってやる!」
そんな2人の横で、まどかは袋を抱え、ふふっと笑った。
まどか(……今度誘われたら、あの服着てこっかな?)
恭二「ん?どうした?」
まどか「ううん。なんでもない。……さ、行こ?」
3人の“宇宙デート”は、まだまだ続く――。




