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第75話

《ユーマのレベルが上がりました》

《ウルのレベルが上がりました》

《ルリのレベルが上がりました》

《エメラのレベルが上がりました》

《帝国領前のエリアボスを討伐しました》


名前:ユーマ

レベル:28

職業:中級テイマー

所属ギルド :魔獣、冒険者、商人

パーティー:ユーマ、ウル、ルリ、エメラ

スキル:鑑定、生活魔法、インベントリ、『中級テイマー』、『片手剣術』

装備品:四王の片手剣、四王の鎧、四王の小手(暗闇の照明)、四王のズボン(協力の証)、四王の靴、幸運の指輪 (ビッグ・クイーンビー)


名前:ウル

レベル:28

種族:ホワイトウルフ

パーティー:ユーマ、ウル、ルリ、エメラ

スキル:勤勉、成長、インベントリ、『ホワイトウルフ』『氷魔法』

装備品:黒の首輪(魔獣)


名前:ルリ

レベル:28

種族:巨人

パーティー:ユーマ、ウル、ルリ、エメラ

スキル:忍耐、超回復、成長、インベントリ、『巨人2』

装備品:黒の腕輪(魔獣)、銀の手斧(魔獣)、銀の小盾(魔獣)


名前:エメラ

レベル:28

種族:樹の精霊

パーティー:ユーマ、ウル、ルリ、エメラ

スキル:支配、成長、インベントリ、『樹の精霊』『樹魔法』

装備品:黒のチョーカー(魔獣)


「皆おつかれ」

「クゥ!」「アウ!」「……!」


 ほぼエメラの指示で今回は戦ったが、上手く動けたし悪いような部分も無かったので、結果としてはとても良かったと思う。


「敵が多いなら俺がルリ達と一緒にいるようにして、それ以外は俺もウルと遊撃が良さそうだな」

「(コクコクッ)」


 皆ゴブリンに負けてからというもの、自分の課題をしっかりと意識して戦っているし、少しずつ成長もしている。


「じゃあこのまま街まで行こうか」

「クゥ!」「アウ!」「……!」




「よし、これでクリスタルにも触ったし一旦帰ろう」

「クゥ」「アウ」「(コク)」


 ボスを倒したあと歩いてきたが、それほど時間をかけること無く次の街までたどり着くことができた。


 そしてここは王国領の時とは違ってピオネル村のような小さい村ではなく普通の街だったため探索するか少し迷ったが、このままここに居ると次の街に行きたくなる気がしたので帰ることにした。

 なぜか冒険者達が俺達を少し避けていたような気がしたが、おそらく俺の気のせいだろう。


「お、ユーマ」

「モニカさんも帰ってきたんですか?」

「あぁ」


 家に帰るとモニカさんも玄関からちょうど帰ってきたところだった。


「そうだ、忘れないうちに言っておこう。レイが明日の朝は私とエマの訓練を見たいらしいから、家に来ると言っていたぞ」

「分かりました。ありがとうございます」


 ちょうどいいしその時にフカさんには収穫した果物の味とか見てもらおう。


「ユーマはもう今日は外に出ないのか?」

「まだ分からないですね。でも一旦休憩しようと思ってます。ウル達と今からおやつなので、モニカさんもどうぞ」

「ふむ、ではその後で私もユーマに渡したいものがある」

「? 分かりました」


 モニカさんの言う渡したいものが気になるが、まずは皆におやつを用意する。


「クゥ!」「アウ!」「……!」

「美味しいな」

「良かったです」


 いちごミルクやアイス、フルーツまであればもうデザートには困らない。


「あ、モニカさんの渡したいもので思い出したんですけど、エマちゃんにプレゼントを渡すってエマちゃんと会う前にフカさんと話してたんですよ。それで今持ってるのが宝石のネックレスなんですけど、渡しても大丈夫ですかね?」

「それはエメラルドか。普通のプレゼントとしては価値が高すぎる気もするが、エマに渡すなら問題ないだろう」

「良かった。あ、これモニカさんどうぞ」


 そう言ってダイヤモンドの指輪をモニカさんに渡す。


「はぁ、そのようにポンポンと渡すものではないぞ。それにダイヤモンドなんて」

「掘った勢いでそのまま宝石の加工までしたんですけど、そもそも俺には売る以外の使い道がなかったので、遠慮なく貰っちゃってください」

「ちなみにだが、なぜ私にダイヤモンドの指輪を?」

「ん? モニカさんに似合いそうだったから」

「そ、そうか。ではありがたくいただくとしよう」

「マルスさんに最後の加工はしてもらったんですけど、当たり前かもしれませんが綺麗にできてますよね。絶対にこれは売るんじゃなくて誰かにプレゼントしたいと思いましたよ」


 こうして話をしているとみんな食べ終わり、最初に言っていたモニカさんの渡したいものの話になる。


「ユーマ、これを見てくれ」


 そう言ってモニカさんが見せてくれたのは手紙だった。


「これは俺宛ですか?」

「そうだ。私の家族からだな」

「え」

「私も何が書いてあるかは読んでいない」


 そう言われて少し不安になってきたが、読むしかないので手紙に目を通す。


「私が引っ越したことはすぐ家族に知らせたのだが、ユーマのことも少し伝えたんだ。……ないとは思うが、変なこと書かれていないか?」

「……いえ、そんな事は1つもなかったですよ。この家にモニカさんに会うために来たいってことが書かれてたので、近々会えるかもしれないですね」

「ほ、本当か!」

「はい」


 モニカさんの母親からの手紙だったが、ほぼモニカさんが俺に迷惑をかけていないか、モニカさん自身が無理をしていないかの確認で、モニカさんは家族に愛されていることが分かった。


 そして手紙にはこの家に来ることの許可と、モニカさんがしんどそうだったり困っていそうなら、俺から手紙で教えて欲しいということも。

 この家の訪問にも、モニカさんの状態にも、何も問題ないのなら返事は必要ないということなので、俺が手紙を返す必要はなさそうだ。


 たぶん俺が手紙を書く手間を考えて、返事はしなくて良いように配慮してくれたのだろう。


「あ、あとゴーレムのこと聞いてもいいですか?」

「あぁ、どうした?」

「ゴーレムってそもそも外で戦わせたり出来るんですか?」

「出来るといえば出来るし、出来ないといえば出来ない。作り手や使い手次第だな」


「じゃあゴーレムの使い方ってどんなのがあります?」

「戦わせることも出来れば、同じ作業をずっとさせることも出来る。製作者次第でゴーレムに意志を持たせることだって可能だ」

「なるほど、ゴーレムは奥が深いんですね」


 俺としてはパーティーメンバーにするよりも今はこの家の管理を任せたい。


「じゃあ掃除とか農業とかを任せることも出来そうなんですね」

「ゴーレムを家事に使う事はあるな。貴族や大商人もそのような用途で使うことはある。ただ一番ゴーレムの使い方として多いのは護衛としてだろう」


 俺達プレイヤーは死ぬことがないからそういった使い方は考えていなかったが、確かに他人を信じられなかったり、大きな商売をしている人とかは裏切りに用心しながら人間の護衛を雇うよりも、絶対に裏切ることのないゴーレムの方が安心できるのかもしれない。


「あと、ゴーレムの素材を今探してるんですけど、オススメってありますか?」

「ユーマは自分でゴーレムを作るのか?」

「はい。ものは試しで作ってみようかなと思ってて」

「私も詳しいことは分からないが、土や石、金属でできたものは多いな。あとは人間と変わらないような見た目のものも存在すると聞いたことがあるが、私は見たことがない」


 もうそれは人に似せたロボットと同じだろう。どの世界でも人間が考えることは一緒だな。


「じゃあ無難に金属でやってみようと思います」

「楽しみにしているよ」


 モニカさんのおかげでゴーレムについては結構分かったので、今夜にでも試してみることにする。


「私はこれから今のパーティーメンバーと少し出かけてくる」

「いってらっしゃい。俺もたぶんこのあともう少しモンスターを倒してくると思います」


 モニカさんはそう言って家を出ていったので、俺達もこのあとどうするか考える。


「あ、そういえば今日は農業任せてたから見てないけど、不思議な種の様子を見てみるか」


 そう思って家の裏に出たが、出てすぐにマウンテンモウ達と目が合ったので、先にそっちへ足を運ぶ。


「ハセクさんに世話されるのはどうだ?」

『モウ!』『ムウ!』


 鳴き声や表情からも満足そうなのが伝わるため、ハセクさんに任せて本当に良かった。


「ハセクさんも楽しそうだしな」

「クゥ」「アウ」「……!」


 少し奥ではハセクさんがライドホースに乗って、ライドホースの家族全員を引き連れてゆっくりと走っている。


「よし、じゃあ畑の様子を見に行こう」

「クゥ!」「アウ!」「……!」


 畑まで来て不思議な種の成長したものを見るが、周りのものと比べても小さい。


「万能農具持っててよかった」


 魔法の万能農具のおかげで、不思議な種が全部成長し切っていて収穫可能なことが分かる。


「全部収穫するから、その間少しなら木から実を取って食べててもいいぞ」

「クゥ」「アウ!」「……!」


 3人が走っていくのを眺めてから、俺は収穫を始める。


「収穫しても名前だけで説明は無しか」


 不思議な種が成長したものを全て収穫し、名前から効果を予想する。


「『聖なる花』と『聖なる種』は神聖な置物の効果を感じさせるな。あと『凍てつく花』に『素早さの根』、『怪力の蕾』に『硬い根』、『癒しの花』に『魔力の根』か」


 聖なる花と種は分からないが、それ以外はおそらく一定時間スキルの効果やステータスをあげるものが作れるのだろう。

 もしかしたらステータス上昇ポーションなんかの材料にもなったりする可能性はある。


「で、残りが全部『幸運の花』に『幸福の種』ね」


 ここからなんとなく分かるのは、全てのものが俺たちパーティーメンバーやこの家のものに影響を受けていることだ。

 なぜか全て食べ物ではなかったのは謎だが、まぁそこは気にしない。


「同じ種をまいても場所や環境によって出来るものが違うから不思議な種なんだろうな」


 ただこれでもう1つ分かったのは、神聖な置物が家の外まで効果があるということだ。


「これなら不思議な苗も楽しみだし、20ずつ交換して良かったな」


 不思議な苗の方もあまり大きな木には成長してないが小さな実はできてるので、食べられる美味しい実になることを期待しよう。


 今収穫したものはまたフカさんにでも聞くことにして、とりあえずここでやることは全て終わった。


「よーし、みんな終わったぞ」

「クゥ!」「アウ!」「……!」


 ウル達に声をかけ集めたはいいものの、何をするかは決めていない。


「ちょっと考えたんだけど、もう1回西の街から連合国領に向けて行ってみないか?」


 前はハティの護衛が全て倒してくれたので、今回こそは自分達で辿り着きたい。


「クゥ!」「アウ!」「……!」

「よし、なら行こうか」


 ウル達の意志も確認できたので、俺達はクリスタルから西の街へと移動するのであった。




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