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第130話

「そろそろアウロサリバの魔獣ギルドで依頼を受けるか」


 ずっとアウロサリバの冒険者ギルドで依頼を受けていたため、途中からは存在も忘れて魔獣ギルドを探すことも無かった。


「ウル達もそれでいい?」

「クゥ!」「アウ!」「……!」「コン!」「ググ!」


 ということで冒険者達に絡まれることを少し警戒しながら、魔獣ギルドを探す。


「おぉ、こんな端っこにあったのか」


 ギルド内にはテイマーらしき人達が居て、連れている魔獣の大きさもこれまで見た中で1番大きい。


「意外と依頼の内容は冒険者ギルドに近いな」


 これまでは捕獲依頼や孵化依頼などのテイマーにしか出来なさそうな依頼が多かったのだが、もう結構冒険者ギルドと同じような依頼内容が多い。


「まぁ納品依頼の内容は魔獣ギルドっぽいか」


 モンスターのための大量の餌が納品依頼で求められており、冒険者ギルドよりも1つの依頼で納品数の多いものがいっぱいある。


「一旦依頼を見るのはやめて、装備見るか」


 もっと早くこのギルドを見つけていたら、ウル達に買ってあげていただろう装備を見てみる。


「うわ、防御力+50の全ステータス+3か」


 今ウル達が付けてる装備は防御力+40の全ステータス+2なので、まぁ買っていたらもう少し楽に倒せた敵は居たかもしれない。


「ちなみに今でもウル達は欲しい?」

「クゥ」「アウ」「……!」「コン」


 皆どっちでも良いよという顔をしているが、俺に気を使ってくれてるのは分かる。たぶん王都に行ってから装備更新したいなって俺の気持ちが漏れてるんだろう。


「じゃあもう1回依頼掲示板のところで良さそうな依頼探そうかな」


 結局装備は買わずに今のまま王都まで行ってもらうことにする。


「お、討伐依頼の中だとこれは良さそう」


討伐依頼

内容:コルクアント100体の討伐

報酬:200,000G

期限:1週間


 100体討伐で20万Gは結構良い依頼だと思う。


「まぁこれなら冒険者ギルドの依頼も受ける方がいいよな」


 ということで魔獣ギルドから冒険者ギルドへ歩いて来たが、冒険者ギルドの中で騒ぎを起こしてから半日くらいは経ったはずなのに、まだ少し中へ入るのは緊張する。


「こ、こんにちは」

「あぁ、こんにちは?」


 入ってすぐ近くにいた冒険者に挨拶したが、なんだコイツというような目を向けられたので、逆に安心できた。


「意外とそこまで騒ぎになってないな」


 結構プレイヤーと冒険者の喧嘩は帝国領の冒険者みたいに噂になるかなと思ってたが、そんなことはなかった。


「じゃあこっちでも依頼選ぶか」


納品依頼

内容:コルクアントの牙30本の納品

報酬:100,000G

期限:1週間


納品依頼

内容:若いトレントの枝10本の納品

報酬:50,000G

期限:1週間


調査依頼

内容:森にある謎のくぼみの調査

報酬:10,000G〜

期限:1週間


「今回は結構ちゃんと冒険者っぽい依頼ばっかりだな」

「クゥ」「アウ」「……!」「コン」「ググ」


 魔獣ギルドで受けた討伐依頼に合わせて依頼を受けたので、普通の依頼が多い。


「じゃあすぐ行こっか。グーさんは今回戦闘じゃなくて採取に専念してね」

「ググ」


 グーさんをこのレベル帯のモンスターと戦わせるのは少し不安だし、それよりもサポーターとしての役割を頑張ってもらいたい。




「よし、この辺から警戒ね」

「クゥ」「アウ」「……!」「コン」「ググ」


 街を出て、初めてと言ってもいい王都方面へと進んでいくと、すぐにゴブリン以外の色々なモンスターが出てきた。


「グーさんはアイテムを見つけたらルリを必ず連れてって。ルリは呼ばれたらついてってグーさんを守ってあげてね。あとこの2人が俺達から少し離れたら、一応エメラが2人を助けられる位置で準備」

「ググ!」「アウ!」「……!」

「だから俺とウルとシロで、こっちのメイン部隊は進んでいくよ」

「クゥ!」「コン!」


 こうしてグーさんはたまにここから離れて薬草なんかを取ってきてくれるし、ウルとシロは魔法の属性的にも相性がいいため、襲いかかってきたモンスターをすぐ倒してくれる。


「あ、そろそろ森に入るから気をつけて。グーさんは大丈夫だと思うけど、俺から離れすぎないように」

「ググ」


 おそらくここら辺から依頼で書いてあったモンスター達に出逢えるはず。


「あれは若いトレントだな。その後ろにうじゃうじゃいるのがたぶんコルクアントだろう。コルクアントに気づかれないように、先に近くの若いトレントは倒そうか」

「クゥ!」「アウ!」「……!」「コン!」「ググ!」

「グーさんは基本的に戦わないから安全な位置に居てね」

「ググ」


 ということで早速手前の若いトレントを倒していくことにする。


「ウル、シロ、お願い」

「クゥ!」「コン!」


 シロが水魔法で攻撃して、その後ウルの氷魔法で倒し切るのはもうこのパーティーの鉄板の倒し方になりつつある。


「ヤバい! コルクアント達に気付かれた! ウルとエメラとシロの魔法でコルクアント達は任せた!」

「クゥ!」「……!」「コン!」

「俺とルリで後ろから襲いかかってくる若いトレントは倒すぞ。あとグーさんを気にする余裕はなくなると思うから、自分の身は自分で守って」

「アウ!」「ググ!」


 ウル達が大量のコルクアント達と戦っていて、その後ろからゆっくりと若いトレント達が近付いて来ている。


「そっちのはルリに任せた」

「アウ!」


 若いトレント達は自分の分身をいくつも出しており、こちらではなかなかどれが本体なのか見分けがつかないため、倒すのに時間がかかっている。


「でも流石にこの状況でウル達は呼べないしな」


 コルクアントの数が多過ぎるため、魔法を使うあの3人はあそこから外せない。かといって俺とルリでは広範囲の攻撃が出来るわけでもなければ、素早く若いトレントを見つけて倒すことも出来ない。


「敵の本体が分からないのは厄介だな」


 鑑定では若いトレントと表示されていても、いざ倒してみると偽物の木だったということが起こる。おそらく何かのスキルを若いトレント達が使っているのだろう。


「アウ!」

「お、ルリ良くやった!」


 ルリが本体を1体倒したのか、近くの若いトレントの偽物が何体か消えた。

 もうそこら辺の木全てをウル達の魔法で攻撃してもらいたいが、それが出来ればこんな困った状況にはなっていない。


「ググ」

「グーさんどうした?」

「ググ!」

「グーさんも戦うの?」

「ググ!」


 この状況で自分はただ見ているだけというのは我慢できなかったのだろう。


「俺から離れすぎないのと、絶対に無理しないでね」

「ググ」


 グーさんは俺が攻撃した敵を黄金の槍で更に攻撃してくれる。


「お、こっちも当たりだ」

「ググ」


 少しずつだが若いトレントは倒されていき、コルクアントの方もだいぶ落ち着いてきた。


「最初は俺とルリが若いトレントを早く倒して、あっちを助けに行く予定だったんだけどな」

「アウ」


 グーさんの助けもありこっちも結構な数のモンスターを倒したが、流石に倒したモンスターの数ではウル達に敵わないだろう。


「じゃあ倒すモンスターを交代しようか。俺とルリとグーさんで残りのコルクアントを、ウルとエメラとシロで若いトレントを倒して」

「クゥ!」「アウ!」「……!」「コン!」「ググ!」


 さっきよりもだいぶ少なくなったコルクアントを倒していると、残ったコルクアント達は大樹の下に開けられた穴へ入っていくため、おそらくそこが巣なのだろう。


「よし、これで外にいる奴は全部倒したな」

「アウ」「ググ」


 あとは巣の中だが、やっぱりここはビッグ・クイーンビーを倒した時もそうだったけど、魔獣達に任せる。


「じゃあルリとエメラとシロで行けるか?」

「アウ!」「……!」「コン!」


 3人に任せるとすぐにコルクアントの巣の中へと入って行こうとする。


「待って待って、一応ここから水魔法を流して倒せるコルクアントは倒そう」

「コン!」


 ウルに出口の部分は氷魔法で塞いでもらって、その隙間からシロには水魔法を巣穴に流してもらう。そして俺はその間に巣の中でのルリ達の動きを一度確認しておく。


「たぶん巣の中にはまだ元気なのもいるかもしれないから、ルリが先頭で警戒しながら進んで」

「アウ!」

「エメラはスキルに草木のドレスがあるしシロより耐久力があるだろうから、一番後ろから2人を支えてあげて」

「……!」

「シロは2人の真ん中だから、守りの御札だけルリに付けてくれたら、あとは魔法攻撃でどんどん敵を倒してね」

「コン!」


 インベントリにコルクアントの牙が入ってきたため、何体かは今の水魔法で倒せたっぽい。


「じゃあそろそろお願い」

「アウ!」「……!」「コン!」


 こうして3人がコルクアントの巣の中に入っていくのを見送ったあと、俺とウルとグーさんで巣穴に寄ってくる他のモンスター達を倒すのだった。




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