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記録85『やることはやっている』

有志達は、無法都市を出た瞬間の時だった。

突然の轟音が鳴り響き、振り返ると無法都市が消滅していた。

更に、近くに会ったワンズ街も焦土となっていた。

唖然とした有志達だったが、すぐに別の街に向かい豪華な宿屋に泊る。

そして、有志は推理した。


「間違いない、あれは西院円惑の仕業だ……あの男! 無法都市を好き放題した挙句必要なくなれば爆破するだと!! ふざけやがって!! 糞……あの男の後手に回って、止める事が出来ない自分が情けない!!」


有志がベッドを拳で叩き付けながら涙を流す。

そんな有志をシャイニャスは抱き締める。


「有志は良くやってくれています……あの男は思い付きの様に人を傷付け欲望のままに人の心を弄ぶ外道です……予測なんて出来ませんよ」


レイシャやレティリア、そしてテュリアメルも有志に寄り添う。


「それに有志は無法都市に巣食っていた魔族達を滅ぼした……それだけでも大したものだ」

「そうだよ! 有志は頑張ってるよ! もっと自分に自信をもって! それに今は難しくてもきっと有志ならあの錬金術師を倒せる! そして魔王だって!」

「私も信じています! そして西院円惑や魔族からこの世界を救ってくれると信じています! だって有志は異世界から召喚された勇者様なんですから!」


皆の励ましに、有志は微笑みながら四人の唇にキスをする。


「ありがとう皆……俺……らしくなかったよな……」

「そんな事ありません! 有志は誰よりも優しいんです! あんな悪意に晒されば誰だって心が傷付きます!」

「そうだよ! 有志の優しい心に傷を付ける何て! 西院円惑も魔族達も最低!」


シャイニャスとレティリアは、有志が傷付いてしまった事に対する正当性を伝えて安心させる。


「それに有志には私達がいる、どんな悪意だって皆がいればきっと乗り越えられる」

「そうです! 有志は西院円惑に心を壊された私を救ってくれたんですから! 今度は私達の番です!」


レイシャとテュリアメルは、皆が有志の心の支えになる事を伝える。

そんな仲間達を見つめながら有志は呟く。


「そうだな……俺には皆がいるんだ……仲間がいるんだ……」

『有志』


その言葉を聞いて、安心した表情になる仲間達は、今度は自分達から有志の唇にキスをする。


「皆……ありがとう! 少し元気が出た! 今度は俺が皆に愛と幸せを分け与える番だ!」

「有志……嬉しい……ああ」

「有志……皆で愛を感じよう! ううん!!」

「有志! だーい好き!! いやん!」

「有志……愛しているわ……あ……」


そして、有志は四人と一緒にベッドの上で沢山愛し合った。

総時間4時間であった。


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有志が目覚めた時、ベッドはビシャビシャであった。


「これは俺達が沢山愛し合った証だ……きっと店主も許してくれるだろう」


有志は、目覚めのコーヒーを飲みながら、四人を微笑ましそうに見る。


「ゆうし……起きていたんですね」

「うん、皆可愛かったよ」

「もう! バカ」


シャイニャスは、頬を膨らませながら布団を被る。


「ははは、ごめんごめん」


有志は、苦笑しながらシャイニャスの頭を撫でる。


「もう、許しますよ……えへへへ」


すると、レイシャとレティリアとテュリアメルも次々と目を覚ます。


「おはよう……有志……シャイニャス姫……その……私も撫でてくれ」

「うん、いいよ」

「ああ! 狡い!! 私も!」

「あの……私もお願いします」

「ああ! 分かってるよ!」


有志は、望まれるがままに残り三人の頭も撫でて上げる。


そして、有志は頬を赤く染める。


「朝だけど……その」

「分かっています……私も同じ気持ちです」

「私もだ……恥ずかしがらな」

「私も私も!」

「私もお願いします」

「ああ! そうだな!!」


そして、有志達は朝にも関わらず二回戦を始めた。


-----------------------------------------------------------------


そう、朝だけのつもりだったのだろう。

初めの段階では有志もそのつもりだったのだろう。

しかし、勇者としての体力、そして勇者の力を間近で当てられ続けている仲間達の体力も上がっていたせいか、有り余った体力をその日ベッドの上で消費した。

そして、気がついた頃には既に日は沈んでいた。


「結局、この時間になるまで楽しんじゃったな」

「ええ、そうですね……でもたまには良いじゃないですか」

「ああ、有志は頑張ってる」

「そうだよ! たまには骨休みしないと!」

「せっかく有志に助けて貰ったんです、有志に生きているという実感をいっぱい味合わせて欲しいです」

「そうだな、今日はそういう日という事で……冒険は明日からだな!」

『ハイ!!』


こうして、骨休みを終えた有志達は、次の日には出立した。

そして、有志達が止まった部屋を掃除担当者は、その部屋のシーツを綺麗にするのに苦労したとか何とか。


そして、有志達は知らなかった。

たった1日冒険に出なかったことにより、絶望を味わう事になると思ってもみなかった。

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