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記録83『クリーチャー』

惑は、プラントゾンビ達を見てある事に気付いた。


「あ! クリーチャー系がいない!」

「?? クリーチャー系? 何ですかそれ?」


ハロドルは、聞きなれない言葉に首を傾げる。


「僕の世界では、この世界では何というのか……曲芸? 演劇か、そういう類と同じなんけど……その中でこういうゾンビの演劇では必ずといっていい程クリーチャーと呼ばれる化物が必ず存在するんだよ」

「なかなか悪趣味な演劇ですね」

「まあ怖い物見たさの人達が好むパニック系演劇かな?」


ハロドルは、不思議そうにしながらプラントゾンビ達を見る。


「なので!! 今回はそのクリーチャーを作る為にハロドル様には協力をお願いします!」


惑の言葉を聞いて、ハロドルは唖然とする。


「えっと……そんな事に何か意味があるんでしょうか?」


さすがに、惑の行動に許容が許さなかった。

惑の人間を弄ぼうとする心が丸見えだったのだ。


「確かに君達が人間を弄ぶ為に人間に寄生したんじゃないって事は知っている……あくまで森の再建という名目があったからだ……だがそれだっていつまでも継続出来るかまでは分からない……もし本気で森をいつまでも守りたいなら戦力の増強を試みるのも一つの手である事を提案させて貰うよ」


だが、明らかな誘惑であった。

自分がしたい実験を行う為の口実であり、しかしそれでも確実にこの森に必要となる推測、それらを織り交ぜて惑は、ハロドルに実験の許可を得ようとした。


「……意地悪ですね、惑様は」

「意地悪かな……嫌なら断ればいいよ、君達の力を考えれば必要ないかもしれないし、もしかしたら無駄で終わるかもしれないし」


あくまでハロドルの決断で、惑の実験は行う予定であった。


(恐ろしい方です……他の者もこのように誘惑して自分の実験の独壇場へと引き摺り込んだのでしょう……しかしこれは私が自分達の力を過信するかそれとも慎重になるかの瀬戸際……もしここで断れば森の存続の失敗を意味するかもしれない……それに今惑様が興味を持っている間に出来るだけの実験を行う必要があるのでしょう……それに彼は私達に対価を求めなかった……なら私達に出来る彼への対価の支払いは何? もしかしたらこのような実験の手伝いなのではないのでしょうか)


様々な思考をしながら、ハロドルは惑の提案を検討した。

そして、答えが出た。


「分かりました、惑様の提案に乗ります」

「うんうん!! いいねええ!!」


惑は、嬉しそうにしながら近くにいた子供を引っ張って来た。


「……どうして子供なんですか?」

「え? そこにいたから」


本当に、近くにいた子供を連れて来ただけなのだろう、惑は早くクリーチャー実験を行いたいだけかもしれない。


「分かりました……私はどのような事をすればよろしいでしょうか?」


惑は、子供を観察しながらどのようにクリーチャーへと改造するかを思考する。


「あら? 分析は使わないのですか?」

「たまには自分で考えたい」


惑は、まるで子供のように夢中で考えていた。

そして、思い付いたようにハロドルに駆け寄る。


「この子の脳を核にドライアドのモンスター的な木を作り出す事は出来る!!」

「うーん、まあこの子の種子を使って巨大な人型もしくは獣型の大樹をモンスターとして生み出す事が出来るけど……」

「それだ! 子供を核としてそれを作り出そう! うむ、強さ的には獣かな? イネええ!!」

「何?」


惑は、イネを呼び出して獣型の大樹モンスターの作成に取り掛かった。


「うーん!! なかなか栄養が行き届かない……」

「じゃあこうすればいい」


惑は、近くにいた害虫や小動物達のHPを利用して大樹を成長させた。

そして、イネをモデルとした大きな獣のような大樹が出来た。


「ぐがあああああああ!」

「ああああああああああ!!」


獣の口から咆哮が始まると、核と丸分かり名子供も吠える。


「これいいの? これ弱点丸分かりなのに?」

「いいんだよ、こういうのは……さてと」


そして、次に近くにいた女の人を連れて来た。


「次はこれ!」

「まるで子供ですね」

「まあこういう人ですから」


イネは、惑のいつもの行動にはなれていたが、ハロドルは呆れ返る。


「って! 本当に適当ですよね! その女性そこ子供の母親ですよ!」

「そうなの? じゃあ相性良いよね! 作ろう!」

「ダメだ、聞いちゃいない」


惑の発想により、母親は体に木の遺伝子を組み込んで体を木そのものへと変えた。


「うわ」

「なんだかすごい能力ですね、採取と合成……」


惑の手際の良さに、少し感心しながら女性がとしての成長をハロドルは促す。


そして、完成したのは人型の大きな大樹のモンスターであった。


「ああああああああああ!!」

「なかなか大変だったけど……これ以上作る?」

「ちょいちょい」

「ええ……」


ハロドルは、あまり気乗りしなさそうにしながらクリーチャーの作成を手伝った。

そして、合計は5体のクリーチャーが完成した。

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