表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/474

記録81『プラントハザード』

レイカルは、唖然とした。


「まさか……子供を……何て事を」

「え? だって子供って好奇心旺盛で不用心に罠に掛かるし、丁度いいかなって……何か問題でも?」


真っ青になっているレイカルに、惑は不思議そうに見る。


「だって! まだ子供だぞ! 子供に寄生するなんて!!」


レイカルは、惑に反論を繰り返す。

他のドライアドの兵士達も顔を見合わせながら疑念の目で惑を見る。


「レイカル様の言う通りだ……いくら何でも子供を……」

「糞……酷い」

「何を考えているんだ」


それぞれの言葉に対して、惑は不思議そうに話を続ける。


「え? でもこの街を寄生するんだよね? だったら結局子供も最終的には寄生対象になるじゃない、もしかして子供だけ残してその親や他の大人を寄生される姿を見せて絶望させたかったの? それなら早く言ってよ」


惑の言葉に、更に他の者達はドン引きする。


「いい加減にしなさい! 皆の者! 惑さんが知恵を貸してくれているというのにその言い方は無いでしょう!」

「た……確かにそうですけど」

「それでも子供を先に狙うだ何て」


兵士達は、姫に子供を殺させた事に対する罪悪感を惑に押し付けようと必死になっていた。


「覚悟しなさい、私達は今から人間を殺して自分達の森を守るのよ、私達の森を! もし子供を! いや人間を殺す事を止めるというなら我々は全滅する以外ありません! それでも良いのですか!」

「!! それは」

「……うう」


レイカルも、兵士達も俯きながら言葉を失う。


「どうしますか、止めますか……私は一人でも森を守ります、罪は私だけが受けます……それで良いなら私はそれで良いです」


その言葉に、レイカルは悔しそうにしながらハロドルに跪く。


「申し訳ありません、私は貴方に付いて行きます」


その言葉を皮切りに、他の兵士達も跪く。

すると惑は、ドライアドに向かって話す。


「こう考えればいい! 君達の森は人間によって伐採されつつある、その中にはまだ小さい子供の木だって混ざってたんじゃないのかな?」

「それは……確かに」

「つまりは君達だって人間に子供を殺されたという事になる……なら君達が人間の子供を殺すのに一体何の躊躇いが生まれるんだい?」

「そっそうかも……」

「君達は人間達に土地と仲間を奪われて金の生る木を立てられた、なら君達は土地と人間を奪い森になる木を立てれば良いじゃないか」

「!!」


レイカルも、その言葉にどこか納得した様子であった。


「さて! 皆納得した様な表情になったところだし! 続けようか!」

「ああああああああ」

「ああああああああ」


子供と母親は、草や木の幹が体中から生えた状態の動く死体になっていた。


「これが……寄生」

「凄い、自由自在に動かせるわ」


ハロドルは、二人の死体を思う通りに操作する。


「うむ、思ったより上手い事言ったね、素晴らしい! 君達にも複製した寄生のスキルを追加していくよ! 並んだ並んだ!!」

「はいはい! なくならない! なくならないよお!」

「順番守ってくださいねエ!」


イネとエレンは、惑の手伝いとしてドライアドの施術に並ぶドライアドの行列を整える。


「さあレイカル君も頑張ってね!」

「はい!」


そうして、ドライアド全てに寄生スキルを追加して行った。


職業:錬金術師Lv7になり、スキル遺伝子操作を手に入れた。

『遺伝子操作は、今まで手に入れたスキルや魔法、遺伝子情報、記録した施術を自動で行う事が出来ます』


-----------------------------------------------------------------


「うわあああああ!!」

「逃げろおおお!!」

「女王様! お早く逃げてください!」

「ダメ!! ここにもアンデットが!!」


街中に悲鳴が響き渡る。

地獄の様な光景を目の前に、街の者達は逃げる事しか出来なかった。

しかし、突如力が戻ったドライアドに襲われる上に、寄生スキルを使われて、仲間だった者達が次々と敵へと変貌していく。

更には突然地面から生えた草木、今まで鑑賞していた花などが自身達に牙を剥くという恐ろしい現状に、街の兵士や騎士達も為す術がなかった。

魔法師は、炎魔法で接戦を繰り広げるも、今まで一緒に戦っていた仲間を目の前に出され、躊躇ってしまい、その隙に地面から咲いた花に寄生されて体中を草木や花まみれになりゾンビのように徘徊する。

更に、ゾンビ化した者達もスキルや魔法を使い攻撃を繰り出す為、人間達にとって最早勝ち目のない負け戦となったのであった。


そして、3日後。


ララルア街の住人は全てドライアドに寄生されて、森を育てるための苗床となってしまった。

皆子作りに励み、一部を残して他は全て森の為の苗床へとなった。

人間の子供達は皆、地下で家畜でも育てるかのような扱いを受け、絶望に染まった。


「良いわね、人間牧場みたいだね」

「悪趣味」

「うむ、なかなか良い子もいるね」

「変態」


惑達は、ドライアドの戦績を見て満足そうにする。


「でもこれって勇者に壊されません?」

「でもどうにかしないと人間に壊されてたよ」

「人間って怖いですね……簡単に自然を破壊する」


エレンは、自身の村を破壊した人間の恐ろしさを更に理解する事が出来た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ