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記録77『追放』

「は……なんで……どういう事だ……」


ライアンは、目の前に起きている現状を理解出来ず立ち尽くすだけであった。

しかし、そんなライアンなど無視して状況は続く。


(分かったか……魔族を……魔王を受け入れるという選択肢は許されない……それを無視して魔族を受け入れるなら相応のペナルティを受けて貰う)

「ああ……あああああ」

「そんな……」

「嘘でしょ」

「何だよこれ……」


その光景を見た議会の者達は、唖然とするしかなかった。

だが、するべき事だけは嫌でも理解出来た。


「わっ……分かった」

「し……従います」

「お願いです……」

「我々のの国を滅ぼさないで……ください」


震えながら、神と呼ばれる者の言葉通りに従うしか出来なかった。


「ああ……何でこんな……糞おおガアア!! テメエエエがあ!!」


ライアンは、自身の国が滅ぼされた為か神と呼ばれる者への怒りで溢れていた。


(まだ生意気だな……そのゴミを追い出せ)

「ああ!! はい!」


ミクルスは、震えながら席を立ち、ライアンを引っ張り出す。


「出て行くんだ!!」

「いあ!! やめろ!!」

「出て行って!!」

「出て行け!」

「出て行ってくれ!!」


議会参加者達は、自身の国を守る為にライアンを犠牲にする事にした。


「許さん!! 許さんぞ!! あああああああ!! やめろおおおおおおおお!」


ライアンは、無理矢理部屋から叩き出す。


「てめえら!! おぼえて……」

「すまん!!」


そして、そのままライアンは、部屋から追い出された。


「え……なんで……俺今日だけで全部失ったのか……あははは」


頭を抱えながら、歯を食い縛りながら頭を抱える。

しかし、目を充血させながら笑い出す。


「いいぜ……全部失ったなら何でもしてやる……神? 勇者? 関係ねえぜ……全部奪い去ってやる……ぶっ壊す為にな……いひひひひひいひ!! ハヒヒヒヒハアアアアハハハハハア!!」


狂ったように嗤いながら、突然走り出す。


-----------------------------------------------------------------


「さてと、次は何処に行くかだけど……森に行こうか!」

「うん?」

「まあ無法都市に戻る前に言ってたけど……どうして?」


惑の突然の提案に、イネもエレンも首を傾げる。


「勇者は魔族に対しては相性が良く無敵なチート戦士である……だがそれは相手が魔族であればの話だ……」

「うん、まあそうだね……あれ? そうなの? 勇者って神に選ばれた全ての頂点じゃ?」

「聖剣だってそういう伝説の武器じゃ?」


エレンとイネの言葉を惑は否定する。


「確かに最強のスキルと伝説の聖剣を持っている……だがそれらは全て神が祝福したからだ、多分そこに付け入る隙が存在すると僕は考えている」

「ふーん、まあ確かに神に選ばれたって事はそういう事か……」

「でもそれでなんで森?」


二人の疑問に、惑は答える。


「僕のいた世界で信仰されている神は全てを作ったと言われている、一日目が天と地、そして光を作り、昼と夜が出来た、3日目が大地を作り、海が生まれ、地に植物を生えさせられた、4日目は太陽と月と星、5日目は魚と鳥、6日目獣と家畜、そして神に似せた人を作られたと言われている」

「うううう?? えっとそうなんだ」

「で? どうして森? 神が作ったものなら何だって良いんじゃないの? 今だって土はあるし海だってどこかにあるはず? 魚と鳥もいるし獣も家畜もいる……」

「もちろん海だってまた調べる、でも先に近い森を調べようと思って、地図を見る限りでは海より近いのがこのペプリア国の元女王が住んでいたララルア街だと言われている……裏情報ではドライアドがいるとか?」


エレンは、呆れるように惑を見る。


「襲われたらどうするんですか? ドライアドは森の精霊ですよ、そんなのが錬金術師である惑を受け入れるとは思えません」

「そうかな? あの街の人はその森で取れるモノを育てて経世を立ててるらしいからね」

「それ……関係ありますか?」

「あるかも?」

「どっちですか」


しかし、エレンは知っていた、惑はもう止まらないという事を、惑は何か思惑があるからそんな事を言い出したのだという事ぐらいは分かった。


「分かりました」

「私も良いよ! 森はあの時以来だから久しぶりに自然を走りたい! ハダカで」

「変態」


エレンは、イネを蔑視の目で見る。


「さ! 行こうか! 勇者を討つ同志達よ!」

「え! 私も含まれてるの!」


イネは、驚きながら惑に引っ張られて行った。


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森深くに、一人のドライアドの女性がいた。

彼女の名前はハロドル・ドライアド、ドライアドの女王である。

綺麗な緑の髪を靡かせ、エメラルドのように輝く目の色、スレンダーな綺麗な体身体つきをしていた。

そこに、兵士の装備をした男が現れる。


「女王よ……このままでは我々は全滅します」

「!! そうですね……もう……我々もおしまいかもしれません」

「そっそんな……」


兵士は、悔しそうにしながら涙を流す。

ハロドルは、それ以上に悔しそうにした。

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