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記録73『追い掛けっこ』

テュリアメルは、エルフ達と向き合う。


「ああ!! テメエ! 私達とやり合う気かあ!!」

「ぶっ殺してやるよ!!」

「魔族化した僕等と戦おうとは……無謀そのものだ」


エルフ達は、ヤンキー口調になりながら拳を鳴らしたり、関節を伸ばしたりとしながらテュリアメルの目の前に立つ。


「テュリアメル!! 聖力付与!!」

『性欲付与!!』


三人のエルフは、聞き間違えて矢の方を見る。


「なるほど……あの鋭い矢じりで私達の大事な穴に」

「菊門に……」

「ぶっ刺すってことだな……勇者の性的思考は我々の想像を超えるものなんだな……」


そして、勝手に勇者の性的思考を評価する。


「聖力だ! この下種共が!!」


有志のエルフを見る目は、既に蔑視の目に変わっていた。

エルフ達は、矢に警戒しながら武器を取る。


「まあ……ぶっ殺してやることに変わらないな」

「ああ、姫様……お覚悟を……」

「ひひひひあああ!!」


最早、エルフ達の姿は無法都市に染まり切っていた。

自身の欲望を叶える為に、男も女も環境に適応しようとする。

そして、それはエルフ達も同様であり、男だろうが女だろうがアルマダの愛なしでは生きる事が出来ない。

欲望を叶える街、無法都市出来る為の性格と戦闘力と戦闘方法を取るようになった。


「まずはテメエの花畑な腐れ脳みそを叩き割って! 地面にぶちまけてやるぜえ!! くらええええええええ!!」


女のエルフは、手にしているバールをL字の部分を使って、テュリアメルの脳天に殴り掛ろうとする。


「そうはさせない! クイックアロー!!」


しかし、テュリアメルの弓を撃つ速度が突如早まった。


「な! あぶ!!」


寸前で躱して、バールを振り下ろす。


「っく!!」


テュリアメルも寸前で躱そうとするが、それは肩に当たり骨の砕ける嫌な音が鳴る。


「ああああああああ!!」

「ヒャアハハハハハ!! これで弓は撃てまい!!」

「ほらあ!! こっちもいるぞぼげええ!!」

「っぐうああ!!」


回り込んだ男のエルフに、左足を棍棒で思いっきり殴られてへし折れる。


「止めだああ! 死ねえええ!!」

「愚かな奴等だ…」

「ええ……さっきから何処を狙っているのでしょうね」

『!! な!!』


エルフ達の目の前には、テュリアメルはいなかった。


「馬鹿だな……俺が君達の品性の悪さを見て卑怯な事をしないと予測できないと考えなかったのか……」

「マルチクイックアロー1!」


そして、あらぬ方向から


そして、あらぬ方向から矢が飛んで来て、エルフ達の脳天を突き刺す。


「ぎぎゃ!!」

「ぶぶ!!!」

「だあ!!」


三人は、頭から崩れ去っていく。


「なるほど……幻覚を見せていたのね」

「私は彼女にイリュージョンをの魔法を掛けました……勝負は私が正気を取り戻した時に既に着いていたのです」

「さすがシャイニャス姫! ペプリア国の中でも有数な魔法使い!」


レイシャは、自国の姫を褒め讃える。


「ありがとう! シャイニャス!」

「いえ! 貴方も有志の愛する仲間です! 私が手を貸さないわけがないじゃないですか!」

「ふーん、まあ良いわ……気持ち良い? 皆?」

「ええ……アルマダ様……とても」

「これが逝くですね」

「とてもとてもイキそうです」

『あはああああん!!』


三人は恍惚な表情を浮かべながら死んでいった。


「死は絶望そのものなのに……それを喜びに変えるだなんて……貴様は狂っている……」

「よくも我等エルフ族の民にこのような辱めを……」

「貴様は彼等彼女等の誇りを穢した! 覚悟は良いな!」

「アンタみたいなのは死んだ方が良いよ!! 外道!」

「そうです! 必ず私達で打ち倒します! 覚悟を!」

「あら、何が悪いの? 死すらも気持ち良いだなんて……とても素晴らしい事じゃない! 誰もが恐怖する者に対して最後の最後に気持ちいが残る! 気持ちいがあれば生きる意味も生きて来た証も思い出も何もかもいらない!! ただただ喜びに身を委ねるだけでどんな不幸もどんな苦しみも帳消しに出来る特効薬同然よ! しかも副作用はなし! 無駄な誇りを削ぎ落すだけであら不思議! 皆幸せ! 皆嬉しい! 皆気持ち良い! それに何がいけないのかしら?」

「貴様には分からない! 絶対に! そんな狂った精神を宿した貴様のような屑野郎にはなア!!」

「あら、罵倒? 嬉しいわね……とても気持ちが良いわ」

「黙れえええええええええええええええええ!!」


有志は、聖剣を突き立てながら襲い掛かる。


「でもごめんね、私はそう簡単にイク訳にはいかないの……お客を先にイカせて後で娼婦がイク……それが私のモットーよ!」


しかし、当然そんな単調な攻撃を軽々と避ける。


「待て! 卑怯者!」

「アハハハ! 私に追いつけるかなアあ!!」


アルマダは、有志達を追い掛けっこプレイに持ち掛けた。


「追うぞ!」

『はい!!』


当然皆も乗ってしまった。

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