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記録52『生まれ変わる』

チェリアは、トンジャンと共に無法都市へと足を踏み入れる。


「ここが今の俺の職場だぜ!」

「やっぱり娼館か……」


チェリアは、少し興奮気味で娼館を見つめる。

トンジャンは、手招きしながら入口へと入る。


「待てよ!」


チェリアは、少し不安を心に持ちながら中に入って行く。


すると、そこには絶世の美女達が立っていた。


「うおお……」


あまりの美人揃いに、チェリアの不安が一転する。


「おう! 今日もよろしくな!」

「キャー! トンジャン様あ!」

「今日も守ってください!」

「チュ!」

「な!!」


自分と同じ地位にいるはずのトンジャンが目の前で美女達にチヤホヤされている。

その姿を見て、チェリアはショックを受けるのではなく、まず先に性的興奮が沸き上がった。


「そのかわいい子はどなた?」

「かわッ!!」


どれだけ頑張って働いても、チェリアが言われる事のない言葉ランキング1位に君臨する言葉をアッサリと自分の目の前で言われてしまった。

しかし、ここまで誘惑されても今までのネガティブな人生と不安がチェリアの理性を保たせる。


「なあ、ここボッタクリとかじゃないのか?」

「働いてるのにボッタクリも糞もないだろ?」

「いや、お前が俺をボッタクリする為に……」

「万年安月給の奴の給料に何を期待しろと?」

「確かに……」


チェリアは、トンジャンに悪口を言われているにもかかわらず、納得してしまった。


「まあ来いよ、信用できないのは分かるし詐欺だと思うかもしれないのも分かる、だがお前、俺を見下していたのにそんな俺に見下されるってどう? 嫌だろ? ただでさえ会社や他の成功者から見下されているのに同じ穴の狢にさえ置いて行かれたらお前はどうする?」

「……」

「何も残っていないんだろ? だったら今ここで騙される覚悟ぐらい決めろ! 何も残っていない奴が何かを失う心配したところで何の意味がある……今更探して見つけようとするな、探す時間はもうとっくに終わってんだ! それでも見つからないならそれはもう何も残ってないってことだ! な! 恐れるような理由なんてないだろ?」

「ああ、そうだな……騙されても馬鹿にされても何も思わないこの心を信じる事以外何もない、自信がないのが自信な俺自身を信じる!」

「その意気だ!」


そして、二人は建物の奥へと入って行った。


-----------------------------------------------------------------


「いやあ、成長したねえ」

「はい、惑さんのお陰です」


惑は、アルマダの姿を見て満足そうにしている。


「で? 吸血能力を得た事で淫魔へと種族進化が起こった感想はどう?」

「最高ね! この体素晴らしいわ! 老いる事も無ければ病気にもならない! 今はサキュバスだけどこれからはもっと強くなって! 最終進化のアスモデウスにまで進化するつもりよ!」


アルマダの体は既に、露出の多いレオタードへと変わっており、今までの髪すらも何処か妖艶な艶と香りを漂わせており、尖がった耳にグラマーな体を自分で触る事で厭らしさが増している。


「いや~でも驚いたよ、生業の話をした次の日にその姿へと進化するなんて!」

「私も驚いたわ、その後も性行為を宿屋の主人、宿客との集団プレイ、奴隷商人と性奴隷プレイ、堕ちたシスターに淫を教えて堕落を味合わせる事、全てが気持ち良かったわ!」

「それで進化を遂げたんだよなあ」

「それだけじゃないわ、このスキル:眷属契約も凄いわ」


惑の鑑定のスキルを利用して、眷属契約の説明を見る。


『忠誠を尽くす相手を自身の眷属にする』


「このスキルが現れたのは性行為100回目……職業娼婦が種族淫魔へと進化してサキュバスとなったわ……ただの人間では職業として表示された鑑定も、魔族へと変化する事で種族へとなるのね……」

「最初は出なかったけど、今では魔族を遠くから鑑定したら種族が出るようになあったよ、多分自身で作り上げる事によって出来る事も変わってくるのかな?」


そんな時だった。


「失礼します」

「おお! トンジャン君!」

「ああ! 惑さん! 来てたんですか! 本日は友人を紹介しに来ました!」

「あの……私の名前はチェリア・ケンジャルーです……私にも出来るとの事でここに来たんですが……」


緊張するチェリアに、アルマダは抱き着いて答える。


「ええ、貴方こんなにここが熱いもの、きっと私と相性がいいわ」

「……てかアルマダさんは大抵の人と相性がいいのでは?」


惑は、聞こえないようにボソっと呟く。


「ええ……そ、そんな」


頬を赤らめながら、股間部分が膨れ上がる。


「まずは試してみましょう、話はそれから……取り敢えず私は奥の部屋に入るわ」

「そう、じゃあ僕は少しイネの様子を見るよ」

「ええ! 10割引きなので惑さんもどうです?」

「ああ、イネのプレイをデータにしておくよ!」

「……そういう事ではないんですが、そういえばエレンちゃんは」

「来てるよ、アルマダさんには会いたいって言ってたから仕事が終わってからね」


惑は、そう言うと外へと出た。


「じゃ! 始めようか!」

「あわわわわ!」


チェリアは、今まで感じた事のない快感の全てを味わう事となった。

そして、チェリアはアルマダの眷属となった。

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