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記録452『シュレディンガーのイネ』

「やあ……時を駆けて来るなんて……君の成長性には目を見張るものがあるよ」

「ワニャアアアア……有難う……惑が旅の途中で言っていた事を思い出したんだよ」

「僕が?」

「うん」


イネは、ニタリと嗤い答える。


「シュレディンガーの猫……まさに虚数に領域……無数にある領域……そして今ある時間と重なる時間軸、僕が僕である全ての虚数の世界、あんな世界が合ったりこんな世界が合ったりではなく同時平行線に繋がる僕と僕が性癖で、ホルモンで、フェロモンで連絡を取り合ったんだ……僕はキメラ獣人、全ての事に適応できる君が作り出した唯一の存在……君が時間軸に干渉してくれたお陰で僕は同じ時間で別の行動別の僕に連絡を取り、そして手を組む事が出来た、こんな自分が同じ時間帯にいる僕達が……そお! こおおおんなにいいいい!!」


すると無数のイネが現れる。


「あへええ! 僕はM! マゾヒストのイネ!」

「ひゃああはははははあ!! 私様に叩かれなさい! サドヒストのイネ!」

「うんこうんこうんこ!! うんこは美味しいぞ! スカトロのイネ!」

「etc……」


様々なイネが現れていた。


「そして僕は惑が……西院円惑が喜ぶことを知っているイネ、そして僕が惑の今いる君の魂が作ったイネ」

「「僕は僕で会って僕ではないけど僕なんだ……そして僕は僕達で僕によって僕が僕であり僕なんだ!」」


惑は、そんな領域に踏み込んだイネに感心する。

そして興奮する。


「素晴らしい……研究者として誇り高いよ……やっぱり悪として認定された科学者は最後には自分の最高傑作に殺されるというのが一番だよね……おめでとう……君が生物初、僕をイカす事の出来た、逝く事の出来た生物だよ……」

「ありがとう、じゃあ殺すね、僕は僕の性癖に従い君をイカす、そして君に心臓を取って僕は君と一つになる」

「楽しかったよ……イネ」

「僕も愉しかったよ……そしてこれからも愉しむよ……」


イネはそのまま惑の心臓を繰り抜いた。


「にいさあああああん!!」

「イタダキマス」


そして、イネは惑の心臓を丸呑みにした。

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