記録451『神に選ばれし聖教騎士』
「で? 何で貴方がいるの? 貴方ただの人間でしょ? ならこんな時間軸に入れるわけがないじゃない」
「神様が私に力をくれた、君を止められるのは私だけだと……愛の力でね」
「……」
唯聖は、顔を引き攣りながら後退る。
「図星のようだね」
「うわ」
それを、ウィリアムは都合の良い様に捉える。
「それはどうかな、君は僕の事を愛している……そしてその作ったという人格は本当に完全に消えたのかな? 本当は君の心の奥深くに閉じ込めている……そうなんだろ」
「……」
「沈黙は同意と捉えるよ……必ず君を……知実を救い出して見せる」
そして、ウィリアムは剣を抜いて唯聖に、立ち向かう。
「ウィリアム……ごめんね……私……本当は救って欲しいの!」
「!! 知実! 手を伸ばすんだ!」
「ええ!!」
ウィリアムが手を伸ばし、その手を取った瞬間。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおちゃああああああああああああああああ!! 兄さん直伝! 背負い投げええええ!!」
「な!!」
ウィリアムは、そのまま地面に押さえつけられる。
「ハハハハハハ!! ザマアねえぜ!! お前が望んでた行動取ったら簡単に間合に入って勝手に手を掴んで自滅してくれたぜ! 兄さん! コイツばかっだああ!」
ケタケタと嗤う唯聖に、惑は微笑む。
「よくやった唯聖、これからだ、解析した君を基に僕がこの世界を作り変える……そして僕自身も既に作り替えている……長年の研究で僕自身が神になってその権利を得る! 権力ってねえ! こうやって使うんもんなんだよねええええ!! ははははははは!」
惑は、嬉しそうにしながら手を伸ばす。
「全ての時代……全ての事象、全ての生物の誕生を……全て全て僕が作り変える」
そして、手が光出して、全ての時代に干渉する。
「や! やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
ウィリアムは絶叫する。
「ぐぶ!!」
しかし、突如惑の胸が貫かれる。
「兄さん!!」
「一体何が……まさか! 神様!!」
「……まさか……ここまで……」
惑は、血を噴き出しながら冷汗を掻く。
「ワニャアアアア」
後ろから聞き覚えのある唸り声が聞こえた。
実は最終回近いです……最後までよろしく!




