記録450『全生物神様計画』
「さて! 唯聖ちゃん! 君が神になったことによって素晴らしい事が叶う! 分かるね!」
「……うん……兄さんの為に死ぬのも辞さないよ? する?」
「うん! する!」
嬉しそうにしながら、唯聖はジッと立ち止まる。
「君はイネやプラン、エレンちゃんと違って神様から、信者から神として認められた者……それを神として解析すればそれを人間に僕は引用する事が出来る、君のDNAを人間の……いや生物全体のDNAに取り込めば良い! 錬金さ! 錬金! このあやふやな時間軸だからこそできる事! それこそが僕の狙い! 有難う天山有志! 僕を魂事破壊してくれて! 僕の魂の欠片がこの世界に導かれた! 破壊されなければ僕は魂がここに至る事がなかった! 無かった事にすることは時間が掛かる! 何故なら僕自身が複製として残ればそれらを排除する為に僕の魂を時間軸に閉じ込めてトレースし! それを排除する必要がある! その為に僕を閉じ込めたみたいだけど! ありがとうありがとう!!」
何度も何度もお礼を言って、惑は嬉しそうに唯聖を解析する。
「ふむふむなるほど……こうなっているのか……さてと、君のDNAを貰う……それをトレースして複製すればこの時間軸から生物を全て神様にすることができる!! さあ! 楽しもうか! 人類……いや生物全体が平等になる瞬間を!!」
「そうはさせない!!」
空気を読まず大声を出したのはウィリアムであった。
「あれ? 誰?」
「あら……生きてたの」
「当たり前だ! 私は君を取り戻しに来たんだ!! そんな悪魔に取り込まれてはダメだ! そしてその唯聖は君自身ではない! 西院円惑が作り上げた偽の人格だ! そうでなければ君のような美しい人間が生まれるはずがない!!」
「え? いや……知実は私が最後に食べる為に作り出した人格よ、そう思い込む事で自身を知実と思い込む演技をずっと続けてたの、それも分からないなんて悲しいぐらい嬉しく思うわ、私の演技が素晴らしきという事! じゃあ取り敢えず死のうか?」
「!! そんな事君にさせない! 君は美しいものが好きな女の子だ!」
「科学、人間、そして演技……人間の技術面は本当に素晴らしいのに」
唯聖は、残念そうにウィリアムを見る。




