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記録448『政治家みたいな人達も』

「兄さん、分かっていると思うけど魂を取るには時間を巻き戻さなければならない」

「うんうん……」

「だからこそ私は沢山の信仰を必要とする……取り敢えず神樹となる種を実験で育てたけど……」

「そうそう、彼等は栄養を空気や土壌、更には肥料から育つんだ、プランちゃんが生まれた時に既に考えていた、彼女はあらゆるものを聖魔力へと変換する、太陽光による光合成や肥料、土壌の栄養分を吸い上げる、そしてそれ等が魔力として辺りに飛ぶんだ、二酸化炭素も必要、それ等こそがこの世界を生む為の条件1だ」

「? この世界を?」

「そう、この世界は細胞分裂と同時に魔力を生み出す神樹によって世界を成立させている、あそこにあるユグドラシルがあるだろ? それらが人間に魔力臓器を生み出させたんだよ」


惑の指さす方を眺めると、大きな大樹があった。


「あれがユグドラシルですか」

「ああ、あれがなければ人間は独特な特性を持った魔力やスキルを得られなかった、普通に僕等と同じく薬や機械を発展させただろうね」

「でもあの木が生まれて魔力を手に入れた」

「あれは実験じゃないかな? 魔力を帯びさせた種を植えた神……いや研究者によって」

「兄さんは神様が研究者だと?」


惑は深く頷く。


「だってこの世界は明らかに出来過ぎだ、僕等の世界も含めてね、でもそれ等を証明するには平等になるしかない、僕等は人間として試されているんだよ、神様から僕等がちゃんと神になれるか、大いなる力の中には政治家みたいな人達もいるけどそれはきっとその中にいる大いなる研究者、錬金術師が存在していると僕は思う、だから錬金術師は詐欺師として貶められているんだよ、だってそうした方が権力を欲しい連中には都合が良いからね、下民は下民のまま! それが彼等の思い、そしてその中にある錬金術師もとい神の本来の目的に辿り着く者を探す実験なんだよ」

「そう考えるなら……これも上手くいく?」

「さあ? 実験実験」

唯聖の言葉に、惑は深く頷く。


「お! 溜まったんじゃない!」

「じゃあ行くよ! 時間旅行!」

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