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記録447『必要なのは、心と心臓』

惑は、観光すると言っておきながら研究室と言って、宿舎の一部屋に閉じ籠った。

妹の唯聖と共に。


「惑……一体何をしているの……」

「ふうーいいお仕置きだった」

「イネ……」

「あ、イネお姉兄ちゃん!」

「や! つやつやしてる?」


エレンとプランが振り返ると、つやつやと言うか明らかにローションでテカテカになっていた。


「汚な」

「気持ち悪」


二人の意見はそれだけであった。


「ええ……酷い……で? 惑は何をしてるの?」

「さあ? 中に入って信仰心でも溜めてるんじゃないんですか?」

「?? エレンちゃん……惑はどうやって信仰心を溜めてるの?」

「え? そりゃ最初に言ってたみたいに脳みそを取り出して」

「それじゃあだめだよ、人の信仰心って、心、云わば心臓の文字があるでしょ? つまり心の籠っていない信仰には力は宿らないよ? 私は惑がそこを理解した上で何か考えがあるからここに来たと思ってたんだけど……本当に心は取ってない?」


エレンは、惑の行動を思い出すが、心自体、つまり心臓を取っている姿は全く覚えがなかった。


「うん、無い」

「うーん……本当に何を考えてるんだろう」


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「という訳で! 心臓となる部分として、君の信仰心を利用する為に、プランちゃんに疑似心臓となる種を沢山貰ったよ! この種はね! すごいよ! 神樹になる為の人の信仰を吸い上げる特別性!」

「へえ、そんなの産めるんだ!」

「うん! 元々プランちゃんはドライアドの女王の娘だからね! 寄生能力を僕が与えただけでそれだけの素質はあるんだ! そして植物が強く育つ方法って知ってる?」


唯聖は、惑から教わった方法を思い出す。


「水を与えすぎたりしない、適度な肥料が必要、自身の力で育つ能力を上げたりとか?」

「まあそんなところかな? 他にも日光とか風投資の良いとかが必要だけどそれらを環境に合わせて育てるんだ! 特にサボテンも空気中の水分、二酸化炭素、リンゴ酸という物質を変換して体内に蓄えたり昼間に分解して二酸化炭素に戻したりと工夫したように育つ! 神樹もそれが出来るはずなんだ! 一つの心から信仰を絞り出して空気中からも信仰を蓄える! そして脳と心を行き来させてそれを相乗効果で引き上げて行けば! 足りない分の信仰は賄えるはず?」

「うーん……まあ実験だし気楽に!」

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