記録446『時が満ちるまでの一時』
「さてと、聖教徒共も拉致して脳みそ手に入れたし! 信仰が溜まるまでの間は楽しくサゾマッゾ国を愉しもうか!」
惑は、嬉しそうにしながら街を観光していた。
「まさかなあ! 1泊2日の楽しい旅がまさかゆっくりと観光できるとは思わなかったよ!」
「うーん」
「どうしたのエレンちゃん?」
惑は、少し不満げにしているエレンに言葉を掛ける。
「いや……なんというか……死体をあんなふうに……」
「飲まれるなよ、倫理っていうのは国ごとに違うんだよ、君こそ聖教の教えに少し偏り過ぎだ、確かに良く聞く普通の倫理であればあんな死体の扱いは不謹慎だ、でもね、死体、死者の想いが叶う事にあると僕は思う、統制の取れた法律は素晴らしいのかもしれないけどある意味ではああいった人たちの心を蔑ろになる、それらを確実に叶えるには同じ穴の狢の人達を集めて国を作りそこで都合の良い法律を制定する、それこそが人が暮らしやすい世界を生み出すと僕は思う、実際死んだ人達は自分の生きたいところへと向かい、そこで永遠を過ごすと言われているってどっかで聞いた、地獄に行く者はそういう場所を好む者……だがある一定には苦しみそのもので暴力そのものなんだよ」
エレンは、少し暗い顔で答える。
「まあ……マッゾ族は喜びそうですけど」
「聞いてみたら? 君神族としてなっているんだろ? 聞こえるはずだよ? 集中して」
「えっと……うん」
そして、エレンは自身の神の力を展開する。
『あへええええええええええええええええええええ!』
「うわ」
「聞こえたみたいだね! 良かった良かった! 信仰達の声は聞こえないでしょ? 何故なら生きてるからだ! 神だって生きている人達の声全てを聞こえていない! 今までの旅がそうだったでしょ?」
「うん……」
そして、惑は再び街を歩く。
「邪魔!」
「あおhん!!」
マッゾ族を思いっきり押し退ける。
「さあ! 君もマッゾ族を虐げよう! これは僕等が彼等と共存するローカルルールだ!」
「えええ……」
「それ!!」
プランは、つるを鞭のようにマッゾ族を引っ叩く。




