記録437『聖教国家行き途中国、地図から消されし幻の国! サドマッゾ国、1泊2日⑦』
「この国は悍ましい! こんなにも平民達を軽視するとは!」
「全く……こんなに平民達を虐げる下種な国も他にないだろうな!」
「それに比べると我が国は本当に皆に平等だ! 国民全員を信徒として迎え入れて! 素晴らしい国だ!」
宗教おじさん3人組は、サドマッゾ国にマウントを取りながら愉悦に浸っていた。
「いや……お前の国に住む奴等全員お前ん所の神を信じた上で、信徒として暮らしてるんだろ? 迎え入れてるんじゃなくて集まっただけだろ? 同じ穴の狢共が、何自分の国は懐が深いみたいな浅い事言ってんだよ」
サドマッゾ国の王太子らしき者が、マッゾ族の族長らしき被り物をして居るオッサンのケツを踏みながら、鼻フックを引っ張りながら話す。
「そうやって人を虐げなければ国を成り立てないとは……平民あっての国だという事が分らんのか!!」
「下豚民の事ですか? オラア!!」
「ぶひいいいいいいいいいい!! ぼっど! ぼっどおおおお!!」
「喜んでますけど?」
「いいや……それはその苦しみに慣れてしまった故に本当の幸せを知らないからそうなっているんだ……貴様等は間違っている……何故ならそうしないと人の上に立てないからだろ! 平民より贅沢をしないと自分が上だと認識できないからだろ! この屑共が!」
王太子は、キョトンとしながら答える。
「え? いや実際上だし……俺王国の王子だし……嘘でしょ? 何言ってるの? 王政制度調べてから来てくれない? 話にならないから」
「それが下らないと言っているんだ! 人は皆平等だというのに! それは神がお決めになられた事だというのに!」
「ええ! アンタ等司教とか大司教とか信徒で分けているのに平等を語るの! こわ!」
「黙れええ! とにかく! 貴様等の行っている事は……いで!」
大司教真ん中の男が、怒声を上げていると石が飛んできた。
「あ、下豚民」
それは、大司教が平民と言って庇おうとしているマッゾ族であった。
「!! 何をするんだ……そうか! 子奴にそうしろと言われたのだな! もう大丈夫だ! 私達が君達を保護……」
「ふざけるな! 白けるんだよ! シチュエーションってのが分からねえのか!」
「え?」
「そうだそうだ! ちょっと空気読めよ!」
「お前! 本当虐げられている俺達が羨ましいんだろ!」
「いや! 何を言って!」
「分かるね! 俺には! これを飲めえええええええええええええええ!!」
『!!! うわああああああああああああああああああああああああああ!!』
次の日、
「ぶひいいいいいいいいいい!!」
「あへえええええええええ!」
「もおおどおお! もおどおおお!!」
大司教3人は、虐げられてよがっていた。




