記録433『聖教国家行き途中国、地図から消されし幻の国! サドマッゾ国、1泊2日①』
「うん? 何か国みたいなのがあるんだけど……あれが聖教国家なの?」
イネは、不思議そうにしながらその国に向かう。
すると唯聖は、思い出したかのように答える。
「ああ……そういえば知実時代にシスターから聞いてたんだった……あまりにも醜く薄汚いから地図から消すように神からの天啓を受けて、各国にそのことを伝えて消した国があったって……聖教国家を隠れ身のにする事で道を間違えたと思わせるんだって、聖教国家はもっと大きな聖堂があってそれを目印だからそれが見えなくて皆迷うんだって!」
唯聖の説明を聞いて、惑は不思議に思う。
「でも聖教国家に行くにはここを通らないといけないみたいだけど……いいの? 薄汚い国に入って?」
「後は辿り着けた者がこの国を通った事によって聖教国家がどれだけ美しいかを知ってもらう為だって!」
「つまりはマウント取か! あはは! 汚ねえやり方!」
惑は、嗤いながらイネに指示を送る。
「まずは入らないとダメみたいだし! 休憩がてらに1泊していこう!」
「え? いいの? 遅くなって」
「良いでしょ別に! 急ぎの旅でもないし!」
「まあ……聖教国家が嫌ってる国ってのも気になるし」
「プランも楽しみい!」
「いたんだ……いつの間に小さい自分を付けて」
エレンの肩に、プランは子供サイズで引っ付いていた。
そして、国へと入る手続きをしに、上門の前へと向かった。
「うむ、サドマッゾ国へようこそ! この国は基本貴族制度である! そこもサドマッゾ国の良いところだ! アットホームで素晴らしい国だからな!」
「うん! ブラック会社みたいな文言! 素晴らしい!」
「ぶ? なんて?」
衛兵の説明に、惑は嗤いながら会話をして、聞きなれない単語に衛兵はキョトンとする。
「あ、大丈夫大丈夫! 取り敢えず通り抜けるんだけどここで1日過ごしても?」
「ああ! 構わない!」
そして、契約書にサイン後、5人は国へと入った。
すると、村らしき場所に農村があり、ガリガリに窶れている男が、物が入った袋を握っていた。
「ああ、……おねがいじまず……これだけは……これだけはもっていかないっで……これが無ければ妻も子も私も飢えます……せめて……せめて妻とこの分だけでも……」
「ああ? ダメだねええ! これ等は全て我々全て頂く! この下豚共がああ! おらあ!」
「ぐべえ!」
そのまま、貴族から罵倒を受けながら蹴り込まれる。
「おとうしゃん!!」
「アンタあああ!!」
親子であろう二人の女性と娘が駆け寄る。
「ははは!! 無様だなあ!! ぎゃははははは!!」
「っく……」
エレンはイヤな事を思い出す。
「アンタ! アンタ!!」
「おとうしゃん!!」
「うう……こんな空腹で窶れて……苦しい中……蹴られるなんて……こんな……こんあなあああああ……しゅごしゅぎりいいいいるううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!! うほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「いいにゃ! いいにゃ! おとうしゃんだけ!! わたしぃもお!! 食べ物オオオ!」
「ええい! 鬱陶しいい!!」
貴族は駆け寄る子供にアッパーカットを食らわす。
「ぶべえ!! うほおおおおおおおおおおお!! のゆしゅんどおうがあああ! のyふがううんどうがあああああ! syぐおいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
「まあ! 良いわね!! お腹の子もいるの!! うおおおおおおお!!」
「うるせえエ!!」
貴族の全力ストレートパンチが、女性の膨らんだ腹に直撃した。
「うごおおおおほおおおおおおおおおおおおおおおお!!! じゅうじゃんじゅるううううううううううううううう!! うほごおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
それと同時に、股から何かが飛び出た。
「ほぎょおおおおおおおおおおおおお! ほぎょおおおおおおおおおおおおおお!!!」
そして、赤ん坊が生まれた。
その後、家族団らんでのた打ち回りながら恍惚な表情で、絶頂していた。
「おほおおおお!! きゅうふくがあああ! きゅう腹がきゅるううううう!! しゅごいいいいいいいいいいいい!!」
『うほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』
そして、4人は絶頂しながら身体を緑っぽい光で包まれると傷が全てなくなり動き出す。
「さてと、今日の作業をするか」
「はい! おとうしゃん!」
「貴方頑張ってね!」
「バブー!」
その姿を見て、惑は頷く。
「幸せそうで何よりだ」




