記録431『まだまだ足りない!! 魂復活の信仰は……そうだ!』
惑は、取り敢えず仰向けになって寝転がった。
「で? どうするの?」
「惑兄さんの魂を時間を私が意図的に戻した時があったんだけど……その時に兄さんの魂を見つけたんだよ! それを合わせて自身に修復能力を使えば戻せると思うの! そして私の信仰Max聖魔力で時間を戻せば惑兄さんの魂も引き寄せられるっていう計算だよ!」
「うん、雑計算有難う……では取り敢えずやってみようか?」
「うん!」
唯聖は、惑の言葉に嬉しそうにしながら早速実験を開始した。
「まずは時を戻さないと……うんぬぬんうぬぬ……」
力みながら唯聖は、聖魔力を絞り出す。
しかし、一向に時間逆行は起こらなかった。
「え? え?」
「まあそうだろうねエ……あの時は君自身が作った知実ちゃんが追い詰められて聖魔力が暴走したっていう状況が時間を巻き戻したんだろうね……恐らくその影響でリザルの復活時間が短縮されてしまったんだろうし……それほど時間逆行は世界を変えてしまうレベルの力と魔力消費があるんだよ……例え1秒の時間を戻すにしても唯聖の今ある大量信仰による相乗効果の聖魔力であってしても足りない……恐らくその今ある信仰+知実の信仰聖魔力+精神力聖魔力+暴走状態の聖魔力と言った条件が揃ってやっと発動したんだろう?」
「え……じゃあ今現在時間逆行は……」
「いや……それは僕達がいた世界でもまだ実現できていないでしょ? それが事実である以上これは僕達の今現在の限界だ……だけど科学に限界があると思っちゃいけない……今の限界を知った上でその限界を乗り越える為の研究調査、事象の確認、事実確認、認識の改め、そして協力者と費用が必要だよ……まあ取り敢えず魔力を集める為の信仰は必要だろうねエ……聖魔力が無ければその時間逆行は起きないんだし……」
「うーん……まだまだ足りない聖魔力!! 魂復活の信仰は……そうだ! 時間逆行の信仰と復活の信仰を同時に行わせれば出来るかもしれない! 人を分ければ……」
「その必要はないよ、人間はパニックを起こせば色々な思考が頭を過るだろ? 同時に二つの事を考える事は出来なくはないよ……その状況を脳に刺激すればそれ自体は可能だから人を分ける事自体はしないでおこう……でもその信仰に混ぜるっていう意見は良いね! 流石唯聖だ!」
「えへへ」
褒められて嬉しいのか、唯聖は照れる。
(本当は復活だけの信仰で僕は復活出来るって事は伏せておこう……時間逆行気になるし)
そして唯聖は、惑に良い様に使われる。




