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記録426『隠れ家』

「知実様……私達はこのような異常事態の為に別の場所に隠れ家として礼拝堂を用意しているのです」

「! それは本当ですか?」


シスターの言葉に、知実は嬉しそうにする。


「はい、西院円が以前アルマダと呼ばれる最低最悪の淫魔を人工的に作り上げ、そこを性的で野蛮な街として栄えさせようとしたと……最終的に西院円とアルマダの野望は勇敢な勇者、天山有志によって打ち砕かれ、最終的にそれに関わった街と王の都市は神様によって浄化されました……無法都市シャグル国と呼ばれた悪の巣窟は完全に滅ぼされました……その後我々聖教教会の者達によって、浄化された都市の地下に聖教の簡易的な隠れ家と礼拝堂を作る事にし、予備の祭壇も作り上げました……神もそのことを鑑みて、我々にそれを指示したのです」

「それは……何と頼もしい事ですか」

「全ての作戦が上手くいく事はほとんどない……だからこそ第二第三の作戦を準備し、その為の場所も用意する必要がある……この世界を救う為に皆本気なんです」


ウィリアムも、優しく微笑みながら知実を安心させる。


「じゃあ決まりっしょ! そこに向かって知実ちゃんを神にする!! それで決まりっしょ!!」


リューイも愉しそうにしながら飛び上がる。


「では行きましょう! そして兄さんを! いえ西院円惑を絶対に倒しましょう!!」

『おおおおおおおおおおおおおおお!!』


そして、四人は元シャグル国であった無法都市の浄化場所、新聖教都市隠れ家へと向かった。


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「うむ、知実がずいぶん成長を果たした……そろそろあの子も目を覚ますかもね」

「? 誰? あの子って女の子? 男の子? 僕にとっては両性別ともかわいこちゃんなんだけど惑」

「そうだね……女の子かな? でも君に扱えるかな? なかなか癖のある子だから」

「へえ……ある意味楽しみ」


イネは涎を垂らしながら嬉しそうにする。


「その子って……私達の仲間なんですか? 正直不安なんですけど」

「うむ……僕がいるからなあ……仲間になるかならないかはその時次第じゃない?」

「知実ちゃんと何か関係あるの?」

「うーん……まあそうだね……あの子は忘れてるけど昔からの知り合いだよ……」

「十年来の友達とか?」


再び惑は考えると答えを出す。


「どうだろ? 僕もあの子がいつから知実と関わってないかは知らないから」

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