記録410『FINALROUND5』
ドラゴンキラー、いくら竜を殺す剣と言っても、聖剣には敵うわけがない。
(まともに受ければ壊れる……ひびもダメだ……滑らせて往なすようにすればなんとか……)
ママンハッハーはドラゴンキラーで、聖剣を何とか滑らす事で、ドラゴンキラーを躱す。
「!! 糞!」
ウィリアムは、怒りを露わにしながらも、悪態を吐き、攻撃を続ける。
「ラブセイクリッドクイック!」
聖魔力を、散らしながら何とかスピードを上げる。
「フン、そんな程度で当たるとでも?」
次に、ママンハッハーの行動は、ウィリアムの剣筋をその場で理解し、すぐさまウィリアムの剣の動きを予測し、防御する。
「攻撃を躱して攻撃をする……そのパターンを続ければ勝てる……訳ではなさそうね」
ママンハッハーは、当然見破る。
知実も、攻撃態勢に入っていた。
「ラブセイクリッドファイアー!!」
目の前にはウィリアムがいる。
しかし、ママンハッハーは大袈裟なまでに距離を置く。
そして、ラブセイクリッドファイアーは、ウィリアムを通り抜けて、ママンハッハーを襲う。
「やっぱり……愛する者への攻撃は無効……もしくは与えない……今凄く愛を感じるわ……だけどそれがどうした……母親の気持ち悪い程の子への愛の方が……アンタ達のようなポッと出で作られた愛なんかより強くて鋭いわ」
ママンハッハーは、一気にウィリアムを陰にして、知実へ距離を詰める。
「!!」
「終わりよ!!」
「!! ラブセイクリッドスキル!!」
「!! 糞!」
知実は、ママンハッハーの剣裁きを寸前で全て躱した。
「ありがとう……ウィリアム!」
愛するウィリアムの、避ける技術をスキルとして使用した。
「構わない……私のスキルが君を救うなら! いくらでも使ってくれ!!!」
「愛の相乗効果か……厄介な……」
ママンハッハーは、足元にあった石を蹴る。
「!!」
「知実!!」
「見つけた……不意か……」
知実は、所詮素人の剣術家である。
マネできた程度では、実戦を繰り返した者達とは大きく劣るのである。
それをママンハッハーは、理解して、知実への攻撃へと変換する。
「貴方の長所は愛で人を救う……ならば二人の事をこの場で理解出来れば確実に勝てる」
ママンハッハーは、二人を見据えて、攻撃をしながら分析を開始する。




