記録399『極められし、モンスターペアレント』
「ぐ!!」
ウィリアムは、何とかママンハッハーの剣を捌くが、徐々に追い詰められる。
「糞!!」
「あら、距離を取るの? 無駄よ」
ママンハッハーは、脚で蹴り上げた弓と矢を空中で掴み取り、そのまま二発打ち込む。
「フン……どこを狙っている……二つとも私から離れて……」
「本当に才能のみで生きて来たのね……まさに無様と言わずにいられない様な情けなさ……きゃわいいパパンカツはいつも努力していた、ある日努力を止めた……貴方達才能ある者のせいよ」
「他人のせいにするのか……貴方の息子こそまさに無様と言わずにはいられない程に情けない、そんな程度で努力を止めるような弱い心で強くなりたいなど……まさに怠慢だ」
ウィリアムの言葉に、ママンハッハーは嗤う。
「羨ましい程に才能と綺麗な世界のみを見て来たのね……羨望する程の素晴らしい世界で生きて来たのね……理不尽を知らずに育ったのね……あ、人によって理不尽の感じ方は違うだ何て下らない価値観を押し付けないでね……だってそれって大体意味がないもの」
「なんだと」
ウィリアムは、怒りの表情を浮かべながらママンハッハーを睨む。
「私達はかなり昔……貴族社会が上の世界で、私達が下……そんな世界だったわ、そんな住み心地だったわ……抉く、気持ち悪く、嗚咽に塗れた否定的な世界……パパンカツ、シターギガ、ラクンゴ……あの三人はそこで育ち生まれた……つまり生まれた瞬間精神が育ち、強くなる前に否定の世界を生きて来た、そして3人はこの世界を変える為に頑張り続けた……しかし諦めた……それだけの人生は当然だった……なら誰があの子達の心をこれ以上壊さないか……壊れたあの子達を守る事が出来るか……壊され尽くしたあの子達を大切に出来るか……私しかいなかった……どの大人も誰も余裕がなかった……そう……一人で育ち一人で生きて来た者ばかり……私は昔はそれなりに金を稼いで生きていた……そして結婚しパパンカツが生まれた……そして父親が失敗し堕とされた……その幸せがあったから耐えられたしパパンカツも私が守れば大丈夫だと思った……しかし世界にはモンスターが多かった……モンスターな心を持った者共が多かった……そしてその強烈な悪意が子供の心を……まだ育ち切っていないパパンカツの心を蝕んだ……歪ませた……これ以上壊さない為にはどうすれば良いか……私は考えて理解した……」
ママンハッハーは、空気をスーッと吸い込み、吐き出す用の答えた。
「私も親としてモンスターになればいいと




