記録392『こんなの……』
「!! なんで! 何で魔法が発動しない!!」
「お兄様!! 大丈夫です! スキル! クイックネス!」
ファルニも、同じく女騎士としてのスキルを発動しようとした。
「あら、そのスキル……まさかそのお兄様の神の恩恵から派生したスキルを貰ったみたいね……でも貴方のそのスキルもただ使えているだけで成長の欠片もない……全く最近の若者は……成長しようともしない……私のきゃわいい子……パパンカツを見習って欲しいものよ」
そして、手を翳してファルニのスキルすらも消えた。
「え……なんで………どうして……どうしてえええ」
半泣きになりながら、剣を構えて女性を見る。
「あら、もう終わり? じゃあ……そうね……まずは自己紹介しましょうか……私の名前はママンハッハー・ラブリネス、よろしく、では死になさい」
「え……うぶ!!」
「が!」
二人の首は一瞬にして飛んだ。
(どうして……こんなの……こんなのおかしい……僕は……僕は転生チートスキルで……そうやって妹のファルニと一緒に世界を……)
そんな下らない事を考えながら、田中太郎は再び生涯を閉じた。
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ママンハッハーは、呆れた様な表情をする。
「全く……才能で努力しているパパンカツが負けて泣いちゃったらどうするの……努力のみで負ければあの子だって素直に負けを認めるは、でも貴方達はいつだって才能であの子を悲しませる」
ママンハッハーは、怒りの表情で天井を見上げる。
「それの神……貴方やっぱり下界には興味ないのね……貴方が召喚された者は、私が殺せたわよ……パパンカツ、シターギガ、ラクンゴ、あの子達で勝ったのよ……精神の超越者がいるにもかかわらずそうやって自分の活躍っぽい姿を見せて信仰を高めようだなんて……全く……都合が良いにも程があるわ……気持ちの悪い」
ママンハッハーは、神を恨む。
「貴方って卑怯ね! 人間は平等と言っておきながらこんなにも差を作るなんて! まさかその差があっても平等にをいう精神を持てっと言うの? 貴方達がそうやって見下す事こそが差を生む原因なんじゃないの! ママンハッハーは許しません! 私の職業! モンスターペアレントの力を見せてあげるわ!!」




