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記録389『成虫』

惑は、大量の人間達を子供キメラに食べさせて、ドンドンと成長させていった。

すると、突如蛹のような姿になった。


「え! 何これ!」

「どうやらこれは魔獣だ……」

「え!」


イネは、惑の言葉にギョッとした目で蛹を見る。


「いつの間に」

「どうやら宿主に寄生するタイプの寄生虫みたいだ……人間の中に寄生された奴がいたんだろうねえ」

「え! でもどうして子供に……」


すると、惑は異世界の昆虫図鑑を見た。


「これだ! 魔虫! 人間に寄生して子供に卵を植え付ける、そしてそれが成長すれば宿主が食べた食べ物の栄養を共依存的に貰う、そしてそのまま成虫になるときに子供を閉じ込めて栄養として頂くんだって!」

「そんな……ここまで成長したのに」

「強さも栄養の多さで決まるって書いてるけど……大丈夫でしょ!」


軽快な言葉に、イネは怒りを覚える。


「惑は……惑は良いだろうけど! 僕は……僕の子供は……しんだんだよ……それがどれだけ悲しいか……悔しいか……それが分からないんだ!!」


イネの絶叫に、惑は苦笑する。


「何を言ってるの? 君はキメラでしょ? 適応こそが真骨頂……つまりは」

「……え!! あ! そうか……なるほど」


イネは、嬉しそうにしながら蛹を見る。


「おおきくなあーれ! おおきくなあれー!」


そして、愛おしそうに撫でながら、イネは蛹の孵化を待った。


そして、イネはいつしか温めるようになった。


「何してるの……」

「え? 産まれるかなって……」

「卵じゃないんだから」


その時であった。

蛹であったものが突如割れ始める。


「!! やった!! 産まれる!! 私の僕の子供が!! いけ! いけ! いけええええええええええええええええええ!!」


そして、蛹を完全に割って成虫が誕生した。


「きいぎゃあああああいやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


腕が6本、脚が20本、羽が4本の生き物が現れて奇声のような声を上げた。


「素晴らしい産声だ……なんて生命の神秘……素晴らしい……」

「うむ、これは……鱗粉の中に……花粉も混ざっているな……ワクチン打ってなければヤバかった……僕も死んでたね」


周り一杯に鱗粉をバラ撒き、近くにいた人達は、大量の芽が体から生える。


「ああああああ……プラン様ああ……」

「プランママ様あああ……」

「あれ?」

「やりいい!!」


犯人は、プランだった。

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