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記録38『勇者VS改造村人』

有志は、迫りくる改造村人を魔族として倒していた。


「糞! 勇者がここまでとは!」

「くら……ぐば!」

「糞! 強すぎんだろ!」

「失敗に終わるか……ようやくあの方の言葉が実感できた」


冷汗を掻きながら、改造村人達は何とか有志の攻撃を凌ぐ。

しかし、そこに魔法が飛んできた。


「ぐyが!」

「ランバア! 糞!」

「有志だけではありません! 私も戦います!」

「ッチ! さすがに知識だけはあるようだな……現状が見えていなくても多少の役に立つという事か」

「姫を人質に!」

「させるか!」


次々と、村人達は有志とシャイニャス姫によって打ち倒されていく。


「おお! さすがは勇者有志殿! さすがは我が娘! 魔族をここまで圧倒するとは!」


最早、勝敗は決まったも同然のように見える状況。

しかし、有志は一人の気配に気付いてはいたが、姿を現さない事が気掛かりであった。


「おかしい、ここまで仲間がやられているのに反応もしない……どういうことだ」

「有志、きっと部下を使ってこちらを伺っています! でも大丈夫です! そんな臆病者に有志が負けるはずがありません!」

「そうだな! どんな卑劣な手段で来たとしても! 正々堂々と打ち倒して見せる!」


有志の言葉に、その場にいた皆が安心した表情になる。


「有志様! さすがだ!」

「これで皆救われるんだ!」


残っていた貴族や兵士達の心の中では、すでに魔族達に勝利していた。

ファルトコン王も、その考えを事実として認識していた。


「こんなパーティーになってしまったが、これは有志殿の強さを知らしめる為の侵略となったな、愚かな魔族共だ」


見下すように現在有志と戦っている改造村人達を見下しながら嗤う。

しかし、ファルトコン王の後ろにすでにアレンが近づいていた。


「殺してやるぞ……ファルトコン王……」


自身に気合を入れる為、強気な言葉を呟く。

そして、気配を殺しながらファルトコン王へと走る。


「ファルトコン陛下! 危ない!」


一人の兵士が、気付いて剣を構えてファルトコン王を守ろうとする。

その動きに気付いた兵士も同じく走った。


「糞! いや! 鬼人化させれば何とか!」


アレンは、体を鬼人化させてファルトコン王の目の前にいる兵士を殺してからファルトコン王の命を狙おうとする。

間に合った兵士達は、剣を構えてアレンを足止めしようとした。

しかし、誰かから後ろから押されて突っ込んでしまった。


「は」

「え」


二人は、意味が分からなさそうにしながら後ろを振り返る。

すると、ファルトコン王自身が兵士二人を押し出して盾にしていた。


「なん……」

「どう……」

「其方達の勇気、感嘆に値するぞ、誇るが良い」

「な!」


アレンは、驚きながらも目の前にいる兵士二人を殺すしかなかった。

そして、ファルトコン王の行動は間違っていなかったのか、倒れる力が働いてアレンの動きを遅らせた。


「ファルトコン王!」

「お父様!」


その間に、有志とシャイニャス姫が気付いて残りの改造村人達を倒すとすぐに駆け寄る。


「有志殿、シャイニャス、この二人が守ってくれた」

「なんという勇気だ! そんな二人を殺すだなんて! さっきまで怯えて隠れていた屑野郎が!」

「貴方のような悪は有志に倒されるべきです!」

「!! ……」


アレンは、何か言いたげそうな表情になるが、どうせ聞いて貰えないと考え、グッと堪えた。


「ファルトコン王を暗殺しようとしていたが……まさかこんなことになるとはな……まあいい、失敗する事は最初から分かっていた、だが俺だって死ぬ事を想定してこの戦いに参加している! ここでは終われないんだよ!」

「フン、臆病者が何を言っているんだ……そうやって他の部下に厄介事を押し付けて自分は高みの見物をしているような奴には何も残せはしない!」

「そうです! この臆病者!」

「フン、臆病者は口も立たんとはな……」


アレンは、三人から言われたい放題になるが、全く無視して懐からある者を取り出した。


「そう考えたければそう考えておけ、俺は俺のやるべきことをする」


そして、懐から出したのは物は昆虫の入った試験官であった。


「? 何だそれは……」

「全く、魔族は気持ちの悪い生き物だ」

「そんな物をどうするつもりですか!」


アレンは、無視してそれを飲みこんだ。


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レイシャは、外にいた魔族達を殺し続けた。

しかし、騎士や兵士達を引き付けて抗戦する魔族達のせいで救えた者がいない。

逃げた貴族達も、残っていた商人達も全て殺されてしまった。


貴族達が、城から逃げる前にすでに外の者達を殺されてしまったせいで、魔族達が逃げてきた貴族を掃討するだけという状態になったのが理由であった。


「糞!! どうして気付けなかった! どうしてもっと早く行動出来なかった! まさかこのパーティーを狙っていたというのか! それに冒険者さえいればもっと救えた! まさかこれも作戦の内だというのか!」


レイシャは、地面を叩き付ける。

外にいた魔族はもういない。

全て殺す事が出来た。

最早城に居るファルトコン王やシャイニャス姫、他の貴族や兵士達を守る為に戻る事であった。


「今は戦わないと! 有志達に加勢するぞ!」

『おおおおおおおおおおおおおお!!』


騎士達や兵士達と共に、走った。


その時、城が崩れた。

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