記録365『初めまして赤ちゃん、強く育ってね、燃やせ! 母の命を! うおおおおお!!』
「へへへへへへあへええ……しゅごいのがああ……にゃかにいっぴゃああいい」
「あああ……シャルナア……そんな」
「よくも……こんな下劣な真似を!」
「君は下劣な真似で生まれたのかな? そんな事を言って……母親に申し訳ないと思わないのかい? 情けない」
イネの言葉に、ラスネスは悔しそうにし、知実は怒りが沸き上がる。
「その薄汚い口を閉じろ……外道め」
「おいおい、私は性行為をして赤ちゃん孕ませS〇Xしてただけじゃないか……これの何処が外道なんだい? それとも君も外道行為で生まれたのかい? ああ……可哀そうなお母様」
「母を愚弄するか!!」
「したのはお前だろ? っプ!! 相手を否定すればするほど自身を否定する事になるとまだ気づかないか」
小馬鹿にするイネに、ウィリアムは剣を抜く。
「剣を抜け……私と正々堂々戦え」
「分かった!」
イネは、ズボンを破り、下半身丸出しになった。
そして、自分のモノを構える。
「どこからでも掛かって来い、私はいつでも準備は整っているよ?」
「フン、ふざけた事を……貴様に天誅を下す」
「神である私を? ぶふうう!! 嗤わせる」
そして、二人は構えて睨み合う。
「お願い……ウィリアムに勝利を」
「ありがとう……知実……」
ウィリアムの勝利を願う知実に、ウィリアムは目を瞑って感謝する。
「愛のパワーって奴? 足りねえよ」
イネは、余裕そうにしながらウィリアムの動きを見極め、隙を作らない。
膠着状態が続く中、遂に動いた。
「その戦い! ちょっと待ったあああアアアアアアア!!」
何と、シャルナアの腹の中から声が響く。
「まさか……私の子! 嬉しい! 遂に! 遂に生まれるのね!」
「そんな……さっきされてたのに……そんなすぐに」
「おめでとう!! うわあ! 僕の子おお!!」
イネは、万歳三唱しながら喜ぶ。
すると、腹の赤ん坊は母親であるシャルナアに語り掛ける。
「母は僕等を命懸けで産むって聞いた……でもお願い! 僕にその命を頂戴! その命を燃やして僕を産んで欲しいんだ!」
「坊や?」
「この亜空間は尊い行為であれば尊い程生まれた時の強さが上がる! そして君が命を燃やして僕を生んでくれればその力が僕へと引き継がれる! 愛は強しってね! そして僕は強く逞しい赤ちゃんになるんだ! そしてママは死んでも僕の心の中で生き続ける! そしてママも僕を感じながら生き続ける! 命を燃やしたその尊さを感じながら! だからお願い! ママ!!」
「坊や……分かったわ」
「ダメえ!! お願い止めて!! シャルナア!!」
「っひ! っひ!! ふうううううううううううううううううううううううう!!」
「ありがとう……ママ……」
「坊や………強く育ってね」
そして、シャルナアの全てがシャルナア自身の腹へと入り込む。
そして、玉のように変形してそれらは手と足、更には顔を作って新たな命として生まれた。
「いやあ……いやああああ……」
「命を燃やせ……うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
坊やはウィリアムに襲い掛かり、ラスネスは悲鳴を上げた。