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記録36『死闘(遊び)』


「お前もこうだああああああ!」


レイシャは、怒りをコントロールしながらアル―の攻撃を受け流す。

そして、アル―の足の脛まで一気に距離を詰める。

間合に入った瞬間、剣で斬り付ける。


「がああななああああ!!」

「アル―!」


アル―の脛は深く斬り裂かれた。

アル―は、顔の血管を浮き出しながら怒りで襲う。


「おもじゃああああ!! 生意気いいいいい!」

「大人しくアル―に遊ばれなさい! 子の玩具がああああああああああ!」


すると、ルーズはアル―の肩から矢を射る。


「フン!」


しかし、矢はいとも簡単に弾かれる。


「アゾブウウウウウ! みんなであぞぶうううううう!」


すると、どこから来たか分からないゴブリン達がアル―の味方をするようにレイシャを襲う。

ゴブリンに改造された村でアル―と一緒に遊んでいた子供達であった。


「アル―! 大丈夫だ! お前は遊びに集中しろ!」

「遊び場は俺達が切り開く!」

「しっかり千切ったり潰したりして良いんだからなアああ!」


村の子供達は、素早くレイシャの懐に入って小刀を振るう。


「糞!」


しかし、レイシャも経験のお陰か、すぐに攻撃を躱す。

しかし、頭上からいきなりアル―の拳が降って来た。


「ぎゃああああああdっだああああ!!」

「無駄だああ!」


レイシャは、上手く拳をいなしながら手首を斬り付ける。


「させるか!」

「何!」


しかし、子供ゴブリンの一人に受けられる。


「くう! ゴブリン如きが!」


距離を取った瞬間、後ろから子供ゴブリン達が待ち構えて剣を突く。


「甘い!」

「な!」

「嘘だろ!」


しかし、自身の剣を地面に突き刺すと同時に、上空に飛び上がりそのまま落下の勢いで子供ゴブリン達の剣を踏み付けて放させる。


「死ね!」

「ぐぶ!」

「がぶ!」


二人の子供ゴブリン達は、首を飛ばされる。


「ランラルラ! バルババ!」


「次!」

「うあああああ!!」


尻餅を着きながら子供ゴブリンは、死を覚悟した。


「うぐう!」

「!! ルーズさん!」

「あら大丈夫? ペルバ、子供にこんなこと……騎士様が虐待だなんて……世も末ね」

「黙れええ! 貴様! まさか子供を魔族にしたのか! あまりに連携が取れすぎている! しかも言葉を喋るゴブリン何て! 貴様はなんてことをしたんだ!」


レイシャは、怒りをルーズに向けるがつまらなさそうにしながら、無視する。


「まさか……そのジャイアントは自身の子供……貴様ああ! 自分の子供になんてことを! 貴様に親を名乗る資格はない!」

「ああ? 何って言った? ぶっ殺してやりてえがお前は玩具だ……玩具は玩具らしくアル―に潰されてろ……カスが」


ルーズは、睨み付けながら矢を射る。


「フン! 貴様だけには言われたくは……!! 何だこのゴブリンの死体! いや子供の死体は!!」


すると、殺したはずのランラルラとバルババの死体はレイシャの足をがっしりと掴んで身動きが取れないようにしていた。


「っくそお! 放せええ!」

「アハハハハハハ!! アル―! 二人が協力してくれているは! 今の間に遊んできなさい!」

「ああああああい!!」


アル―は、嬉しそうにしながら拳を振り上げてレイシャ目掛けて叩き付けた。

轟音と共に、地面は抉れたように大きな穴が開く。


しかし、そこにはレイシャはいなかった。


「私が剣だけの女だと思ったっか?」

「な! うあが! あがああああああああ!」

「ペルバ!」


ペルバは、レイシャの炎魔法で焼き尽くされていた。


「きざまああああ!」

「友達ごろじだああああああ! ゆるざなああああああい!」


アル―は、拳を真っ直ぐレイシャに向けて放つ。


「雷光よ……剣に宿れ! ライトニングスラッシャアアアア」


レイシャは、自身の剣に魔力を通して雷を付与した。

そして、そのままアル―の体を真っ二つにした。


「あああああああああああああ!!」

「アル―!! アルううううううう!!」


ルーズは、涙を流しながら斬り伏せられたアル―に縋る。


「きざまああああああああああ!!」

「黙れ……一端に母親を名乗るな……貴様はもう母親でも何でもない……自身の子供を怪物にして魔族に心を売った外道だ……」

「がばあ!!」


レイシャは、容赦なくルーズの首を斬り落とした。


(ああ……アル―……アル―、いっぱい遊んだね……今日はもう……疲れたかな……また明日……いっぱい遊びま……しょうn……ええ)


そして、そのままアル―の方へと倒れて、愛おしそうにアル―をしばらく撫でた。


レイシャは、見向きもせず殺された貴族達の元へと向かう。


「すまない……すまない……守れなくて……うわあああああああああああ!!」


そして、そのまましばらく大泣きした。

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