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記録364『自ら求めてしまう』

「ぞんなああ……ぞんなああ……わだじは……わだじはああ」

「シャルナア! 落ち着いて! 聖女様に清めて貰えれば大丈夫よ!」


絶望するシャルナアに対して、ラスネスは何とか落ち着かせようと、知実の力に頼ろうとする。

しかし、イネは嗤う。


「馬鹿じゃないのかな? 君は? 相手と相手にぶつけ合ったって事は……例え記憶から抜いても心や体が覚えているものさ……そんな程度ではその子の子供達を無かった事に出来るわけがないだろ? ぶははははは!」


イネの言葉に、シャルナアは腹を抱えながら震える。


「そんな……わだじは……産んだ……100人も……心の決めた人だけでなく……全く知らない人とも……これじゃただの穢れよお」

「穢れ? そんな訳ないだろ? 性行為をして子供を産む……聖書にも書いてあるほど有名で当たり前の事……それの何が悪いんだい? それに清めると言っても……子供を産むための行為は許されている! 何故ならそれは当たり前だから! そもそもそれは神が与えし人間の罰! それらを行う事! 神がする様に命じてそれを実行し! 更にちゃんと子供を産む! ううん!! 何と言う健全! 何と言う理知的! 何と言う信仰心! これこそが世界が求めるべき姿形だ! 子を産む事によって人間だあって! 動物だあって! 昆虫だああってえええ!! みんなみんなが手を取り合って生きていくんだあ! それが素晴らしいというのに……清めるだ何て……そんな身勝手な妄想で否定するなんて! それこそ罰当たりだ! 許されざる悪の所業だ! 私の世界は私が作り上げて神の領域! それらに対して聖女の力で潰そうとは! はあああ! 許されない!」


イネは癇癪を起すように、地団太を踏みながら怒る。


「黙りなさい! 私の友人でありライバルのシャルナアを穢したくせにそれを否定するとは!」

「ねえシャルナア……君穢れてるんだってえ」

「いやああああああああああああああ!」

「違う! 違うんですシャルナア! 貴方は穢れてなんて!」

「ああれれれえ!! 言っている事が違うぞおお! このほら吹きめええ!」

「ああ……あああああ」


シャルナアは、わなわなと震えながら涙を零す。

そんな時、一人の獣人がハンカチーフを貸した。


「お嬢さん……使いますか?」

「!! ありがとうおおおおおおおおおおおおおおおおおおはほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


ハンカチに何かを染み込ませたイネは、そのままシャルナアに臭いを掻かせた。


「ねえシャルナア……本当に性行為はしたくないの?」

「はははへへへへへ……しぃたあああゃあああい」

「ならしようか! 大丈夫! 君が求める限り君の安全は保障するよ

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