記録360『恵みの雨』
パレードの様に行為に励む者達。
余りにも穢れ、余りにも卑猥、許されざる光景。
「気持ち悪い……」
シャルナアは、真っ青になって自身の醜くなった両親を見る。
吐き気と嫌悪と絶望が心を奪っていた。
目をグルグルと回すように、目を押さえた。
「そんなの無理だよ? 五感は目だけじゃない……視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、それ等の内の一つを消しても耳と鼻と味と気配が君を襲う……さあ! もっと君も感じてよ!!」
「うう!!」
「ペネール!!」
ペネールの呻き声を聞いて、シャルナアは声を上げる。
「いやあ! いやああ! やめてえ!!」
「ダメ……だめだよ……ペネール……そこに行っては」
ペネールを掴もうとするが、届かない。
気配はそこにある。
そして、その気配を感じようと必死になったのが良くなかった。
「ねえ、シャルナア……突き出して? そこ」
「え? そこに居るの? 突き出すって……」
声にする方に、シャルナアは意識を向けた。
そのせいで、言われた通りに突き出してしまった。
ブス
という音と共に、後ろから何か固い物を突っ込まれたような激痛と窮屈さを感じた。
「いぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
「ああはははははは!! もっともっともっとおおお!!」
自分でも何が行われているか分からない。
しかし、下から押し寄せるような気持のいい感覚。
本能を刺激する感覚。
渇きを顕著にさせるような潤いを与えられてきた。
そして、その気持ちのよさは、押し寄せる様に欲望を刺激する。
「もおおとおおお!! もっとめぐんでえええ!!」
「めぐみのあめをおお!」
「もっとおおお!!」
それを答える様に獣人の男女は、嬉しそうにしながら股間を上に向ける。
「よおおおし! がんばっちゃうぞおお!!」
イネは、嬉しそうにしながら股間部から何かを発射させた。
それは空を突き破り、大気一杯に広がった。
そして、ゴロゴロと言った雷の音が鳴り、白濁とした水がボタボタと落ちて来た。
「恵みの雨……いや! 子種の雨だあああ!!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!! 産むぞおおおおおおおおおおお!!」
「出産出産!!」
狂ったように舌の口で、雨を飲もうと皆が股間部を上空に向けた。
『うほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』
そして、恵は皆に平等に降り注いだ。




