記録357『帰還』
「はあはあ」
「……頑張ったねエ」
アメナガスは、苦笑いをしていたが、それでも急速的な成長を遂げたエレンに拍手を送る。
「はあはあ……ありがとう」
「おめでとう……私達を倒せるならもうここにいる必要はないね……だってここのサバイバルって私達自身は既に熟せるし……」
ケタケタと嗤うイナミは、嬉しそうにしながら肩を叩く。
「ありがとう……ならもう帰っても良いですか?」
「うん……いいよ……他の皆はアメナガスに任せて」
「はい」
そして、エレンは何とか元の世界へと帰れた。
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バファハイドは、立ち上がるエレンを見てあくびをする。
「蘇ったか」
「……こわかった」
エレンは、震えながら何とか立ち上がると瘴気で剣を作り、杖の様に扱う。
「で? 隣のは?」
「え?」
エレンは、自分の隣を見ると一人の少女が立っていた。
「私も……たまには……無茶したい」
隣にいたのは、イナミであった。
「えっと……戻れるんですか? 私は良いんですが」
「大丈夫……戻れる……死ねばね……」
「その肉体は?」
「暗殺者は色々出来る……エレンちゃんの瘴気を集めて作った……死にやすいけど……この体で何処まで行けるか試してみたい」
イナミは、嬉しそうにしながら小刀を回転させながら投げて掴む。
「さてと……惑に合わせて……楽しみ」
エレンは、気まずそうにしながら、集落へと戻った。
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「イネ……どうしたの?」
「エレンちゃんがいないからなんだかなあ」
元気のないイネを見て惑は、蹴りながら聞くが、結局しょうもない理由を語られる。
「いないって……まだ数日だけど?」
「数日もだよ……はあはあ」
「あん! あん!」
「そうは言いながらしてるじゃん……」
「我慢できないんだよ」
イネは、寂しさを性行為で誤魔化していた。
が、惑は呆れる様に指示を送る。
「じゃあ聖女が今度はペプリア国跡地に来るらしいからそこで待ち受けてよ……君の故郷でしょ?」
「え? ああ、別にいいけど」
そして、イネはそのままペプリア国跡地へと向かった。