記録344『食事を欲すれば金、金を欲すれば食事』
「ウモムウモム、おいひい」
ノリアは、姉であるナリアの頭を食していた。
「!! 食べちゃいたいって! そういうこと!」
エレンは、愛していると言っていたはずの姉を食べる姿に、言葉を失う。
「気にするな、これも愛だ」
「そうなの!?」
ナリアの何ともなさそうな表情と言葉に、戸惑いながら返事をする。
「さて、君は食事には何が大切だ! 言ってみろ!」
「えっと、お金?」
「そう! なら次にお金の為に必要なものはなんだ!」
「え? 職?」
「否! 食だ! 皆何故か働かなければ金は獲れないと思っているようだが、食わなきゃ体は動かない! そして食うには金を稼ぐ! そのサイクルによって人間は現在生きている! そして、私は食う事で金を稼ぐ方法を私は知った! 行くぞ! ノリア!」
「おうよ!」
そして向かったのは、大盛りの店と呼ばれている場所であった。
「!! 帰ってくれ!」
しかし、大将は涙目で二人を追い返す。
「ああ!! なんでだよ!」
ナリアは、ブチギレて大将に掴み掛かる。
「だあってよお! お前らここを完全に金面として見てるだろ! このままじゃ破産だ! 出てってくれ!」
店主の店は、二人のせいで赤字と負債で自転車操業であった。
「このままじゃおれの嫁も子供も路頭に……」
「迷えば? お前がこんなくだらない企画なんて考えたからそんな事になる、責任持って落ちぶれろ」
「っ!! イヤダイヤダ嫌だあああ!! 知らない知らない知らない!! 俺はやめるんだああ」
店主は、泣きじゃくりながら、駄々を捏ねるように泣き喚く。
「おい店主! お前の人生なんてどうでも良いんだよ、いいから飯よこせ! お前はそういう店の店主だろ! 責任持って飯を食わせ続けろ!」
「ああ、ああああ、ああああああああ!!」
そして、ノリアは、店主にいきなりナイフで刺した。
ナリアは、その血を飲んだ。
「作れ」
「!! くそ! 体が!!」
無理矢理動かされているように、料理を作り始める。
「あぎゃあああああああああああああああああ!」
そして、店の料理全てを出して、それを食い尽くされた。さらに、制限時間が間に合い、寧ろ金を搾り取られた。
「すまない、すまない、俺の家族はもう終わりだ」
店主は、絶望しながら、空っぽになった料理を見つめるだけであったり
「ふいー、食った」
「良かったね」
店主以外は、大団円である。




