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記録338『魔界での殺し方』

「ぐっぎい!!」

「いだいぢあいいい!!」


巨漢男の首の頸動脈を、エレンは噛み付いた。

巨漢男は、泣き喚きながら取り除こうとする。

しかし、男の腕では届かない位置であった。


「うぎぎぎぎ!!」

「ぐぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


巨漢男の首筋が、食い千切られて血が噴き出す。

しかし、巨漢男は、睨み付けるように、エレンを見る。


「むだあああああああああああ! むだああああああああああ! 俺死なない!! こんな程度ではアあアアアアアアア!!」


巨漢男は、ケタケタと嗤いながら首から噴き出す血を無視してエレンに襲い掛かる。


(ああ……分かる……瘴気を自身に取り入れた……それにはあの男の瘴気も混ざっている……それって相手の瘴気も目視する事が出来る……今見えるのはこの男の動き! そして! イネさんがいつもしている! 確実な弱み! 弱点を見つける目!!)


エレンは、瘴気の動きを見る事により、相手の動きを予測して攻撃を躱す。


「何故! んざえええ!!」

「勝てる! ぜったいぶばあ!!」

「ざんねえええええええええええん! 僕にも見えてるうううううううう!」


エレンは、確実に勝てると思った瞬間、血を吹き出しながら吹っ飛ぶ。


「ばああああああ! 俺が凄い良い良い良い良い! 凄いだろおおおおおおおお!!」


嬉しそうにしながら、エレンは口に溜まった血を吐き出して態勢を立て直す。


「マジですか……勝てるの? これ……」

「うへへへへへ……俺だってここで生き残ったああ……勝とうとするから悪いいいい……だってねええ……生き残ったって事はあああ……生き残るための必要最低限を乗り越えたってことおおお! お前はまだアアアアア!!」


巨漢男は、嬉しそうにしながら近付いてくる。


「ああ、マジか……」

「死ねええええええええええええ!!」


巨漢男は、エレンの顔面を確実に潰そうと拳をぶつけた。


「やっだああああああああああああああああああ!! じんだじんだじんだああああああああああああああ!!」


嬉しそうにしながら、巨漢男は子供の様に大喜びしていた。


「良かった……勝利を確信してくれて」

「ああば?」


巨漢男は、不思議そうにしながら声のする方を見る。

すると、頭の上に上顎から先があった。


「下は……くれてやった……でもアンタを殺せば治せる……死ね」

「あばああああああああああああああああああ!!」


そのままエレンは、上の歯で脳天を突き刺した。

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