記録334『え? そりゃもちろん』
「まってよ……まっでよおお……まどおお……だずkげでええ……みずでないでえええ」
「え? 見捨てないけど?」
「え?」
プランは、完全に惑に見捨てられると思っていた為、命乞いをしたが、それは勘違いであった。
「え? え? なに? 無様に死に逝く悪役キャラ観たいって言うのは?」
「え? そうみたいだなあって……思っただけだけど?」
「え!? 思っただけ? え? 何? 助けてくれるの?」
「え? うん……」
プランが考えている事を、まるで理解出来ないかのように首を傾げると、惑は気付いたかのように手を叩く。
「ああ! 僕があんな事を言ったもんだから助けて貰えないと! そう思った訳だね!」
「そうだよ!!」
「ごめんごめん、そういう訳ではないんだよ」
「もう……驚かせないでよ……さっさと修復スキル掛けてよお」
「え? それはしないけど?」
「どっちなの!! 助けてくれるか助けてくれないのか!!」
「助けるよ、ただ修復はしない……君のそのズタボロ状態で回復しやすい場所に置いて、そして回復しつつ力を付けて貰う」
「はあ!!」
プランにとって、惑の言いたい事が全く理解出来なかった。
「ほらね、いつもいつも修復を頼りにしていたらそれで成長は止まると思うんだよ……君自身にとって回復しやすい環境内で自身の力で回復する事によって、君自身を知り、君自身を理解し、そして君自身の本当の形を直観でも何でもいいから掴むんだ……そうすれば君のインスピレーションは高まり、更なるステージへと引き上げる、それが狙い」
「ええ! すぐに助からないの!!」
「ごめんねえ……でもイネも助けずとも殆ど自分で何とかしてたし、僕はその補助係でしかないから……そこは、履き違えてはだめだと思ってね、だから! ガンバ!!」
「ガンバじゃないよ!」
「さてと、そのままじゃ動くのも大変だろうし、よいしょ」
惑は、小さくなったプランを持って、集落へと歩き出す。
「まって! ちょおお!!」
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「うそ……これがプランちゃん」
エレンは、プランの見るも無残な姿に、唖然とし涙を流す。
「うわあああああああああああああああ!! そんなそんなそんなあああああアアアアアアア!! 私達の可愛いプランちゃんがあああああああああああああああ!! 酷い酷酷い!! 誰がこんな残虐な! 非道な事を!!」
「僕の妹だよ?」
「許さん!!」
エレンは、小さいプランを抱き締める。
「大丈夫!! ああプランちゃん可哀そう」
「ぐっがああkぎゃあああああああああああああああああ!! 闇が! 闇が葉を腐敗させるううううううううう!!」
エレンが放っていた、瘴気がプランの一部を腐敗させる。
「!! ごめんなさい!!」
エレンは、すぐにプランを放して、一命を取り留めた。