記録328『罪悪』
「あがやあああぎゃああああああああああああああああああああああ!!」
「熱いよお! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!! おがあざあああん!!」
「ひぎああああなあああああああああああああああああああああああああ!!」
ラネスネは、ファイアーボールで燃やした人達が、悲鳴を上げている姿を見て体が震える。
「なんで……私は……正しい事を……」
「へえ? そうなんだあ! 正しい事……イヒヒヒ!!」
プランは、自然と涙を流すラネスネの姿を見て嬉しそうにする。
「ラネスネ!! 大丈夫ですか!」
「だい……丈夫です……ああ……大丈夫……そう……私は大丈夫……」
当然、苦しむ人達を見て、苦悶の表情をする。
「糞! 貴様! これが狙いか! これがお前のやり方か!!」
ウィリアムは、苦しむ人の姿を見て、罪悪感に苛まれるラスネスを庇いながら、プランに怒号を飛ばす。
「言ったじゃない……死んでもいい、攻撃せよって……これは私にとって+になるからだよ? それに私は死については特に気にしない、何故なら朽ち逝く者はただ朽ちる……それは自然にとって普通でありよくある事の事象……木や草はどこかで必ず毎日朽ちる……動物もどこかで死ぬ……そして、自然界にてそれは全く罪悪に苛まれる必要がない、何故なら私達は自分の生存本能と保存本能を大切にしている! 生きる事に必要性を考えている! 貴方達だけだよ、そんな下らない事で文句を言っているのは! アハハ! だから弱いんだよ!」
「糞! ラスネス! 私も倒す! 君は少し下がるんだ!」
「ダメです! このまま……このまま私に全ての罪を押し付けて!! この苦しみは貴方達に負わせるわけには……はあはあ……いかない!! もしここで罪悪感を知実様やウィリアム様が受ければ……この者の思惑通りになる! それだけは! それだけは防がなくては!! バーニングフレア!!」
そして、植物に依存している人達を次々と焼いていく。
「ああっぐああああああああああああああ!!」
覚悟しようと、人を殺す事になれていないラスネスは、心が壊れかけていた。
今までは、魔族や魔物を倒しており、それらを人とは違う何かとして認識していた。
その為、人を殺す事に関しては、ラスネスは初めてであった。
「っぐ! があははあはあ」
息を切らしながら、罪悪によるストレス、そして緊張により、徐々に体力が落ち始める。
しかし、それでもラスネスは攻撃を止めようとはしなかった。