記録323『支配の広がり』
「大変です! 聖女様! 聖教騎士団も聖教魔導士団も帰って来ないどころかドンドンと森が領土を広げていきます!」
「!! そんな……皆は……近くにいた村の人達は!!」
「それが……まるで何かに引き寄せられるように次々に人が集まりその度に森を増やしているようで……このままではこの世界は全て森に覆われます! では私も! ラーラー! ラーラーラーラー!! ラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラー!! ラーラー! ラーラーラーラー!! ラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラー!! ラーラー! ラーラーラーラー!! ラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラー!! ラーラー! ラーラーラーラー!! ラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラー!!」
報告に来た男は、突如楽しそうにしながら身体中に草を生やしていきながら手を広げながら駆けて行った。
「!! 待ってください!! ああ……なんて事……」
「まさか……偵察部隊の隊長も……あのドライアドは一体何を……」
「シスター……このままでは世界があのドライアドによって支配されます! 流石に聖女様と共に我々が対応するべきかもしれません!」
ウィリアムは、シスターに頭を下げながら進言する。
知実も、ウィリアムと同じく頭を下げる。
「知実様! ウィリアム様! 頭を上げてください! 私もこの状況は予想しておりませんでした……流石にこのまま放置すれば人々は植物によって支配されるでしょう……この状況は防がないといけません!」
シスターも流石に、我慢できなかったのか、知実とウィリアムに逆に頭を下げてお願いする。
「お願いです! この世界をお救い下さい! 聖女様!」
「はい!」
「行こう! 知実!」
そして、二人はドライアドプランの元へと向かった。
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「良い調子のようだね、プラン」
「惑お!!」
プランは、久しぶりに会った惑に笑いながら抱き着く。
「惑がオーガの里を支配してみろって言ったお陰だよ! 色々なインスピレーションが生まれてそれを実行出来た! まさかプランが成長こんなにするなんて! びっくりビックリ!!」
「それは良かった」
「だからね、惑……そろそろ苗床に……」
「?? 別にいいけど……まだ聖女は倒せてないんでしょ?」
「!!」
惑の言葉に、プランは顔を青くする。
「も! もうすぐ殺せるもん!」
「ふーむ……それならいいんだけど……もしもの時僕を苗床にして真っ先に殺されたら……想定外の出来事の際プランは一人で乗り越えられる?」
「いや……それは……うーん……どうだろう……」
流石にプランも不安を隠せない様子であった。
「なら! これが終わったら苗床になってよ!」
「まあ別にいいけど……それでいいの? 本当に?」
「え……うん……まあ……」
プランも、惑の言葉に戸惑いながらも頷く。