記録319『実験』
「ふふふーん! ふふん-!!」
プランは、楽しそうにしながらふわふわと飛ぶ。
「楽しみだなー! 楽しみだなー!」
プランにとって、この実験は有用的で聖女相手にも有効的である。
「さて! どんな風になるかなあ……」
ケタケタとそしてニタニタと嗤いながら、プランは根を地面に張る。
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「聖女様! 大変です! 先程のオーガの里が完全に森に包まれました! 恐らくあのプランと呼ばれるドライアドの支配下に入ってしまったのかと!!」
「!! あのドライアドが……」
「そんなの……そんなの! 最早魔王と同じではないか!!」
ウィリアムは、唖然としながら悔しそうに吠える。
「私が……私が行きます……」
「待ってください! 聖女様! きっと貴方が来る事は向こうも気付いています! 恐らく誘いでしょう! そこに貴方様が向かえばきっと……きっと殺されてしまいます!」
シスターは、必死に知実を止めた。
「でも……それならどうすれば……一体どうすれば良いのですか……」
シスターに対して、涙を流しながら知実は、答えを求める。
「……するべき作戦としては……聖女様の加護を与えた兵士達を送る事でしょう……もちろん以前掛けた聖魔法より多く……そしてドライアドの寄生という攻撃、種子を気を付ける様にする方法を考えましょう」
「でも……どうすれば」
「この石を兵士達に持たせます……奴の力の源はそもそもが魔族のスキル……ならば寄生スキルは防げます……更に種子は目に見える種を植え付ける方法……なら聖女様のスキルで防げるものがあります……守りの加護を使えば攻撃事態は全て防げます!」
「確かに……それなら知実が出るまでもないかもしれない」
「それに! 例え攻撃を死角から放たれても! 守りの加護があれば攻撃は防げる! 穴なんてない!」
「それで良いですよ! それこそが本当に素晴らしい案です! シスター! ありがとう!」
騎士や魔導団が喜びながら、声を上げる。
「それでは皆さん! 加護を与えます! お願いします!」
『は!!』
しかし、知実は、この事を後々後悔することになった。
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魔王歴1年目、大量のウッドヒューマンが、魔物のごとく跋扈する事となる。