記録309『酷すぎる』
「ああわばばばばばばば」
「ごおごごお」
「あははははは!! 素晴らしいわあ! とっても良い! この二人! 聖魔力に溢れている! 良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い良い!!」
騎士の二人を、完全に寄生して本体であるプランが現れる。
「!! これは……一体!」
「あれは! ドライアド!! どうして!!」
一人の騎士が、指を差して叫ぶ。
「どうして! ドライアドは森の精霊だと聞いていますが……」
知実は、シスターから教わった知識とは、掛け離れたドライアドに恐怖する。
「聞いた事がある……西院円惑がドライアドに本来あるはずのない魔族特有のスキル、寄生を与えた事によって凶暴化したドライアドが生まれてしまったと……そして他の全てのドライアドは殺されてしまったと……まさか! あの子が!」
「酷い! 何て酷い事を! 許せません!!」
知実は、西院円惑の非道を聞いて顔を青くする。
「アヒャヒャヒャ!! 君イイ! 美味しそうだねエ!! 栄養にすれば沢山の子供がいっぱい生み出せそうだねエ!!」
ケタケタと嗤いながら、操り人形化してしまった騎士達を操り、指を知実達に向ける。
「さあ! 襲いなさい! そして私達を増やしてええ! 皆ああああああ!」
「ぎゃははははははあh!!」
「うあはあああああああああああああああああああ!!」
二人の騎士は、知実達を襲い始める。
「!! 糞! 仲間に襲わせるとは! 卑怯者め!」
ウィリアムは、剣を抜いて構える。
仲間達も、ウィリアムにつられて剣を抜いて警戒態勢を取る。
「卑怯? うひひひひひひあははははははは! 馬鹿だ! 野生生物に自分のスポーツルールを当てはめるだなんて! 惑の言う通り野暮って奴だ!」
知実は、プランに訴えかける。
「どうして! どうして西院円惑に従うの! 貴方の仲間は西院円惑に殺されたのでしょ!」
「うーん? 何を言っているのおお? 私の遺伝子にはそんな事刻まれてないんだけどおお?」
「それは西院円惑に虚偽の記憶を植えつけられて……」
「ふーん……そーなんだー……ま! そんな事どうでもいいけどね! 私はあああ! ただ目の前の者を寄生して食べてそして楽しく増えるのおお! さあ! 君達も私になあれえ!!」
ツルを伸ばして、騎士達を襲う。