記録300『復活! そしてオーガの里へ』
「テェイア!!」
「レイト!!」
二人は、惑の試験官から魂を解放され、修復された肉体へと戻った。
「さあ! 二人共! 復活おめでとう! 僕の胸に飛び込んで追いでえええ!」
「は?」
「薄汚い……近寄るな……行こ、テェイア」
「ええ」
二人は、汚物でも見るような目でイネを拒絶するとそのまま惑が、用意した部屋へと向かった。
「……話違くない?」
「違くない……」
「だって! 惑! 僕の体を欲しがるって!!」
「僕が言ったのは君の体なしでは生きられないって言ったらという可能性を示しただけ、そして君を拒んだ者は? と聞いたら君が勝手にいないと言っただけ……」
「本当って言うのは?」
「その可能性があるかどうかの本当」
「……詐欺だ!」
イネは、涙を流しながら地面に突っ伏す。
「ふzかえるなああああ!! 僕の! 僕のダッチワイフうううううう……」
そして、イネの心がボロボロに崩れ始めた頃。
「あああ!! 久しぶり! 久しぶりにレイトを感じるのおおおおお!!」
「俺もだよ! テェイア! 存分に味わってくれ! 俺も! 俺も味わうから! 俺もテェイアを感じるから!!」
「あああああああ! もおおだめえええええええええええええ!!」
「NTRだ!! NTRが発生している! ちょっと混ざってくるよ!!」
「行ってらっしゃい」
そして、イネは勢いよく二人のいる部屋を爪で鍵を抉じ開けて、入った。
「よーしーてー!!」
「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
「んだよ! ふざけんなよ畜生があ!!」
「海外映画で一回見た事のある光景だなアあ……」
惑は、昔見た映画を思い出しながら和やかな想いに浸った。
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そして、二人がしっぽりした後とイネがしっぽりとボコボコにされた後、オーガの里について話をする事になった。
「なるほどな……魔王様……しかも古代魔王が……」
「ああ、バファハイドは現在復活中、そして僕はバファハイドに頼まれている……いずれ神全てを殺しこの世界を変えると……その為に色々な伝承を漁っていた」
「科学者なのに……錬金術師なのに歴史に興味があるんですか?」
テェイアは、首を傾げながら質問する。
「良い質問だ、とても重要だよ……記録というのは簡単に説明すると昔の記録だ……一見荒唐無稽の奇跡に近い内容でもある意味ではその時に起こった何かの可能性がある……よく歴史が挿げ替えられている時もあるけどそれでも嘘の嘘の嘘の中には本当がある……僕はそこにだって手を伸ばすさ……当然それも科学の可能性を広げる為……人間だけじゃない……生き物全ての想像の中に可能性は入り混じっている……そこを見ないで何が科学者だ! 神はほぼ確実にこの世界に爪痕を残している……でなければ宗教なんて生まれない! そしてそれらには確実に穴がある……奴等が増長したせいで作ってしまった穴が」
「ふむ……なるほど……それで? どうしてオーガなんだ?」
「オーガの里……これは僕の世界でもあったけど……鬼神って知ってる?」
「「!! あの伝説のお伽話?」」
二人は、昔聞かされていたお伽話を頭に浮かぶ。
「でも伝承にあった……語り継がれていた可能性だってある……特に君達はオーガの里の重要人物だ」
「!!」
「確かに……全てのオーガに話しているかは知らないが……それでも俺達はその話を寝る前に聞いた」
「ふむ……とても科学的だ……寝る前の読み聞かせは頭に残りやすいし表現も言葉、語彙力に国語力が向上しやすくなる……そうやってまるで嘘のようにすることで本当を隠す……見事な手法だよ」
惑の言葉を聞いて、テェイアは少し眉を潜める。
「そういえば……確か父様……話すとき重々しい表情をしていたような」
「それだ! 行くぞ! オーガの里に!」