記録295『苗床』
「うう……プラン目を覚ましたよ……勇者どうなった?」
プランは、ようやく気が付いて眠そうにしながら立ち上がる。
そこには大量の勇者の臓物が散らばっていた。
「わああああああああああああああああああああああああ!! 美味しそおおおおおおおおおお!!」
プランは、貪るように地面に落ちている有志の臓物を食べ始める。
「うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!」
プランは、口の中にあった有志の肉片を口から飛ばしながら、感想を叫ぶ。
「むじゃぶじゃ!! うめえええええええ! 堪んなあああああい!」
そして、嬉しそうに地面を舐め回しながら、目の焦点も合わず、狂ったように舐め続ける。
「何しているの? プランちゃん」
「イネお姉兄ちゃん!! 美味しいよおお!!」
「そうか……いや……別にいいんだけど」
「プランの苗床としては……散らかり過ぎだから種を作る為の栄養にするうお!!」
「……それは大切だね……」
そんなことを話していると、エレンは涙を流しながら二人の前に現れる。
「話したい事があるの……」
「遂にする!!」
「惑は!!」
二人の反応はそれぞれ違ったが、エレンは辛そうに話し始めた。
「惑は……西院円惑さんは死にました」
「え?」
「え……」
イネは、何を言っているのか理解出来ず、プランは放心状態になる。
「えっと……何言ってるの……惑だよ? あの惑だよ? 死ぬわけが……」
しかし、エレンはイネの否定を首を振って答える。
「うそだ……そんな……惑が死ぬなんて……いや! この世界では死人を蘇らせる魔法があったはず! 大丈夫! 神キメラの僕がそんなのすぐに覚えて……」
「魂事破壊されたわ」
「え……」
「そんな」
プランは、項垂れながら涙を流す。
「せっかく……せっかく……」
「プランちゃん」
「せっかく皆をプランの苗床にしようとを思ってたのにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい! 酷い酷い! せめて肉体は残してよ! それにエレンちゃんもどうして闇落ちしているの! せっかく勇者になったならプランの苗床になってよ!! 酷い酷い! いじめだああああああああああああああああ!!」
「「え……」」
プランの言葉に、二人は震えた。