表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
304/474

記録294『闇落ち』

「惑さん……私……やりました」

「……そうだね」


エレンは、惑、イネ、プラン、そして様々な仲間の力を借りて、何とか神と勇者に勝利を収めた。


「うぐ!!」

「惑さん!!」


しかし、聖剣に刺された惑の体にひびが入り始める。


「なんで! 勇者は倒したのに! 殺したのに! どうして惑さんが!」

「簡単だよ……僕には聖なる力は猛毒だ……そんなのを浴びれば一溜りもない……なんせあの神に拒絶されたものだからね」


惑は、有志を助けていた、この世界の神に嫌われた。

人間であれば、拒絶反応で錯乱するか、体が崩れるだけで済んだが、惑は神に拒絶されているせいで、魂事聖なる力には力に対抗するどころか、対応する事が出来ない。


「そんな……嫌ですよ……ここまで来て惑さんだけが……消滅するなんて」

「分かってるじゃないか……ならこれは運命だよ……科学がもたらした結果だ……科学は常に犠牲を求めてそれを対価に素晴らしい結果を残し続けた……最悪を齎し続けた……科学こそが僕が信じる神であり、信仰対象だ……僕にとってこの科学の為に命を捧げられるなら本望だよ」

「なんでええ! なんでなんですかああああ!!」

「でもその前にすることもある……君はこのままだと僕と同じく死ぬんだろ?」

「良いです! あの勇者を殺せたんですから!」


エレンも同じく、勇者を殺す為に捧げた人生である。

悔いはなく、そして後悔もない。

例えあの戦いで死んだとしても何も問題はない。

勇者さえ殺せれば。


「ダメだよ……君は生きてて欲しい……何故なら君は僕が残した科学の一つだ……可能性を秘めている……もしそれでもだめなら僕の最後の科学実験に付き合ってくれるかな?」

「何ですか! そんな事言わないで……」

「エレンちゃん……お願いだよ」


惑の悲しそうな顔を見てしまっては、さすがのエレンも止められなかった。

寧ろ、惑が死ぬ前にその願いだけでも叶えて上げたいと感じた。


「分かりました……一体何をすればいいんですか?」

「頭を出して」

「? こうです……あが! あがあああああああああああああぎがああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


惑は、心を込めてエレンの脳を改造して最悪最低の記憶を何度も見せ続けた。


「ぎぎいいぎぎぎいいいいいいいいいいいいいい!! いやあああ! にいいざああああああああああああああん!! アルマダざあああああああああああああああん!! ぶーごじゃあああああああああああああああああああああん!!」


徐々に、エレンは黒い靄に包まれていく。


「やはり……聖なる力は簡単に反転しやすい……これで生きれるね……エレンちゃん……」

「うぎゃあbがああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!! あ」


エレンは、先程までの姿とは違う、真っ黒の鎧に包まれ、真っ黒な剣を携えた姿へと変貌した。


「ふふふ、闇落ち成功……」


その一言を言った瞬間、惑は砕け散った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ