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記録28『異変』

有志は、木剣を握り、向かい合っている相手の女性を見据えていた。


彼女は、聖騎士隊ヴァルキリーの騎士団長のレイシャ・アンゼリナである。


死んだ母も騎士団長であり、幼い頃から才覚を現した彼女は、母に憧れ、母を超える為に努力を重ねて今では男ですら敵わない国一番の実力を付けた。


そんな彼女だからこそ、ファルトコン王は有志の剣の稽古に任命し、レイシャも勇者の力になるならばと快く引き受けた。


「はああ!」

「ふん!」


有志の木剣をレイシャは、受け止めるとそのまま滑らせて軌道を変え、地面に落とす。


「ふん!」


その隙を逃さず、有志の腕を狙うが、地面に付いた木剣を勢いよく剣を上げで防ぐ。

レイシャも、負けずと連撃で反対側にあった足を狙うが、有志はジャンプして躱す。

その対空時間を狙われて、落ちた先から剣で狙った。


「うわあああ!」

「勝負ありだな」


レイシャは、嬉しそうにしながら倒れた有志に手を貸す。


「ありがとう、やっぱりレイシャは強いな!」

「そんな事はない、流石は勇者様だ、たった一ヶ月近くでここまで強くなるとは、スキルだけではなく、自分の技量をも鍛えるべく、鍛錬を怠らない姿勢! 好感が持てます! 私との違いは実戦経験の差なだけです! きっとすぐに追い越されます!」 


顔を赤くしながら、有志を褒める。

有志は、微笑みながら手を取り立ち上がる。


「そんなことありません、俺なんてまだまだですよ! 貴方に勝てるのはベッドの上だけです!」

「ばっ! ばか……いきなり何を言い出す……」


有志は、いちいち言わなくていい事を会話に入れた為、レイシャは顔を赤くする。


「有志―!」


すると、そこに有志の肉奴隷1こと、シャイニャス姫がタオルを二つを持って、駆け寄って来た。


「シャイニャス! いつもタオルをありがとう!」

「いえいえ、レイシャさんもどうぞ!」

「ありがとうございます、姫様」


レイシャは、シャイニャスからタオルをか受け取り汗を拭いた。


「有志の方はどうですか?」

「有志は筋が良いです、短期間でかなり成長をしています、今の技量と元から持っているスキルやステータス、そして魔法を加えればかなりの強さです!」

「あ、ありがとう……」


照れながら有志は、頭を掻く。

すると、シャイニャスは、有志の腕を組む。


「次は私ですね! この後魔法の訓練です! と言っても有志さんもう魔法を使うのに慣れ始めているみたいですし、私なんてもう必要ないかもしれませんが」

「そんな事ありません! シャイニャスにはまだまだ教わる事がたくさんあります! これからもご指導ご鞭撻よろしくかお願いします!」

「!! もう! 有志ったら!」


シャイニャスは、嬉しそうにしながら俯き、赤い顔を見せないようにする。


「それに俺が成長出来るのは二人が、仲間がいるからです! 仲間がいるからこそ俺は強くなれる! 皆んなで強くなって魔族からこの世界を守りましょう! 絶対にあの村のような事は絶対に起こさない!」

『はい!!』

「そして……修行の後は、三人仲良くベッドに入りましょう」

「も! もう!」

「ふふふ、有志のエッチ」


二人は、有志の修行だけでなく、肉奴隷も兼任していた。


そんな時であった。


「レイシャ騎士団長! 大変です!」

「何事だ!」


一人の騎士が慌ててやって来た。


「城下町な魔物のような生き物が現れました! 今騎士や兵士達が対応していますが、酸のような毒を吐いて攻撃し、剣が溶けて苦戦しております!」

「魔物のようなもの? 大ガエルではないのか?」

「明らかにそれとは違う、何か歪な生き物です! まるで三人の人間が融合したような」

「何を言ってるんだ?」

「一体何だその生き物」

「魔物のような……」


騎士の言葉に、理解出来ない様子で三人とも首を傾げる。


「とにかく行ってみよう!」

「そうですね! 困ってるみたいですし!」

「分かった! 向かおう!」

「ありがとうございます! こちらです!」


三人は、応援要請に来た騎士と共に現場に向かった。


―――――――――――――――


「何だコイツ……」

「きっ! 気持ち悪い!」

「コイツは……本当に生き物か……」

「オエエエエ! オエエエエエエ!」

「うわああ!」

「この液体さえなければ!」

「うわあああ! 靴が溶けたああ!」


有志達三人は、真っ青になりながら歪な生き物を見る。

その生き物は、顔が三つあり、口から手が生えており、足が円のように生えている、気味の悪い生き物であった。

騎士や兵士達がは、その生物が吐く液体に苦戦している。


「俺が行く!」

「有志! 気を付けて!」

「無理するなよ!」

「ああ、分かってる」


有志は、一ヶ月前に抜いた聖剣を構える。

そして、一瞬で間合いを詰めて、その生き物の三つの首を切り落とした。


『おべえええええええ!』


三つの首は、液体を吐き散らしながら地面に落ちる。

地面は、液体が付いた瞬間、音を立てながら溶けた。


「コイツ……一体何なんだ」

「分かりません、調べてみない事には……」

「そうだな、皆の者! この生き物を運ぶぞ!」

『は!』


有志達は、取り敢えずその生き物の死体を城に持ち帰った。


―――――――――――――――――――


「あっ、死んだ」

「? 惑? 何が?」


惑の突然の言葉に、イネは首を傾げる。


「いや、前に言ってたチンピラ達が死んだ」

「そうなの? 何で?」

「さあ? 知らない、予想ではあるけど誰かに処理されたのかも?」

「何で?」

「通りに顔を出したんじゃない?」

「今更? 何で?」

「多分だけど、今まではその姿を見られたくなかったけど、そうも言ってられなくなったんじゃない? それで姿を現して殺されたとか? まあどうでも良いけど」

「そっそうなんだ」


疑問に淡々と答える惑を見て、イネは少し引いた。

今日はTwitterでの報告なしです。

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