記録276『放たれる種』
「おい……あれ……」
「うわ……」
街の中に入った一人の男は、異様であった。
全裸なのである。
「あれってさ……」
「ああ……見た事ある……確か勇者だろ?」
「なんで全裸?」
不可解な姿で歩く有志に、二人の男はドン引きで見ていた。
「まあいいか……気持ち悪いが……関わ……」
「誰が気持ち悪いだって……この屑野郎共が……」
「え? ぐばあ!!」
全裸で徘徊していた、有志に突如聖剣で斬り掛られた。
「ああ……ああああ……」
「お前は魂ごと消えてなくなれ」
「ぐああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
そのまま、男は体からひびが入り、魂ごと肉体が崩壊した。
「うわあああああああああああああああああああああああああああ!! 来るなアあああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
隣の男も悲鳴を上げながら逃げ出す。
「死にたくない! 死にたくない!! 死にたくなあああああああああああああい!」
絶叫しながら逃げ惑う。
「何処に行く……仲間を見捨てるのか……」
「ひいいい!!」
しかし、当然有志に追いつかれ、目の前に現れた。
「この劣等遺伝子共め……お前等さえいなければこの世界は平和になるんだ……この世界の為に消えてなくなれ」
「うわあああああああああああああああああああああ!! やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
しかし、当然男の言葉など聞き入れて貰えず、その場で殺された。
「これは君の為に買った指輪さ、僕と結婚してくれ」
「!! 素敵……結婚は当然するつもりだったけど……まさか指輪を買ってくれるなんて」
「当り前さ! 今は指輪を買わない人もいるみたいだけど……でも僕は君に買って上げたかったんだ……」
「嬉しい!」
男は、指輪を渡して女性にプロポーズをし、それを女性は受け入れた。
良く見る幸せな空間である。
「この獣め……その女性を解放しろ」
「へ?」
当然有志は許さなかった。
何故ならその女性は有志の愛を持って幸せにするからである。
プロポーズをした劣等遺伝子の男性が手を出すという行為は女性への冒涜であり、世界の平和を乱す行為そのものであるからだ。
「あがああ!!」
「え……ダーリー? ……え? 嘘……なんで……しんだ? さっきまで……え?」
女性は、目の前で愛するダーリーが崩壊する姿を見て、呆然とする。
「大丈夫かい? 俺が来たからにはもう大丈夫!」
「え? 何が……え? どうしてダーリーを……」
「君はあんな劣等遺伝子なんかにはもったいない……俺のような神に選ばれた勇者こそが愛するべきなんだ! だってそうだろ!」
「ひい! 何ですか! 来ないでください!」
女性は、恐怖に染まりながら後退りする。
しかし、有志はお構いなしに近づく。
「大丈夫! あの男は俺が倒した! あの男から解放されたんだよ! これで君は救われたんだ! いや……まだだ、俺が愛せばもっと救われる」
「いやああ……やめてええ……こないでええ」
「大丈夫、怖がるような事はない」
そして、有志は女性の服に手を掛ける。
「嫌あああ! 止めてえええええ!! 放してええええ!!」
「大丈夫! はむ」
「ひいいいい!!」
有志は、そのまま女性の服を引き千切り、頬舐め回しながら犯した。
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「ひひひ!! アアハハハハハハハハ!! 有志! いいよ! そのまま僕のキメラエイズ種をバラ撒いてくれええ! でもおおでもでもでもおおお!! 僕は悲しいよ……男性だって君は愛せるのに……それをしないなんて……でも大丈夫! それほど時間が経っていなければ君が壊した男性の魂はどうにか出来るよ! ほお!!」
「!!!」
「何だここは!」
「ここはいったい……確か俺は……」
「いらっしゃああい!!」
「「「え? ……アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」」」
3人は、イネの子を宿し、女性は有志にイネの子を托卵された。