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記録268『英雄の死』

「あgふ……ぶばああ……」


血を吹き出しながら痙攣し、地面に崩れ去る。


「ばえ……ばえええ……」


パアワアプは、涙を流すも睨み付ける様にアワホを見る。


「じ……自業自得だ! お前が……お前が全部……全部全部ぜえんぶ! 悪いんだああああああああああああああ!!」


怒りに任せたかのような言い訳、自身が殺した事に対する罪悪への言い訳を必死に肺が張り裂けそうになるぐらい、喉が潰れそうになるぐらい叫んだ。

絶叫しながら、自身の頭に叩き込んだ。


「はあはあはあ」


アワホは、すっきりした様な表情で父親を見る。


「そうだ……お前は何も悪くない……全部こいつが悪い……お前は妹を……ファリルナを守ったんだ……だから気にするな……何……たかがゴミが消えただけだ……」


バワカは、何とかアワホが立ち直れるように背中を摩る。

ファリルナも、涙を流しながらアワホの頭を撫でる。


「にい……ざん……大丈夫……わだしも……たすうけた……だけ……きにじないでえ……」


たどたどしい言葉で、何とかアワホを励ます。


そんな時であった。


「君が……あのパアワアプを……」


一人の男性が現れた。


「あなたは……」


アワホは、キョトンとしながら相手を見る。


「失礼……私の名はバルロズ・フォルギルと申します、以後よろしくお願いします」


お辞儀をして、アワホへの会話を続ける。


「私は貴方達を雇いたいのですよ……」


二人は、更に理解が出来ない表情で、バルロズを見る。


「意味が分からないのも理解しているつもりだ……何故なら君達は人を殺した……つまりは殺人だ……だが今回に限っては違う……あのパアワアプだ……英雄となった彼だが今では街にとって害悪でしかない……君も理解出来るんじゃないのかな? だってそうだろ? 君は……アワホ君はその最悪の英雄の息子で酷い目に遭わされている……そしてその妹もだ……それが街の者に対して行われていないとでも? 行っているさ……当然……其れなのにどうして止めないのか? 裁かないのか? 裁けない……倒せない……それだけの強さを秘めている……奴は……だが君達兄妹……そしてバワカ君の機転によってこの者を倒す事が出来た……呆気ない最後……どうして呆気ない最後を迎えさせたか? それだけ君達の素質が良かった……全てはそれだ……全部それだ……私には分かる……何人の冒険者がいるか……」


バルロズは、全て話した。

しかし、当然3人は理解出来ない。


「つまり……君達は殺人どころか報奨金と手に入れる権利を得た……しかしそのためには冒険者としての資格を手に入れてもいいと思ってね……」


そして、バルロズは手を差し伸べる。


「どうだ? 冒険者としてのある程度のランクを与えよう……さすれば妹さんの薬代など簡単に……いやむしろ私が立て替えよう……それだけ君達の価値は高い」


二人は、見合うと当然の答えを返す。


「分かりました!」

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