記録262『全部全部全部』
「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
「有志! 落ち着いて! 落ち着いてください! 何て……なんて酷い事をするんですか! 人の存在を消すだなんて!」
「そうだ! 言われてるぞ! 天山有志!」
「私は有志に……」
「アがあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
惑は、シャイニャスが有志を責めているように伝えると、有志は発狂した。
当然、シャイニャスの言い分も聞こえてもいなかった。
「なんでえ……にゃんでえええ……」
発狂しながら、地面に頭を打ち付ける。
「お願いです! 落ち着いてください! お願いだから落ち着いて!」
「じゃあ、頑張ってね」
惑は、興味も無さそうにしながら集落へと帰った。
「ふざけないでください! 全部! 全部あなたのせいで……許せない……」
怒りをぶちまけるが、全く聞き耳持たず、惑達は帰って行った。
「ああ……ああああ」
有志の心は壊れていき、その悲しみと絶望で力がドンドンと失い始める。
『まずい! 奴等! これが狙いか! 仲間を奪わせることで有志の心を完全に壊し尽くす為に!! よくも!』
「そんな……まさか……」
シャイニャスの絶望の目に、神は心が締まる様であった。
「俺は……俺は……どうすれば……一体どうすれば……このままじゃ仲間を失うだけだ……一体どうすれば……いやだいやだいやだああああああああああ!!」
「有志! 有志! 私の目を見て! 有志いいいいいい!!」
『くそお! まさか! さっき西院円惑が言っていた……ロキ! 奴か! 全て奴が!!』
「ロキ……いったい何なのですか!」
『我々の世界から追放された元神だ! 私と私の息子で何とか追い出したが奴が行った行為は余りにも酷い! 奴は私と息子を貶めて神としての信頼を奪おうと画策した外道だ!』
「なんて酷い! 許せません! 神を貶めようと!」
『しかも奴は一つの村を滅ぼした! 罪のない女性だけの村をだ! 奴の残虐性はそれだけじゃない! 竜を人間に変えて私の信徒を殺しまくった!』
「悍ましい……本当にそれが神なのですか……」
『元だ……奴はその残虐性故に我等の天界すらも危険視されている……奴が西院円惑に付いたと考えると……かなり状況が不味い』
神も、流石に恐怖の色が見えた。
「有志! おねがい! ゆうし! めを! 目を覚ましてえええ!!」
有志は、涎を垂らしながら絶望し、俯く。
その時だった。
『有志! 有志! 大丈夫だよ!』
「レティリア?」
『有志! 私もいるよ!』
「テュリアメル……」
『有志……私もだ! ここにいるぞ!』
「レイシャ……レイシャなのか……」
有志の目の前に、死んだ仲間二人、そして存在事消えたレイシャが現れた。
「ああ! あああああ! 良かった! 良かったああああああ!」
「!!! う! 頭が! 頭が痛い! 一体何がああああ!! ぐがああああ!」
『! どうしたシャイニャス姫! 何があった!』
「ぐっがあああああああああああ!!」
目から大量の血を流しながら、シャイニャスは頭を押さえてのた打ち回る。
そして、突如発光する。
『! なんだ! これは一体!』
「おもい……出した……」
『! 大丈夫か! シャイニャス姫!』
「レイシャ……そう! 私の国の騎士様……どうして忘れていたの……どうして記憶から消えていたの……まさか! これも西院円惑が……」
『!! そうだ! 西院円惑が! 西院円惑がロキと組んで君達を嵌めたんだ! そして有志の心に深い傷を与えようとした! 悍ましい奴だ!』
「!! 許せない! 有志を! 私の大切な騎士を! 騎士団長を! 有志! 絶対に奴を殺しましょう! あんなのは生まれて来た時点でおかしいのです! 存在自体消えてしまえばいいのです!」
「ああ! その通りだ! 奴ほどこの世界から! いや……俺のいた世界ごと消してしまわなければならない存在はいない! あんな汚物! ゴミ! クズ! 劣等遺伝子を残してはいけない! 絶対にだ!」
『その通りだよ! 有志! あの劣等遺伝子を残せばこの世界は地獄になる!』
『ええ! 私達の正義の力を見せつけたげましょう!』
『私達なら出来る! 有志! 私達の力を! 受け取ってくれ!』
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
有志は、大量の想いを聖剣に宿らして力を自身に溜め込む。
「受け取ったよ……皆の力……」
有志は、妄想力によって力を得た。




