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記録257『下準備』


「で? どうする? 僕ならその制限を解く事も可能だけど?」

「いや……別にいい、今ここで解けば確実に相手側にもバレる」

「いや……僕がいる時点で100%疑われるよ? なら解いた方が……」

「なら解除されている事も織り込んで騙せばいい……ご情報は案外人を陥れるのに最適だ、何が出来るか分からない状態の方が相手の警戒心を上げてそれを上手く利用出来たりするよ? 例えマイナスでもね」


惑の説明を受けて、ロキは嗤う。


「へえ、それで勝つつもりなんだ! 面白おお!」


エレンは、少し考える。


「イネ……さんはどうなんですか? 使えるんですか?」

「使えないよ? 僕は種族が神キメラとしてある意味では至っただけの存在だよ……新人が仕事自体出来ない様に僕自身も神としての力を完全に使えるわけではないよ……それに僕はまだ亜空間を作り出す事ぐらいかな?」

「ふーん」

「なんでそんな目で見るの! 止めて! 興奮するから!」

「うわ」


惑は、そんなやり取りを見て少し微笑ましそうにする。


「さてと、後はライアンが仮亜空間をどうして使うかだ」

「まあ確かに……レイシャは明らかに騎士としては強い方だし……それをどうやって引き出すか」

「そうだね……まあ一番良いのは……僕が後ろに隠れて先にライアンを出せば……」

「シャイニャスの場合は?」

「正直どっちでも良いんだよねえ……でもまあレイシャを先に倒したい……何故ならどちらかが居ればどちらかの正気を戻すかもしれないし……それは流石にどっちもを堕とす事が出来ないと全くの意味がない……なら片方を確実にってのが一番だと思うだよねえ……」


惑は、少し悩みながら考える。


「なら名指しすれば? 流石にそれなら騎士道精神がはつどうするのでは?」

「それもあるけど……有志やシャイニャスがそれを許すか」

「いや許すでしょ? アイツ等の行動を見れば……」


惑が悩む中、イネは答える。


「確かに惑の言う通り、有志やシャイニャスならそう言いかねないけど……でも……アイツ等って僕から見たらワンパターンな部分がある……何度も何度も痛々しい事を言っている辺り絶対に信じる! だとか言い出しそう」

「あ……分かる……それが合理的な行動ではなく仲間を信じることなんだあああ! とか言いだしそうな奴だけど……うーん……踏ん切りがつかないなあ……ねえ? ライアン、失敗しても良い?」

「別に私は構わないよ……はなっから上手くいくとは思ってもないし……なら一か八かの勝負に出ても良い……」


ライアンの言葉に、惑は嗤う。


「いいね! その賭け! 人類はいつも賭けて賭けて賭け続けた! 成功の裏には確信があった訳ではない! ならばそれは必要な賭けだったからだ! それが運も実力の内って言うのはそういう意味だ! ならそれで可能性を見るのも必要だろう! さあ! 何も準備は整っていない! なら一か八かライアンをぶつけてみようか! さあ! ならば一騎打ちの果たし状でも送ろうか!」

「え? それどうやって……」

「こうやって」


惑は、送るスキルを使って適当に書いた紙を送った。


「それで送れるものなの?」

「イネがいるじゃないか……僕はイネからリンクが繋がっている先へと送っただけだ」

「合わせ技だね! ついでに惑の菊門と僕の竿のリンクも繋げちゃう?」

「繋げない」


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有志達は、次なる街へと向かって歩いていた。


「糞! ゴミムシ! 一体どこにいる! テュリアメルを殺した仇! 絶対に取る!」

「ああ! その……? この紙は?」


そこには、こう書かれていた。


「ドラゴニクスカントリー城壁前にて、騎士レイシャ・アンゼリナを待つ……ライアン・シャグル……手紙保証人、西院円惑! どういうつもりだ!」

「分かりません、でも罠かもしれません」

「そうかもしれない……糞! 西院円惑! 一体何を……」

「待ってくれ二人共!」

「「レイシャ?」」

「これは私への果たし状だ、騎士として受けなければならない……確かに罠だろう……しかしそれすらも超えないといけないのが騎士たる者の務めだ! それらを跳ね返してこそ真の騎士だと父上から習っている! ならば私は父上の教えに従うのみ!」

「レイシャ……分かった! だが俺も行く! 後ろには西院円惑がいるかもしれないからな!」

「私もです! このライアンという奴だけはお願いします!」

「ああ! 任せろ! 信じてくれ!」

「「信じる!」」


イネの言う通り、勇者一行はワンパターンであった。

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