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記録249『ライアン in the 亜空間:攻略法』

「落ち着いた?」

「ああ……多少はな……」


息を落ち着かせながら、ライアンは苦渋の表情を浮かべる。


「だが……まあおおよその攻略法は思い付いた」

「ほうほう」

「この世界の支配だ」

「? それはどういうつもりでの支配かな?」


首を傾げるチェシャ猫に、ライアンは睨み付ける。


「もうその演技止めろよ……西院円惑……腹立たしい」

「まあ……流石にバレるよねえ……もうちょっと遊びたかったんだけど……でも正解に近付いた証明って事で良いのかなあ?」


悪戯っぽっく嗤う惑に、ライアンは深いため息を吐く。


「結局この世界はロキが作り上げた亜空間……精神を支配する事も可能なはずだ……だが俺がすぐに精神を支配されなかったのはイネがいたからだ」

「まああの子は感覚の天才だからね……コツを掴めばすぐにものに出来るのがあの子の自慢だよ……キメラとして色々な精神が中にある状態だと精神支配を上手く回避出来るんだろうね……でもイネにも出来なかったことがある……」

「ここがロキの作り上げただけの亜空間で、精神支配を行っても上書きされてしまってはロキにも手綱が握れなくなる……しかし、それでもこの世界はロキのもの、それを思い通りに支配する事は出来ない、出来るとすれば限定条件を利用した方法での精神支配だ……」

「そうだね、答え的には正解かな?」


ライアンは、手に力を籠める。


「やはり魔力が上手く使えん……結界の発動にはどうすればと考えたが……俺の記憶である国民達を全てイネの支配から解く必要がある……あとトランス状態から」

「ふふふ、楽しいな、トランス兵と言った意味を理解してくれて良かったよ」


惑は、ライアンの成長した様子に少し嬉しそうであった。


「言ってろ! テメエ……最初っから攻略していたくせに可能性という愉快犯的な快楽の為に、演技してただけだろうが……この道化が……」

「てへ!」


惑の、一々の仕草に、怒りを覚えるがライアンはそれどころではなかった。


「あのイネが俺の国民を性的に精神支配している……それを解くにはどうすればいいか……俺は勇者への復讐心によって目が覚めた……」

「そうだね、でも君はそうだったとしても国民が復讐心を持っているって確信を持っているの?」

「いや……俺はまだ見た事がない……一人ぐらいはいたんだろうけどそれを確認できていない……そうである以上完全にそれで支配を解くのは難しい」

「そうかあ……それは残念」

「てか俺だって危なかった……チェスで言うところのチェックを喰らった状態だ……何とか逃げ出せたがあのままだとどうなっていた?」

「エレンちゃんが出て行って、僕も出て行って、イネが一生君を性玩具として遊んでたと思うよ? 亜空間チートハーレムイネってところかな?」

「馬鹿にしてんのか……」


そして、ライアンは作戦に出た。


「まずはイネを討つ……」

「させませんよ?」


そこには、アルマダがいた。


「っく! 貴様!」

「私はイネ様の右腕にして専属騎士……こんな相手イネ様に手を煩わせるまでもない!」


剣を握り、ライアンに向ける。


「っ糞が……まさか……」

「うーん……僕としては今のこの現状より大変な事が起こるよ」

「は?」

「チェシャ猫……貴様は何を言っている」


だが、惑の予測は正しかった。


「ホオオオオオオオオオオオリイイイイイイイイイイイイイイイイ!! インパクトオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

「!! 待て! まさか!」

「っく! 某テロリストか!」

「そりゃいるよ……僕等の記憶から存在する者なんだから」


突如、壁が破壊されて大きな穴を開けながら光線のような真っ直ぐな攻撃が飛んできた。


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「であええ! であええええええ!」

「敵は5人! テロリスト一派だあ!!」


しかし、少年は不敵な笑顔を見せる。


「俺がテロリストだって! 違う! この外道共! 俺は天山有志! この世界を救う革命家だ!」

「私はシャイニャス! 有志の側近にして伴侶!」

「私はレティリア! 有志を援護するアドバイス妖精にして伴侶!」

「私の名前はレイシャ! 有志の右腕専属騎士団長にして伴侶!」

「私の名前はテュリアメル! 有志の援護射撃部隊隊長にして伴侶!」


ある意味懐かしい二人もいた。


「糞! 奴……ぶあばああ!」

「うわ! うわあああ! 羨ましいいいイブばアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」


二人のトランス兵が、有志達によって絶頂を迎えた。


「全く……気持ちの悪い……全てあのチェシャ猫のせいだ!」

「全く! 許せません! 邪悪なチェシャ猫は!」

「あの愉快犯め! 人を! 人間を何だと思っている!」

「絶対に私達の手で滅ぼさないと! 有志! 頑張ってえ!」

「見つけ次第チェシャ猫を狙撃します!」


----------------------------------------------------------------------------------------


遠目から見ていた3人は、唖然とする。

そして、ライアンは微妙そうな表情で惑に言った。


「なんであいつ等お前を狙ってんだ? この国はイネのだろ?」

「知らん」


惑でも、分からない事はある。

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