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記録246『ライアン in the 亜空間:終わらないお茶会』

「美味しいですねえ」

「ああ、とても……」

「美味しい美味しい!!」


マッドハッターの言葉に、チェシャ猫と白兎は、お菓子を食べながら嬉しそうにする。

しかし、一人だけウンザリした表情をしていた。

ライアンは、ここに来てまだお茶会しかしていない。

そう、3日経ったというのにだ。

365日お茶会は続くと言われて気が遠くなったが、現状を知ればもっと頭がおかしくなりそうであった。

しかし、ライアンには、止めれる自信がない。

なぜなら、エレンことマッドハッターがヒステリックを起こすのである。


「ねえ、チェシャ猫さん……あんたは同じもので飽きたりしないのか?」

「? 僕は研究してた時はずっと簡単満腹バーの同じ味を食べてたからね……別に?」

「私はああ! 食べれればなんでもオオオ!!」


白兎は、そもそも味ではなく量派であった。

しかし、ライアンは貴族でもあり、更には同じ味を何度も味わえる程、食事が適当でもない。

その為、飽きが来て苦しくなってきた。


「あの……まっど……」

「何ですか? まさか……飽きたとか言いませよね?」


手元にあるナイフを取って、睨み付ける。


「いえ……その……私もそろそろしないといけない事が……」

「お茶会よりも大切な事ですか?」

「えっと……ここの攻略を……」

「攻略? 攻略っですって! まさか! このお茶を飲める世界を悪夢か何かだと思っている訳ですか!! ああああああ!! そんなの! そんなのyるうせなああああああああああああああああああああああああああああああああい!」


ヒスを起こすと、マッドハッターは1時間は止まらない。


「ああああ!! どうしてどうしてどうしいえええええええ!!」

「いやっと! 待って! ほんとうにま!」

「きいえええええい!!」

「いっでええ!!」


マッドハッターは、近くにあったナイフでライアンの右手を貫く。


「ああああ……ああああ……ああああああああああああああああぎゃああああああああああああああああああああああ!!」

「罰! 罰! 罰うううううううう!!!」

「ほごgべえええ!!」


そして、デザートを食べる為の鉄串で、ライアンの頬を貫く。


「どうしてどうしてどうしええええええええ!!」

「マッドハッター! ちょっとお菓子取ってくれない? そこにあるチョコレートなんだけど?」

「はい! どうぞ!!」


チェシャ猫の機転で、マッドハッターは、落ち着いた。


「ありがとう」

「いえいえ、でもそれで良いのかい? 彼女の話をよく聞けば攻略でなく、共感を得る事が出来ると思うだけど? まさか聞こえてなかった?」

「? え?」


ライアンは、いきなりの事で頭がこんがらがる。


「どういうことだ……今までの会話で……一体何が……」

「アリスさんもチョコいりますか?」

「え! あり……ああ……頂く」

「どうぞ!」


機嫌が直ったマッドハッターを怒らせない様に、ライアンは362個目のチョコを食べ、352杯目の紅茶を飲んだ。


「うう……トイレ……」

「そこにありますよ」

「ありがとう……」


ライアンは、トイレに籠り、今までの分を出した。


「ふー……これがあるだけマシなんだけど……もしこれも無かったら気が狂っていた……」


ライアンは、少し心を落ち着けて考えた。


「一体どうすればこのお茶会を抜けて自身のすべきことを行える……一体どうすれば……」


そこまで考えて、やっと何かに気付いた。


「そうだ……俺はそもそも勇者を苦しめる為にここに来てる……そしてマッドハッターは恐らくエレンちゃんだ……それに俺がお茶会を断ろうとした際、勇者の仲間だと怒った……恐らくマッドハッターは、勇者への怒りはまだ残っている……確か……夢で言ってた……協力者が中にいるって……恐らくチェシャ猫は愉快犯だ……だがそれでもヒントはくれる……可能性を見る為の公平なヒントだ……俺がここでお茶会をしていれば可能性は広がらない……糞……こうやって分かりづらい方法を取るのはやはり西院円惑だ……簡単にはいかない」


ライアンは、自身の情報を纏めて行く。

そして、一か八かの賭けに出た。


「マッドハッター、話がある」

「あら? お菓子かしら? コーヒーかしら?」

「どっちも違う」

「!! なら……どっちですか!! ねえ! ど……」

「勇者を殺す為に……奴等の仲間を討ちそして、勇者を苦しめる……それが俺のすべきことだ……勇者の仲間が減るのは君にとっても嬉しいんじゃないのか?」

「!! まあ……勇者の糞を殺すにはその方が良いけど……」

「ほう……その可能性を取るか……楽しみだ……」


チェシャ猫の言葉は気になったが、ライアンは続ける。


「そのためにはこの亜空間をクリアする必要がある……ものにしてこの技で相手を倒す必要が」

「ふーん……まあそうですか……なら良いですよ」


マッドハッターは、お茶を注ぐのを止めた。


「やってみれば良いじゃないですか……だけど後悔するかもね……それを恐れないならきっとその夢は叶うわ」

「ああ! やるさ!」

「僕も出よう……チェシャ猫の可能性見学はここで必要だからね……このクリアが終わったらお茶をまた注いでおくれ……苦労というスパイスを摂取してくるよ」

「……はあ……はい」


マッドハッターは、取り敢えず了承した。



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